才能あるアスリートの芽を摘むのは‘常ウソ’という名の固定観念

 

 先日行われたWBAミドル級タイトルマッチで元王者の村田諒太
が王者のロン・ブラントを2RTKOしてタイトルの奪回に成功した
のだが、この試合を見ていて驚いたのは村田の重戦車の如きパワー
で王者を粉砕した形になっていた事。

 そういえばWBSSバンタム級の決勝に進出している井上尚弥も
ガードの上から殴っても効かせるパワーを持っているし、元Sフェ
ザー級王者の三浦隆司もボンバーといわれる左強打で世界戦でダウ
ンを奪い続けていたのが印象深い。

 昭和の日本人ボクサーは‘パワーやフィジカルでは勝ち目がない
のでスピードとテクニックを駆使して戦うしかない’と言われてお
り、実際に昭和の世界戦はパワーに劣る日本人ボクサーが動き回っ
て相手の強打を空転させながら的確にパンチをヒットさせポイント
を奪いながら判定勝ちというのが必勝パターンだった事を考えると
隔世の感が強い。

 陸上でも昭和の時代は日本人選手が通用するのはマラソンだけと
いわれていたのだが、今では100mや200mでもレベルが上がって
‘決勝に残れないのは残念’的な評価になっているし逆にマラソンの
方が身体能力の高いアフリカ勢にスピード勝負では勝てないと言
われるように両種目の評価が逆転している。

  また野球でも大谷翔平がMLBで打者として活躍しているのだが
飛距離を見ると他の選手達と比べて遜色ないのが分かるし、それを
考えると他の日本人選手にもできない事はないだろう。

 40年以上前になるが78年のジョー小泉氏のコラムで‘陸上や水泳
の沈滞は実のある反復練習や意気込みに、科学的トレーニングを
含めた工夫の差と来日した欧米のコーチ達が言う’とあった。

 つまりコーチ達が最新の理論に目もくれず自らの成功体験のみを
拠り所にした理論で選手を指導するだけだったので、違う角度から
物を見てないため人種的な差や身体能力の差にかこつけて‘日本人
とはモノが違う’という事を敗因にしていた常ウソだったのだ。

 最近はトレーニングや食事による栄養摂取などの理論が日々進化
しているわけで、若いコーチや選手達はインターネットなどで最新
理論を勉強し実践しているからこそ以前よりも体が大きくなり身体
能力も高くなっている。

 にも拘わらずそれらを否定して自分達がやってきた事の経験則を
守る事を強要するOB達や、それらのコメントを垂れ流すマスコミ
こそ競技のレベルアップを阻むものなのだから。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 平成版アンド... 今年度1学期キ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。