オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

GSOMIAって何だ。

2019年11月30日 | Weblog

韓国が日本とのGSOMIAを撤回するという。

 メディアでは日中間の軍事情報の交換ができなくなり日本の安全保障に多大な影響を及ぼすと言及している。果たしてそうなんだろうか?GSOMIAとはGenal Security Of Military Information Agreement であり、軍事情報包括保護協定と訳されている。同盟など親しい関係にある国家間で軍事情報を提供し合う際第三国への漏洩を防ぐために結ぶ協定である。

協定の中身を見てみると、

 秘密保全の初歩的なことしか記述されていない。そして、提供された軍事情報は自国の軍事情報と同等以上で扱うことが決められている。軍事情報が提供される前提条件みたいな協定である。軍事情報の提供を保証するものでもなく、強制することもできない。仮に提供されたとしても部外に公表されることは当然ない。提供されたこと自体が秘密裏に扱われる。当然メディアに露出することはない。

北朝鮮の情報がメディアで盛んに流されている。

 この内容は決して正式の「軍事情報」ではない。他国のメディアで発表された内容を紹介して解説しているだけである。これは一方的な情報であり、事実かどうかの裏付けも定かではない。こんな情報が世間で大量に出回っているのである。そこの部分は前提条件として頭に入れておかなければならないし、何も考えないで信じ込むのは危険でもある。情報戦の餌食になってしまう危険性さえ秘めている。

北朝鮮も様々な情報を流している。

 しかし、これを一方的に鵜呑みする人は少ないだろう。韓国からの情報も基本的には同じスタンスで受け取らなければならない。米国から発出される情報についても同じである。世界の各国がそれぞれに勝手な情報を流しているのである。これらを冷静に眺めていると、だいたいの動静が見えてくる。その判断をするのは自分自身でもある。いろんな評論家がいていろんな評論をするが、自分自身も立派な評論家であり、最も信頼できる評論家である。他人任せではいけない。

韓国と日本国間で政治的な軍事情報が密接にやり取りされているのだろうか?

 私にはそう思えない。政治情勢を見ていても、いろいろな政治的発言を見ていても親密な関係とは言えないし、頻繁に軍事情報がやり取りされているようには思えない。GSOMIAは提供を受けた時の処理手続きを決めたもので、提供をするか提供を受けるかどうかは各国の自由意志である。このような状況にあるので、韓国が日本国とのGSOMIAを破棄してもそれほど影響はないはずである。

日米韓は相互にミサイル防衛について情報交換している。

 ハードウェアに付随した軍事情報はある。しかし、これはほとんど米国経由である。日米間には兵器システムに付随する軍事情報が交換されているし、衛星からの情報も相互に取得している。もし、韓国が日本国とのGSOMIAを破棄したら、日米韓の情報共有が煩雑になる。米国はいちいち韓国と日本に対して個別に情報提供していいかをいちいちチェックしなければならない。自動的に情報交換しているミサイル防衛システムでそのようなことは困難である。そしてこんなことをして最も困るのは韓国そのものである。

結局、GSOMIAの撤回はなくなった。

 当然と言えば当然であり、たぶん、米国から強烈な圧力がかかったはずである。もっと言えば、経済制裁撤廃とGSOMIAは全く関係がない。単なる報復措置の手段として持ち出しただけであるが、それさえ報復措置にも脅しにもなっていない。日米韓の円滑な情報交換を拒否して、日米と米韓のいびつな二国間の関係だけにしてミサイル防衛は成り立たない。日本にとっても米国にとっても迷惑な話である。何のメリットもないし、最も困るのが韓国であることを認識していないのがなおお粗末である。

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