岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

角川「短歌」2021年10月号に寄稿しました。相聞7首より。

2021年10月23日 01時31分00秒 | 岩田亨の作品紹介
奈美との時間(3首抄)・汝(なれ)はいま大人の表情見せたりき紫式部のいろ淡き日に 奈美は匿名だが、僕よりかなり年下。まだ幼い。その表情は時に大人びてくる。その奈美とどういう関係かは問題ではない。・夜の道に吹き寄せられし落葉踏み乾ける音が闇夜に響く これは叙景歌にはいるだろうが、心理詠と考えてもらっていい。僕の心が荒んでいるのだ。・氷雨降る駅のホームに汝(なれ)を待つ別離を告ぐる言葉さがして  奈美 . . . 本文を読む

星座α26号・作品批評:茂吉と佐太郎の歌論に学んで

2021年10月14日 16時56分22秒 | 作品批評:茂吉と佐太郎の歌論に学んで
星座α26号:作品批評。 人間を詠う ・真夜中に電話のコールがとまる歌 ハットさせられる歌である。作者の心も騒だったに違いない。その一瞬を上手くすくい上げた。・故郷の料理を作る歌 コロナによる自粛、家籠り、天候不順と続けば気も晴れぬ。そういう時はなつかしくき味を楽しみたいもの。・水のように雲のような心を持ちたいという歌 境涯詠である。愚痴でないのが良い。「短歌は詠嘆の詩形」と . . . 本文を読む

「星座α」26号:相聞5首

2021年10月10日 15時09分05秒 | 岩田亨の作品紹介
「星座α」26号:相聞5首・不意に思う悲しい思いをしていないか女(おみな)の顔を思い出しつつ 初句が6音の短歌を詠んだのは初めてだ。初句が7音のものはある。咄嗟に口からでたもので意図的なものではない。違和感がないのはそのためだろう。かえって6音で不安定な感情が表現できたかと思う。・あといくど奈々子と会える日があるか胸に秘めつつ夜空をあおぐ 奈々子はもちろん仮名。相手どういう関係かも問題 . . . 本文を読む

かまくら歌会:2021年10月

2021年10月08日 23時26分24秒 | 歌会の記録(かまくら歌会・星座・星座α・運河)
かまくら歌会。今回もメールのやり取りによる歌会となった。 僕の健康状態が芳しくなく、作者名が発表されてから、作者名を見ずに作品批評を送信した。様々な傾向の作品があったが、僕はこのような視点で作品批評をした。「実感のある歌か」「深みのある歌か」「自分に引きつけられているか」「古風になり過ぎていないか」「事実報告的ではないか」「日記的ではないか」「歌意が通じる歌か」「読者が読んで意味が通じる歌か」。  . . . 本文を読む