ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
初柿を見れば20年前を思い出す

先日お客さんから‘ウチの庭で取れた柿が多いので’と 10個ばかりの柿を
貰った。
これが我が家にとって今年の初柿になる。
売り物の柿と違ってサイズは小さめだし見た目は今ひとつだが、意外に
こういう柿は美味しいのだ。
さて こういった柿を見ると思い出すのが20年前の事。
20年前の今頃、初顔の年配者が来店した。
カットの終わりがけに常連さんが入ってきたのだが、初顔のお客さんが
常連さんに‘あら、久しぶり。元気にしとった’ と声をかけるではないか。
どうやら年配者のお客さんは半年前に常連さんが入院していた時に同室
だったらしいのだ。
年配者のお客さんは その後髭剃りに入っても喋り続けたので顔を切ら
ないかヒヤヒヤしていたのだが、先に終わると持っていた荷物から柿を
10個ばかり取り出して‘今から孫の所に行くのに土産で持っていく予定
やったけど多いけんコレやるばい’と言う。
‘孫さんにやるのを貰うわけいかんけん、いいよ’と常連さんは言うが
‘遠慮せんでいいったい’と言って置いて行こうとしたが、思い出したように
‘電話を貸して’と私に言った。
どうやら孫の所に‘今から行く’と電話するらしいのだが、突然
‘ちょっと来て’と呼び出された。
我が家の電話はプッシュ式で子機はなく当時、店から居間に上がる靴置
き場に設置していた。
行ってみると‘ワシは黒電話じゃないと かけきらん’
と私に言う。
そこで私がプッシュボタンを押したのだが20年経った今ではダイヤル式の
黒電話をかける方が難しいだろうし、子供達などは かけきらないのでは
ないかと思うのだ。
当時は子機がついた親子電話が ようやく普及し始めた頃なのでダイヤル
を回すタイプの電話も健在だった。
ちなみに年配のお客さんが先に帰った後に常連さんは‘半分だけ貰うけど
残り食べて貰えんやろうか、オレあまり柿は好きやないんよ’と言って5個
ばかり持って帰った。
その夜に例の柿を食べてみたが案の定、美味しくなかった。
次に常連さんが来た時に尋ねると
‘あの柿、不味かったろう。だからアンタ達には悪かったけど
不味い柿を10個はキツイし捨てるわけにもいかんけん貰って
もらったんよ’と言っていた。
実は常連さんは無類の柿好きだったので、美味しい柿と不味い柿を
見分ける事ができたのだった。
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