松田優作が亡くなって20年

 今から20年前の今日89年11月6日は俳優の松田優作が亡くなった日だ。  

 当時の松田優作はハリウッド映画のブラックレインに高倉健らと出演して
いたが、演じた凄みのある悪役・佐藤役が好評だった。
 だからこそ膀胱ガンで亡くなったというニュースを聞いて驚いた。

 松田優作といえば以前も記したように探偵物語の工藤俊作役で初めて
じっくり見て、彼の魅力が十分に堪能できた。 

 探偵物語をはじめ太陽にほえろのジーパン刑事などアクションスターの
イメージが強かったが、森村誠一シリーズの腐蝕の構造でヒロインの島田
陽子を山で助けて遭難死する大町や映画版・人間の証明の棟居刑事を
演じた頃から存在感のある演技はすばらしかったし、蘇る金狼などハード
ボイルドの大藪春彦作品でも活躍。

 一方で映画版の家族ゲームで家庭教師の吉本剛役を演じたが、長渕剛が
演じたTV版のつもりで見たので全く違う雰囲気に驚いた。 
 単なるアクション俳優・松田優作ではなく本格的な俳優としての魅力満点
だった。

 亡くなった直後に友人Nクンと一緒にブラックレインを見に行ったのだが、
悪役・佐藤を見事に演じ主役のマイケル・ダグラスや高倉健らを遥かに凌ぐ
存在感を示していた。
 その後、TVで何度もOAされる度に見るのだが見れば見るほど松田優作
の鬼気迫る演技に魅せられるのだった。

  生きていれば今年で60歳。
 名優としての円熟期を迎え枯れた演技を見せる松田優作が見られた
だろうし、渡辺謙らとハリウッドで活躍していたかもしれないと思うと早すぎる
死が今でも残念きわまりない。   

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (怪人太郎冠者@1553)
2009-11-07 19:56:07
まさに何十年に一人出るか出ないかの大俳優、それが松田優作でした。血と硝煙の香りが何よりも似合う男、もうそんな男は出てこないでしょう。「太陽にほえろ!」に始まり、「蘇る金狼」、「野獣死すべし」、「ブラックレイン」など忘れがたい足跡を残してくれました。「野獣死すべし」の夜行列車での室田日出男さんとの対決(上野から青森まで行ってた「八甲田」)はたまらなかったです。一時、あれこれ問題起こして干されていた時期がありましたが、その時、石原裕次郎さんが彼の才能を惜しんで自社の「大都会Ⅱ」に起用したのが復活のきっかけだったようです。
 
 
 
名人は名人を知る (こーじ)
2009-11-08 00:20:27
>怪人太郎冠者@1553様
 やはり名人は名人を知るというヤツでしょうね。
 石原裕次郎が惚れ込んだだけの事はありましたね。
 やはり複雑な生い立ちが独特の凄みを熟成したのかもしれません、息子達には そういった凄みがまだないので そういう感が強いのですよ。
 
 
 
Unknown (吉法師)
2009-11-08 00:26:44
松田優作の主演作品、どれもが強烈な印象がありました。凄いのは「前作と同じ傾向の役柄と感じる物が一つも無い」と言う事。同じ事は二度はやらない、というこだわりの強烈さは、さすが!と言うほかありません。

役者として脂が乗り切っていた'83年晩夏、桃井かおりとの共演で製作された「熱帯夜」というTVドラマがありました。映画「ボニー&クライド(邦題・俺たちに明日は無い)」のオマージュとも言える作品でしたが、生活感をまったく感じさせない、寡黙で冷酷な殺し屋役を見事に演じていたのが印象に残っています。
 
 
 
たしかに! (こーじ)
2009-11-09 00:23:35
>吉法師様
 確かにキャラが被る作品は珍しかったですね。
 ヒーローも悪役も演じられる稀有な役者でしたからね。
 
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