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草むしりしながら

読書・料理・野菜つくりなど日々の想いをしたためます

草むしり作「苦うりと狐」

2025-03-06 08:51:31 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

 goo bulog アクセス分析。毎回どんな記事が読まれているか、楽しみに見ています。今日は「童話書きましたが」アクセスされていました。これは子供の頃の思い出を童話にしたものです。手前味噌になるのですが、とてもよく書けていて感動しました。一度読んで見て下さい。

 当時は新美南吉の「ごん狐」に心酔していた時期だったので、なんとなくそれっぽく書いてしまいました。

草むしり作「苦うりと狐」
 

 これはお婆ちゃんが子どもの時のお話です。

 山の中の小さな村にお椀を伏せたような丸い形の山がありました。女の子の家はこの山の麓にありました。お父さんとお母さん、お祖父さんや三人の姉さんたち。女の子は大勢の家族と毎日賑やかに暮らしていました。  

 一方山の中腹のブナの木の下には、狐の巣穴がありました。巣穴には子狐のギンが、お母さん狐と一緒に棲んでいました。一緒に遊ぶ友達や姉弟もいないギンは、時々女の子の家にやって来てはいたずらをしました。
 

 カゴの中の甘柿を渋柿とすり替えたり、後で食べようと思って残しておいた卵焼きを食べてしまったり。いたずらと言っても他愛の無いものでした。でもそのいたずらの被害にあうのは決まって女の子でした。女の子はギンを懲らしめるいい手立ては無いものかと、いつも思っていました。
 

 今日も学校から帰ると、庭で飼っている雄鶏に追いかけられました。きっとギンが雄鶏をけしかけたのに違いありません。でもこんな時に限って家には誰も居ません。

 畑の中を逃げ回りもう少しで突かれそうになった時、お祖父さんが帰って来て助けてくれました。お祖父さんは泣いている女の子に、ビスケットをそっと渡してくれました。女の子は嬉しくなってすぐに泣き止みました。
  

 女の子がビスケットを食べていると、田んぼからお母さんが帰って来ました。お母さんは畑でキュウリの種を撒き直しています。女の子が畑の中を逃げている時に、出たばかりのキュウリの芽を踏んでしまったのです。  
 

 女の子はお母さんのお手伝いをしようと思ったのですが、食べかけのビスケットが気になります。そのまま残しておくと、ギンにまた食べられてしまうかもしれません。そこで大急ぎで残りのビスケットを食べてしまうと、畑に走って行きました。
 

 女の子がキュウリの種を畑に蒔こうとしたら、急にしゃっくりが出てきました。しゃっくりがどうしても止まらず困っている女の子に、お母さんが笑いながら言いました。

「慌てて物を食べたりするからよ。井戸に行って水を飲んでごらん」
 水を飲むと本当にしゃっくりが止りました。

「良かった、苦うりの芽が無事で」
 畑の隅で苦うりの芽を見つけたお母さんが、嬉しそうに言いました。苦うりとはその名の通り苦い味のするうりのことです。女の子はこの苦うりが嫌いだったので、そっちの芽の方を踏めばよかったと思ました。
 
 梅雨明け間近の夕暮れ時でした。
「明日は『おらんだ』にしよう」
 お母さんが初なりの苦うりを見て言いました。女の子はおらんだが嫌いだったので、「嫌だなぁ」と思いました。おらんだとは苦うりとナスとで作る料理のことで、女の子の住んでいる地方では、夏になるとどこの家庭でも食べます。 

 作り方は簡単で、苦うりとナスを油で炒めて味噌で味をつけます。その上に水で溶いた小麦粉でとろみをつけて出来上がりです。苦うりを入れるからなすまで苦くなってしまいます。お母さんは苦い所が美味しいと言うのですが、女の子は苦いから嫌いでした。

「苦うりなんか植えなければいいのに」
 畑の苦うりを見て、女の子は思いました。でもその時鶏小屋の陰で、黄色い尻尾がチラリと揺れたのが見えました。女の子はいいことを思いつきました。

「明日はおらんだだ。嬉しいなぁ」
 女の子は苦うりを見ながら大声で言うと、スキップをして家に帰りました。
 

 次の朝早く女の子は畑に行ってみました。畑には狐の歯型の付いた苦うりが転がっていました。苦うりをひと口噛んだギンが、あまりの苦さに驚いて逃げて行ったのでしょう。小さな狐の足跡が無数に残っていました。
 
 あれから長い月日が経ちました。女の子もとんと年を取り、お婆ちゃんになりした。あれほど嫌いだったおらんだも、いつの間にか大好物になっていました。

 苦うりは今ではゴーヤと呼ばれるようになりました。沖縄料理のゴーヤチャンプルーはすっかり有名になりましたが、おらんだの方はあまり有名になりませんでした。けれども女の子の住む地域では相変わらず食べられています。そして大人は大好きですなのですが、子供は皆嫌がります。
 

