オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

自律心

2010年03月23日 | Weblog

自律心がなければ自己は形成されない。

 自己とは自分で創造するものである。しかし、人間は社会生活をしているし、過去、現在、未来を通じて一貫した生き方をしている。刹那に生きるものではないし、無限大から無限小の時間と空間の中で創造力を発揮して生きている。無知者とは無知のために問題を全く認識できない人であり、全知者とは全てを知り尽くし問題の全くない人である。通常の人間は無知者と全知者の中間にあり、常に問題を抱えている者であり問題がなくなることはない。そして、問題を発見するためには自己の視点を貫く自律心が必要である。

自律心を発揮するための独立性は自己の獲得した過去の歴史から生じるものである。

 過去の歴史は各人毎の各人の独特の歩みによって記録され確定される。同一の歴史を有する個人は有り得ないし、一秒の時間が過ぎれば、人はそれぞれの思考と行動をそれぞれに遂行している。そして、その一秒の積み重ねが各人の歴史を刻んでゆく。反対に、適応性とは環境に適応した未来の自己を創造する行為から生じる。しかし、過去と未来を繋ぐのは現在の自己の存在そのものである。現在の自己に繋がらない未来を語る人は妄言者に他ならない。そういう人は、自己の過去の歴史を無視して省みない人でもある。

国においても同じである。

 国の歴史は嘘を言わない。国の歴史こそ自国の独自性であり、自国の歴史を詳細に分析し認識することから自国の独自性を見出すことができるし、自国の歴史を忘れ去ることは自己の独自性を放棄することに等しい。自国の歴史を捨て去った国に自国の独自性を発揮することはできないし、環境に適応した自国の未来のあるべき姿を創造することはできない。自国の自律心を保持するためには、自国の生命力以外に頼るものはないし、自国の生命力とは自然と生じるものである。問題は、自然に生じる生命力を抑圧し封殺し無視する思い込みのへんてこな思想である。その思想は過去の歴史の生い立ちの中で形成されたトラウマでもある。

そのトラウマとはなんだろう。

 私が思うに、やはり第二次世界大戦での敗戦であろう。早くこのトラウマから開放されて、第二次世界大戦で分断された断層を修復しなおす作業が必要なんだろう。どういう訳か、何事も戦後からしか語られない。戦前と戦後を繋いだ考え方をする人があまり見当たらない。戦前に郷愁を感じる人達は居て、過去の文化として語る人はいるが、戦前と戦後を繋ごうとする人は居ないし、繋ごうとする努力をする人も居ない。戦前と戦後が大きく分断された歴史を持つのが日本国の独自性である。その分断された過去を統合して現在を改革し未来へ適応するのが日本国の独自性でもある。これが日本国の運命であり、これを克服するところに日本の真価が問われる。敗戦のトラウマを抱えたままで、その延長線上で迷走しているのが日本の真の姿ではない。

もっと、日本の過去の歴史を見つめよう。

 日本人のいいところは庶民文化である。王侯貴族のための文化でもないし、一部の選ばれた人たちだけの文化でもない。常に庶民が喜ぶものを損得を抜きにして追求してきたのが日本の伝統文化ではなかったのか。庶民が喜ぶことを目的にしてそれだけで良しとした文化でもある。金儲けのための文化でもない。戦前の悠久の歴史を見つめてみよう。その心は今でも大いに息づいている。世界で日本のような物作りをやっている国はない。上流から下流まで全てを囲い込んで中小企業が担い手となって、現場もエンジニアも一緒になって物作りに励んでいる。海外に現場の意見を取り込む風土は基本的にはない。上流で設計されたとおりに下流で製造するのが原則であるし、この原則を守らないことは即不良品の発生に通じる。日本人は上流も下流も能力が高いし、上流は下流の能力に支えられている。伝統的に庶民が優秀なのである。そして大多数の庶民が中心なのである。

そして、日本人は基本的にオタク文化である。

 ひとつのことにこだわる文化でもある。徹底してこだわる文化でもある。戦前の伝統文化の産物を見てみればわかる。「わび」「さび」などは、オタク文化の最たるものである。「わび」「さび」に徹底してこだわったものであるし、しかも、庶民の側に立った素朴の美を追求したものであり、王侯貴族のためのきらびやかで豪華なものではさらさらない。ここに日本人の真骨頂がある気がする。反対に貨幣的な価値にこだわらないところに価値を見出す日本人の心がある。貨幣的な価値のないところに新たな価値を創造するのである。これが日本のやり方ですと世界に対して宣伝すればいい。そしてそのすばらしさを認識させればいい。日本がどの国に対しても円高なのに日本が株安の原因は、海外に対して日本の物作りの真骨頂を海外で理解されていないためだろう。海外で理解されていないために不信感を抱いての日本の株安であろう。なんとか打開できないものか・・・。 

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