オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

福島移住支援への疑問

2020年12月13日 | Weblog

本日の新聞一面に「福島移住支援最大200万円」の見出しが踊っている。

 私的には「また始まった」という感想である。ちょっと考えればおかしいことが解かるはずである。果たして福島の避難指示が解除された市町村の人口が減少している原因は「お金」であろうか?そうではないだろう。それなのにお金で支援しても本質的には意味がない気がする。反対にお金目当てで移住する人達は最初から動機が不純であり、将来的に良好で健全な住民であり続けることは期待できないと思う。あくまで私の思い付きであるが、取り越し苦労にならないことを祈るばかりである。

「本質的に意味がない」と述べたが、

 「本質」の反対語は「現象」である。人口が減少しているのは一つの「現象」である。この現象をもとに本質に迫るが、直ちに「お金」がないからと結論付けるのはあまりにも乱暴すぎる。もっと理由はたくさんあるし、これを横展開してみれば、「お金」だけでないことは確かなはずであり、最も大きな原因は、避難指示地域の安全が未だに担保されていないことと、生活の基盤が確立されていないことである。快適な住環境が提供されるのであれば、国からの「お金」の支援がなくても移住するはずである。

人口が減少しているのは、避難者が帰還していないためでもある。

 新聞によると、移住支援の対象は、事故当時住んでいなかった人とある。帰還者は対象外のようである。新たな移住者が住むようになれば他市町村への避難者も戻るであろうということであろうが、まずは帰還者を優先して支援するのが当然のことに思える。帰還者の移住支援があまりもお粗末で、遅きに失したために、避難者は避難先で新たな生活を確保したのであろう。事故発生後10年が経過し、避難した子供が成人になろうとしている。今更移住もできないだろう。

政府は避難者の将来をどうするかについてあまり言及していなかった。

 だから、避難者は先の見えない中で、苦労しながら避難先で生活基盤を築いてきたのだろう。もし、先が見えて帰還先に新しい未来が確信できれば帰還を目指して避難生活を送ったのだろう。それなのに今頃になって「福島移住支援最大200万円」である。そして、そのあとをどうしようとしているのか全く語られていない。とりあえず支援金を出すことと金額の200万円と対象や条件が方針として決まったようである。目的は「新たな移住を促して地域の復興再生を進める」であるが、地域の復興再生は全国レベルの話であって、福島に限ったことではない。

避難解除区域の人口は18,000人で65歳以上が4割を占めていると言う。

 なぜこのような状況になったのかをつぶさに分析すべきなのだろう。人口が減ったから新しい人を移住させようではあまりに短絡的であり、すでに住んでいる人達の生活環境の改善にはあまり役に立たない。今現在住んでいる人達が快適な環境で問題なく生活できるのであれば、移住希望者は「お金」を出さなくても行動を起こすであろう。地域格差の解消も全国的な課題として残っている。このような移住希望者こそ本当に末永く地域のの住民となる人達であろう。すでに住んでいる人も、避難先から帰還する人も、新しく移住してきた人も、みんな幸せになれると思う。

政府は「お金」を出すことしか能がないようである。

 まとまった「お金」を使って何をするのかが政策であって、ただ単に「お金」をばらまくだけでは大切な「お金」が蒸発してしまう。新型コロナ対策のGOTOキャンペーンや国民一律の給付金や休業保障金などである。現象ばかりにとらわれて本質を見失っている気がする。しかもその「お金」も借金だらけの中からさらに借金を重ねようとしている。右肩上がりの成長や繁栄は必要ないのである。国民の共有資源(国の予算、資産、智識・技能、文化、教育、人材など)を復活させることによる全ての国民の幸福を追求できるような政策を望むものである。新型コロナを機に考え直してもらいたい。


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