 それに比べ世の中は大きく変わってしまいました。近頃では鹿や猪が田畑を荒し、狐はまったく見かけなくなりました。若い人たちは町で暮らし、子供たちの姿もみかけなくなりました。子供がいなくては狐もいたずらができなくて、寂しいのではないでしょうか。
 

 雨上がりの畑では苦うりの実が大きく育っていました。お婆ちゃんは不意にギンのこと思い出しました。ギンも年を取って苦うりが好きになったことでしょう。その時です、倉庫の陰で黄色い尻尾がチラリと揺れたのが見えました。

「明日はおらんだ、うれいな」

 お婆ちゃんは嬉しそうに言うと、家に帰っていきました。

 


今日は晴れ、でも草むしりできない

2024-07-08 11:07:05 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

今日は晴れ、でも草むしりできない

 ご無沙汰しております。また猛暑の夏がやってきましたね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 私の方は自分の頭の中に棲む猫のことを、書いては消し消しては書いてを繰り返しております。それでも少しずつですが、話が前に進んでいます。私の頭の中でぼんやりとしか存在しなかった猫も、今では姿がはっきりと見えてきました。

 さて今日はひと休みして、実在する猫であるハナコについて書いてみました。ハナコは以前にも書きましたように、かなりのお婆ちゃん猫です。でもしぐさが可愛くて、仔猫のように可愛いのです。

 これはたぶん飼い主の欲目って奴なのでしょうが、もうひとつ他に比べる猫がいないということもあります。ところがある日、その比べる対象が出現したのです。

 それは数日前の、梅雨の晴れ間の蒸し暑い日でした。庭の草むしりをしていた時のことでした。草むしりは五月の連休以来でしたので、庭はまるでジャングルのように草が生い茂り、庭木の枝は伸び放だいでした。

 田舎の家は広くて、屋敷の周辺はもっと広いのです。このジャングルのようになってしまった庭、どこから手をつけて行けばいいのかしら。途方に暮れてしまいますね。

 私はこんな時は、庭の西側の草むらから攻めていきます。鶏小屋の跡だったからでしょうか、それとも後先考えずにいろんな苗木を植えたせいでしょうか。広い庭の一番の難所です。でもそこさえ終われば、後はその流れで何とかなるのです。

 早速庭の西側に行ってみたのですが、その日はそこに一匹の若い猫がいました。仔猫よりは大きく成猫よりは小さい中猫です。ただし猫だけならば特別驚きもしないのですが、猫の傍には大きなヘビがいました。我が家の倉の二階に住んでいる青大将くらいの大きさでした。どっちかっていうと、腹ペコの痩せっぽち猫の方が、飲み込まれてしまいそうです。

「猫とヘビ」最悪の取り合わせだと思いませんか。もう見たくもないし、傍にも近づきたくもありません。見ないふりをして草むしりをはじめたのですが、違う場所からのスタートなのでどうも調子出ません。けっきょく庭の草むしりは丸二日かけてやっと終わらせた次第です。

 それにしても炎天下の中の草むしり。体には良くないですね。今日になっても今ひとつ体調が戻りません。年は取りたくないのですね。とつくづく思いました。

 いっぽうヘビに飲み込まれるのではないかと心配された中猫ですが、どうしたものかその後三日ほど我が家の庭をうろついておりました。見た目はやせっぽちの腹すかしにしか見えない猫ですが、若いということは素晴らしいですね。

 バラやブルーベリーの株の間を猛スピードで走り抜け、土地の境に張られた金網にぶつかって吹っ飛んでしまいました。でもなんてことないように走り去って行きました。

 実に躍動感のある若い走り披露してしれました。若さの爆弾がはじけたって感じですね。ハナコも昔はこんな感じだったのを思い出しました。

 やっぱりハナコも年を取っていたのですね。いつまでも若い若いと思っていましたが、本当の若さにはかなわないものですね。もうネズミ退治も引退してしまったので、ネズミホイホイか殺鼠剤でも出そうかと姉と話しました。ハナコの目の前で……。  

 その翌朝です。ハナコは小さなネズミを捕まえておりました。きっと私たちの話を聞いていたのでしょうね。猫は若ければいいってものではないですね。ハナコにはいぶし銀の可愛さがあります。


しばらくブログお休みします

2024-05-19 16:22:23 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

しばらくブログお休みします

 しばらくブログをお休みしていました。その間にも多くの方に訪問していただき、大変うれしく思いました。

 その間生家で畑仕事に専念しておりました。それにしても今年は雨が多いですね。おかげで畑仕事がはかどらず、イライラしておりました。それでも何とか夏野菜の植え付けを終えることができました。また合間には猫のハナコを肛門絞りに連れていきました。

