昔は喫煙は当たり前

　昭和のドラマを改めて見ると、やたらと出演者達がタバコを吸っている
シーンが目に付く。
　子供番組だったウルトラでも例外ではない。
　ウルトラマンでは、隊長役のムラマツがパイプをくゆらせていたがウルトラ
セブンになると作戦室でも喫煙シーンが出てくる。
　ウルトラ警備隊の隊員達も6人中3人が喫煙者だった。

　特にメトロン星人が登場する8話の‘狙われた街’では、星人が人間を
狂わせる赤い結晶体をタバコに混入し蔓延させようとした。
　実際に北川町の駅前の自動販売機でタバコを買ったフルハシとソガが、
共に作戦室で一服していて突然狂ったように暴れだす。
‘理性や感情を失い、敵を倒す殺意だけを持った人間に変わってしまう。
人類の約半分は、タバコを吸っている’というセリフがあるぐらいだから、
当時の喫煙率はかなり高かったのだろう。　

　そういえば9話ではキリヤマ隊長は作戦室で調査結果が出るのを ライター
で火を点けたり消したりして時間つぶしをしていた。

　35話の‘月世界の戦慄’では破壊されたウルトラホーク1号で月面基地を
調査に行く途中に隊長が‘胸が苦しい’と訴え、気晴らしにタバコに火を
点けようとしてライターから凄い勢いで炎が出るシーンがある。
‘敵が遠隔操作機で酸素バルブを弛めたので、酸素が流れ過ぎた’ という
のを表す演出だったのだろうが、いくらなんでも宇宙空間で密閉された宇宙
空間内でタバコを吸うというのは今では考えられない。　

　ミラーマンでもSGMの地下作戦室で、安田隊員が藤本隊員が吸っていた
タバコの煙を使って霧や雲でできる幻影の実験をやっていた。　　

 ‘喫煙はオトナの証'的な感覚があったのだろうが、今では考えづらいシー
ンが多かった。