草むしりしながら

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三代目その2

2023-06-06 17:05:41 | 草むしりの子守歌

三代目その2

 私にとって初孫のあたる息子の長男は、生き物が大好きでバッタなども素手で上手に捕まえます。草原や用水路の脇を通るときは、何か生き物がいないかと真剣な目つきで捜しながら歩いています。 

 たぶんこの子の父親に似たのでしょう。父親である息子も小さいときは生き物を捜して歩いていました。近所の人からは、将来は生物学者だね、などと言われていました。もちろん今では普通の人になっていますが、親子とはよく似るものですね。

 そしてこの息子の生き物好きも、母親である私に似たのだと思います。私もまた小さい時には、昆虫採集ばかりしていました。その上母親になってからも散歩の途中で草原や水路の脇を通るときは、生き物はいないかとベビーカーを押しながら探していました。

 以前ペコちゃん顔が三代続いたと書いたことがありましたが、生き物好きもこの孫で三代目になります。

 さてこの三代目ですが、生き物好きという点で初代である私と仲がいいのです。去年はこの三代目と近所の公園の中にある小さな池で、ザリガニ釣りをしました。

 ザリガニ釣りと言えば、割ばしにタコ糸を結びつけた釣り竿に、餌はスルメと昔から決まっていますね。最初この方法でやってみたのですが、いっこうに釣れませんし、食いつきもよくありませんでした。

 そこで餌をソーセージにしてみたら、ザリガニはすぐに寄って来てぐいぐいと引っ張りはじめました。でも喜んで引き上げると、水面から出た途端にハサミで挟んだ餌を放して逃げてしいました。

 そこで今度はザリガニが水面近くまで来たときに、小さな網ですくうようにしました。すると面白いように捕れて、すぐに飼育箱の中はザリガニでいっぱいになりました。

 でも全部もって帰るわけにはいかないので、一番小さいだけ残して他は池に戻すことにしました。ところが三代目が黙ってはいませんでした。全部もって帰らなければ駄目だと怒りだしたのです。そこでとりあえず全部もって帰って、翌朝まだ孫たちが寝ている間に池に戻しました。

 それから毎日飼育箱の掃除や水替えをして、ザリガニにとっては最悪の、そして孫にとっては楽しいひと時を過ごし、父親の赴任地であるインドネシアに戻っていきました。

 今年も一家の帰国の日が近づきました。でも今年のザリガニ釣りは去年のようにはいかないようです。

 6月1日からアメリカザリガニとアカミミガメが「条件付特定外来生物」に指定されたのをご存知でしょうか?取り扱いには注意が必要で、違反すれば罰金や罰則の対象にもなるそうです。

 これまで通り捕まえて飼育したり、無償で渡したりすることは問題ありません。でも家で飼っていたものを川などに放したり、捕まえた場所とは別の所に放したりすることは禁じられるそうです。また販売や購入も禁止になるそうです。

 でも捕まえた場合でもすぐその場で放す“キャッチアンドリリース”ならば問題はないそうです。

 つまり去年みたいに釣ったザリガニ全部をいったん家に持ち帰り、翌日改めて池に帰すということができなくなったのです。いったん家に持ち帰った時点でザリガニは家で飼っていたことになり、それを池に放すことは重大な反則行為になってしまいます。

 だから釣ったらその場でリリースしなければならないのです。でもそれでは孫が納得しません。孫を納得させ反則行為にならないようにするには、釣りあげたら逃げられてふりをしてリリースするしかないのです。でもそれってつまらないと思いませんか。

 釣りあげたザリガニを飼育箱に入れてどうだい祖母ちゃんすごいだろうって、孫に見せるのが楽しみなのに、逃げられたふりをするなんて……。これじゃ祖母ちゃんはザリガニ釣るがへたくそだと孫に思われてしまいます。

 孫に尊敬され、なおかつ規則違反をしないような手はないものかと悩む、今日この頃です。