オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

痛風の歴史的考察

2024年06月06日 | Weblog
またまた痛風になった。

 現代人の贅沢病である。過食と運動不足とアルコール摂取であろう。運動はしているし、過食も節制しているつもりだが、アルコールはやめることができず今でも楽しんでいる。反対にアルコールを楽しむくらいの身体上の余裕を持ちたいと考えているが、何かのきっかけで突然に痛風に襲われる。体が肝臓で増産した尿酸を血中に排出し始め、あふれた尿酸を末端部分に廃棄した結晶によって大量の針で突かれたような痛さで、力を入れることができない。今回は左足首であるので、歩くのが困難であり、杖を頼りに家の中を動き回っている。

片足が踏ん張れないと身体全体のバランスが壊れてしまう。

 まずは体全体が傾いてしまうし、自分ではまっすぐのつもりでいるので、あちこちにぶつけてしまう。手の動きさえもおかしくて、物を取り落としたり、しっかりとつかめなかったりである。当然歩くのも大変である。階段を上るのも大変だし、ちょっとした段差や傾きにもよろめいてしまう。身体に不具合があるとこんなにも困難を抱えるのだと改めて再認識することとなった。寝るのも大変で、布団の重さにも、足先の向きにも気を付けながら痛みに耐えながら何度も寝返りしながら無理やり寝ている状況である。これからの人生の予行演習かもしれない。

いつものことであるので、医者にも行かないで自分で治している。

 まずは、プチ断食である。血液中の養分があふれ出しているので、それを消化するため尿酸が溜まっている。通常であれば運動をすれば解消するのであるが、ここのところ天候もあって運動が疎かになっていて、来客もあって食事も量が多くなってしまう。考えると、焼き肉パーティーが良くなかったようだ。年を取ると消化機能も衰えてどうしてもいつまでも影響が残ってしまう。アルコールもいつものように摂取していたが、ここのところ「痛風」の出番はなかった。やはり何かのきっかけで身体が変調をきたして尿酸の収支に影響を与えたのだろう。

人類が誕生する前の類人猿は自分でビタミンCを生成できていた。

 しかし、人類が森林で樹上生活していた頃は食物が豊富で、その食物からビタミンCを摂取できるために、自分でビタミンCを生成する機能が退化してしまった。現代の人間も他の生物と違ってビタミンCの生成能力は持っていない。その後、地球の乾燥化に伴い森林が縮小すると、樹上生活が困難になり、人類は地上に降りた。そうすると、豊富な食物が取得できなくて、生命を維持するためのビタミンCが欠乏してしまう。死活問題である。自然は不思議なもので、前には進むが、元に戻ることはできない。

たぶん、当時の人類は必死で食物を漁ったのであろう。

 地上に落ちている食物も食べたのであろうが、そんな食物は腐っていてアルコール分を含んでいる。その当時の人類はアルコールの消化機能を持っていなかった。アルコールは毒だったのである。そんな中でアルコール消化機能を持った人類が誕生した。誕生したというより、突然変異で獲得した機能によって一部の人類が生き残ったのである。アルコール消化機能は人類が生存するために必要な要素であったのである。現代人のアルコールの楽しみ方は誰が考えても邪道である。反省しきりである。

そうこうするうちにサバンナが拡大し、森林はなくなった。

 人間は草原に進出することになるが、森林で豊富だった食物はなくなり、またもやビタミンCが欠乏することになる。このままでは人類は滅亡してしまう。そうすると、人類はビタミンCに代わる尿酸を生成できるようになる。プリン体が騒がれるが、これも尿酸の一種で使用前がプリン体で使用後に尿酸となる。尿酸は抗酸化作用もある。この尿酸によって細胞を作り、エネルギーを発生して生命活動を維持できる。「生成できるようになる」と書いたが、実際は突然変異でこの機能を獲得した人類が生き残ったのである。たぶん、人類の大半はこの間に死に絶えたのであろう。人類は隅っこのほうで細々と生き延びたのである。

そうして人類はアフリカ大陸から地球規模で全世界に進出した。

 人類はアルコール消化機能を持つが、この機能が高い人種と低い人種があって、アジア大陸中央部の人種はアルコール消化機能が低かった。アルコール消化機能が低いと体内にアセトアルデヒドが残留してしまう。アセトアルデヒドは現代ではアルコールで悪酔いする物質として厄介者扱いであるが、アセトアルデヒドは解毒作用がある。そこに地球規模の大規模な疫病が発生した。アセトアルデヒドの解毒作用を持たない人類は大多数が疫病で死んだ。この人類の分布が今でも残っている。日本はアルコール消化機能の低い人種をルーツに持つようだ。

現代の人間に尿酸はそれほど必要としない。

 食糧事情もよくなり、ビタミンCは外部から摂取することが可能である。それでも身体を動かすためには尿酸も必要である。エネルギッシュな人は大量の尿酸が必要である。ちゃんと運動して尿酸を消費していれば、痛風になることもないが、尿酸を作りすぎて代謝が滞ると体内に尿酸が溜まり、これを廃棄する必要があって痛風症状が発生する。尿酸も体外から摂取できるが、ほとんどは体内で生産される。何をきっかけに大量に生産されるのかは不明である。たぶん身体が必要だと勝手に判断しているのだろう。

アルコールも痛風に関係している。

 アルコールは血中の乳酸を増加させ、このことにより肝臓での尿酸の生産を促進させる。反対に腎臓での尿酸のろ過を制限する。要は入りを増加させて出を減少させる。よって血中の尿酸値は高くなってしまう。あまりに高いと痛風の症状が発生することとなる。ビタミンCの不足から人類が獲得した尿酸の役割は、アルコールを摂取すると尿酸を増大させるようになっているようだ。腐った食物を摂取するということはビタミンCが不足していることであり、腐った食物にはアルコールが含まれており、その不足分は尿酸で補填する必要があるようである。

私の発症した痛風から壮大な歴史を考察してみたが、

 痛風にも人類の壮絶な戦いがあったのである。その戦いの結果現在の人類が生き残っている。生き残っている我々は奇跡に近い確率で生きているのである。尿酸を生成する能力を持てなかったら、アルコールを消化できる能力を持たなかったら、アルコールの消化能力が高くアセトアルデヒドの恩恵を受けれなかったら、我々の先祖は生存できずに現在の我々は存在できなかったのである。そんな先祖に感謝しつつ、痛風の痛さも我慢して、節制、節酒に努めて、太古の昔の人類を想像しながら健康的な毎日を過ごしたいものである。
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