人の縁とは・・・

　明日、福岡市内に住む友人A君の所へ遊びに行くのだがこの友人との
馴れ初めはカットモデルだ。
　高校卒業後、福岡市内で修行していた私はカット練習用の人間モデルを
捜していた。86年の秋に高校時代の友人W君が某大学の大学院に進んでおり
連絡が取れてカットモデルを頼んだ、そして友人や後輩を紹介してもらい
最初になってくれたのが同級のY君だった。
　A君はY君の高校時代からの友人でY君の紹介で、モデルになってもらったが
回数は圧倒的にY君の方が多くA君は多忙で連絡がつかない時が多々あった。
　88年の3月に上京してから連絡は途絶えていたが、89年の1月に「結婚した、
出てきたら泊りがけで遊びに来い」という手紙が蒲田に届いた。
やがて9月に帰郷した私は約束通り泊りがけで遊びに行くと既に子供が生まれて
奥さんは実家に帰っていた。
　やがて互いに多忙で年に2,3回遊びに行くぐらいで大した付き合いはなかった
のだが98年の2月から再びA君と2人の息子の髪を切るのに2ヶ月に1度の割合で
遊びに行くようになった。
　まだ独身だった私にとってA君一家は和気藹々とした楽しげな家庭で
「結婚したらこんな一家になりたい」と思ったのだ。
　99年頃からはお土産のケーキを賭けたカードゲームのUNOを5人でやるようになる。
面白いのが99年3月に、妹夫婦が福岡に赴任して来た時に偶然遊びに来ていたのも
A君一家で当時3歳だった甥っ子も打ち解けて大いに楽しんだし、11月に2人目が
生まれた時は偶然A君がカットをしに来ていたので終了後に妹の入院している
病院が帰り道という事もあって母を車で送ってもらったりして世話になった。　
　00年に女房と付き合い始めてから、最初に連れて行った友人宅もA君宅。
早速6人でUNOをやり女房もA君の息子達と最初から打ち解けて楽しみ、女房が
よく勝つので早速「UNOの女王」という称号までもらう。
A君の結婚式には当然出てないし祝儀も渡してないので、「披露宴に招待して
いいものかと」W君に相談すると「一番付き合いの深いヤツを呼ばんでどうする」
の一言で来てもらった。
　結婚後も2ヶ月に1回のペースで、親子3人をカットして夕食後に UNOをする
パターンが続いている,息子達もA君の息子達からかわいがってもらい大いに
喜んでいるのだ。
　もうすぐA君との付き合いが始まって20年、気が付くと長い付き合いだ。
カットモデルに最初になってもらった時はここまで長く深い付き合いになるとは
到底思わなかった、つくづく人の縁とは不思議なものである。