「本気のマドリー」と戦えるのはバルサなど一握り。鹿島は掛け替えのない経験をした
今年のクラブW杯で準優勝した鹿島に対し賞賛の声が相次いでおり、
代表チームが今ひとつでスッキリしなかった日本のサッカーファンは
久しぶりに いい気分で年を越せる事になった。
優勝したレアル・マドリード相手に一歩も引かずに延長まで戦った
だけでなく、日本を含めたアジア勢にとっての鬼門だった南米勢に
勝ったというのも大きな収穫だろうし代表チームとの車の両輪である
クラブチームが躍進する楽しみも味わう事ができたのではないか。
鹿島にとって今回のクラブW杯は年間順位3位から挑む形だった
事から、大会前は試合以外でのプレッシャーに晒されていただろう。
もともと鹿島はクラブW杯の予選にあたるACLに対して相性が
悪く目立った活躍を見せられてなかったので内弁慶的な評価が付き
まとったし、今回も開催国枠での出場だったから本来なら出場でき
ない大会だけでなくリーグ優勝自体が年間順位3位からCSを勝ち
抜いてのものだっただけに‘初戦ぐらいは勝て'的な感じだったと思
うのだ。
つまり鹿島は来年なら日本開催ではなく年間順位も3位だから、
クラブW杯には出場できなかったという事になるので今年の活躍
は千載一遇のチャンスを生かしたわけだ。
そして南米王者のアトレティコ・ナショナルに勝ちレアル・マド
リード相手に一時はリードを奪うなどの活躍で、国別対抗のW杯
では現実問題として決勝進出は厳しくてもクラブW杯ならチャン
スありという事をJリーグのクラブ関係者やサポーター達にも意識
付ける事ができただろう。
残念ながら来年以降クラブW杯が日本で開催されるのは かなり
先になりそうだから、出場するには過酷なACLを勝ち抜きアジア
代表として出場するしかない。
これまでのJリーグチームはACLがリーグ戦と平行して行われる
ため勝ち抜くよりもJリーグで優勝争いをする事に主眼を置くチー
ムもあったし、‘クラブW杯に出られても勝てない’という意識が
あったとも言えるだろうが今回の鹿島の活躍はクラブW杯で勝ち
進むという事が現実味を帯びたという事になるのではないか。