 以前は真っ黒なタールのようなものがたくさん出ていたのですが、今回はほんの少しだけでした。前回体重がかなり落ちていたのですが、今回は400g増えていました。獣医さんがとても喜んでくれました。

 嬉しくなって人間だったら、かなりのお婆ちゃん猫だと話しました。それにしては若々しくて仔猫のように可愛いいと言われました。嬉しいですね。ハナコにはいつまでも元気で可愛いい猫でいてもらいたいものです。

 さて我が家には実はもう一匹、猫がいます。正確には我が家ではなく私の頭の中に、もう何年も棲みついているのです。実に不思議で風変わりな猫で、早く自分のことを外の世界に出してくれといつも催促します。

 私の方も一つの物語にして、猫を外の世界に出してやりたいのでが、もう何年も書けないままの状態が続いていました。ところが最近ふとしたことで、最初の出だしの文がスラスら出て来ました。そのせいかこのところ調子よく書けています。

 ただ何分にも実力が無いので、ブログを書きながらでは無理のようです。そこでしばらくブログをお休みして、最後まで書いてみることにしました。

 でも今回の話は途中で何度も挫折しているので、果たして最後まで書けるかどうかも分かりません。途中でやめてブログに戻ってきても、笑わないで下さいね。

時折ふらっと戻ってきて来ますので、その時はまた訪問してくださいね。


驚いた!

2023-10-10 05:40:46 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

驚いた!

 四歳になる長女の息子が熱を出して、二日間保育園をお休みしました。その間私が子守に泊まり込みで行っていました。

 熱が出たとは言うものの、ほんの微熱でした。薬も飲まずに二日間家でおとなしく?していただけです。ただよほど疲れていたのかそれとも具合が悪かったのか、初日は昼寝を四時間近くして、夕方には食欲も出てきました。

 翌日は熱もなかったのですが、大事をとってお休みしました。元気いっぱいでやや持て余し気味でしたが、二人でプラレールやレゴ等で遊びました。

 いつもは保育園に行っているので一緒に遊ぶ機会がないのですが、たまにこうやって遊ぶのも楽しいものですね。玩具の刀で斬りかかって来たので、大げさに倒れて見せると大喜びしていました。

 いっぱい遊んでお腹が空いたのか、昼前に冷凍うどんを自分で出してきて、はやく食べさせてくれと催促しました。解凍して煮込んであげると、喜んで二玉もぺろりと食べました。それからしばらく遊んでいたのですが、また少し熱がでたようなので昼寝をさせました。

 さすがにこの日は二時間で起こしましたが、目が覚めるとますます元気になりました。そしてよく遊んで散らかすこと。お片付けしないからと時々お父さんに叱られて、玩具を二階の仕舞われてしまうのだとか。その日も二階から持って降りてきて、居間にぶちまけていました。

 ダイナミックな散らかし方とうどん二玉をペロリと食べる食欲に、祖母ちゃんは驚いてしまいました。

 しかしもっと驚いたのは、飼っているカブトムシがまだ生きていることでした。このカブトムシたちはこの夏我が家に3週間程ホームステイしていました。夜中に逃げ出して寝ている私の足の上を這った時はずいぶん驚きましたが、まだに生きているとは思いませんでした。

 野生のカブトムシがどのくらい生きるか知りませんが、この家のカブトムシたちはなんて長生きなのでしょうか?きっと世話の仕方と餌がいいのでしょう。その日もアマゾンからカブトムシの餌が届きました。


3が消えた日

2023-09-04 08:37:33 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

3が消えた日

 今朝テレビをつけると、画面から3の数字が消えていました。正確にはテレビの左上の時間の右横に小さく出ている、東京都心の3時間ごとの気温です。

 最高気温は15時の29度です。テレビの画面の片隅の気温の中からついに3の数字が消えました。29とか28とか1℃か2℃下がっただけなのですが、3の数字が消えたってだけでなんだか嬉しくなってしまいました。

 ただ難を言えばその割に湿度が高くて、清々しさ感に欠けます。その上明日はまた暑くなるそうです。しかし全国的には今日もまだ猛暑の所が多く、生家の位置する地域では最高気温がまだ34度を超えています。

 一部地域ではなく全国的に涼しくなってほしいですね。早く天気予報から30度代の数字が消えるといいですね。

 追伸

 一昨日に近所のスパーの駐車場で、アキアカネを見ました。以前マンションの駐車場で一匹だけアキアカネを見たとブログに書きましたが、今回は数匹飛んでおりました。これは間違いなくアキアカネだと思います。

 アキアカネは暑い間は高地にいますが、涼しくなると平地に降りてきます。これは涼しくなる前触れではないでしょうか?