今から50年前の今日68年9月22日にOAされた、怪奇大作戦
2話・人食い蛾は結果的に異色作と思われる。
マルス自動車の設計技師・西条らが最近アメリカの一部で家畜に
猛威を振るった人間を溶かす細菌・チラス菌によって溶かされる事
件が頻発し、チラス菌を持った蛾が発生している事をSRIが突き止
めるのだが三沢は蛾を使った犯罪だと主張しマルス自動車の設計技
師を狙った犯行だと推理する。
そこでSRIは次に狙われるのが新田課長だと推理し反抗を阻止す
る一方、三沢は何者かに拉致されてしまうのだが何とか脱出に成功
した所にSRIらに追われた犯人の宇野が戻ってくると籠の中に入れ
ていた蛾が飛び回っており鱗粉を浴びて解けてしまうという結末。
このEPは脚本が金城哲夫で監督は円谷一というウルトラシリー
ズのゴールデンコンビによるもので、第1話に予定されていたもの
の撮り直しを命じられるなどで間に合わず2話になったという曰く
つきのもの。
人間が溶けるシーンの撮り直しやSRIのメンバーがチラス菌を持
つ蛾を採取するべく、蛾を捕りに行くシーンなどがカットされるな
ド当初の内容から大幅に変わった感じだ。
またOPのBGMが唯一違うわけで最初に見た時には凄い違和感
があったし、他の作品に比べて雰囲気に凄い違和感があるのだ。
ゲストには犯人の最終ターゲットの新田課長を森山周一郎、2人
目の犠牲者・倉本の妻をアントラー編でチャータムを演じた弓恵子
が演じているなどゲストも多彩で悪い作品ではないと思われるのだ
が壁ぬけ男や恐怖の電話と見比べると何かしらの違和感が拭えない。
今にして思えば脱ウルトラを目指した局側と、ウルトラの流れを
引きずった金城-円谷一コンビの方向性の違いが顕著になっている
という感じになるのだろうか。