奮起せよ琴欧州！

　早いもので大相撲春場所も11日目を終了し、残るは4日。
　優勝争いは名古屋場所以来の優勝を目指す朝青龍が、
全勝で単独トップで1敗で追うのが白鵬だ。
　今日は1敗で追走していた平幕の栃煌山が敗れて2敗に
後退し、優勝争いは事実上 両横綱に絞られた感がある。

 　確かに初場所は朝青龍が復帰して優勝争いを展開し、
千秋楽に両横綱の相星決戦で‘勝った方が優勝’という最高の
盛り上がりを見せたのだ。
　今場所も同じ展開になっているが、少々物足りないのが大関
陣の低迷である。
　初日からインタビュールームが使われなかった日がないぐらい、
連日大関たちが負け続けている。
　物足りなさの原因が、コレなのだ。

 ‘関脇の元気がいい場所は面白い’と言う言葉がある。
　横綱が強いのは当たり前、大関以下の三役が元気で優勝
争いに加わってこそ面白みが倍加するのだ。　ところが現在、
三役で勝ち越しているのは7勝4敗の小結・稀勢の里だけ。
　大関予備軍の関脇と小結が、これでは面白みに欠ける。

　　更に深刻なのが、横綱予備軍の大関陣の不振だ。
　カド番常習のベテランコンビ・魁皇と千代大海が好調では
あるが、30代の彼らに多くは望めないし優勝争いに絡んだ
ところで あっさり後退してしまうのは目に見えている。
　最も大関キャリアの短い琴光喜は、2度の3連敗を喫して
既に6敗しているので来場所のカド番は避けられそうにない。

　そして最も期待されているのに精彩を欠き、途中休場して
しまった琴欧州の不振は何とかならないのだろうか！
　4人の大関の中で最も若く伸び代も、まだまだある。
　白鵬や稀勢の里とライバル関係にあって、最初に大関昇進を
果たしたのが琴欧州だという事を覚えているファンがどれぐらい
いるだろうか？

　新大関の場所前に膝を痛め、無理して強行出場している
のでケガも治りきれず中途半端なままでの相撲内容になっている。
　正直言って、かつての貴ノ浪のようなスケールの大きな相撲を
取って欲しいと思っているが、相撲ぶりを見るとケガの後遺症か
‘おっかなびっくり’取っている感じが否めないのだ。
‘性格も素直’だと聞くが、ひょっとして‘正攻法の相撲を取るべき’
などという周りの声を意識しているのだろうか？
　両横綱が未来永劫 好調とは限らない。
　いつでも横綱に上がれるポジションに復帰して欲しいと、切に
思う今日この頃だ。
　このままでは‘千秋楽の横綱決戦以外は興味なし’というファンが
出てこないとは限らない。