井原正巳監督の続投は当然

井原監督に続投要請＝Ｊ２降格の福岡

　先日全日程を終了した今年のJリーグで最下位に終わりJ2に降格
が決まった福岡は井原正巳監督に続投を要請したとの事。

‘準備ができていないところもある中での就任2年目だったが監督が
構築してくれたところは随所に見られたので、しっかり仕上げて
もらいたい’と川森敬史社長は伝えたらしい。

　個人的には今回の降格はフロントがJ1に昇格したにも関わらず
J2時代と同じメンバーで戦った事が最大の原因だと思っているし、
これまでの福岡にはフロントの失敗を監督の責任として押し付け
解任するという体質が影を落としていたのだが これでようやく
負の連鎖から解放されるのではないかと思う。

　福岡にアビスパが来た96年に就任した清水秀彦監督は3年契約を
結んでいた事から若手をじっくり育てて強化する方針を立てていた
のだが、J1初年度に15位に終わると契約を2年残しているにも拘わ
らず1年で清水監督を解任したのを手始めに99年まで4年連続で監
督を1年で交代させるという暴挙に出る。

　当然ながらこんな事をしていたら まともな監督は福岡には来な
いわけで、そうなると有望選手達も入団しなくなるから更に弱体
化する悪循環に陥っていた。

　特に00年に初めて降格争いに巻き込まれず2ndステージでは6位
に入ったネストール・オマール・ピッコリ監督が‘今のメンバー
では来年は残留が厳しいので補強をしっかりやってくれ’と要請
したにも拘わらず、予算不足を言い訳に補強せず翌01年はケガ人
続出で後半失速しJ2に降格した時などフロント自らの不手際を棚
に上げて監督1人に責任を押し付けて解任するなど およそプロの
チームとは言えない体たらく。

　とりあえずJ2では篠田善之の3年という例を除くと殆どの監督は
1年で解任されているので、これでは継続した強化は望めないので
強くなるわけがない。

　そんな中で最も名の知れた井原正巳が昨年監督に就任し1年で
J1に復帰させてくれたものの1年で降格となったわけだから、
これまでのフロントなら解任という事になるのだが今回は続投
という初めてまともな判断をしての続投となったのだ。

　勝負事は時の運というから1年でJ1復帰できる保証はないが、
万一1年で昇格できなくても長い目で強化させてやりたいものだ。