着る物のうらみ
昨日は気温が30度まで上がり湿度も高くなっていましたが、それほど暑くは感じませんでした。そこで午前中の涼しい時間帯に、もうじきインドネシアから帰って来る孫たちの甚平を買いに行きました。
普段は親の好みもあるので服などは買ったことがありません。でも湯上りに甚平を着せてやりたいので、今回西松屋に初めて行ってきました。
ベビー・キッズ・マタニティ用品の専門店だけあって、品そろえも豊富でかなりリーズナブルな値段になっておりました。見ているうちに色々と欲しくなり、けっきょく上の男の子二人にそれぞれ甚平とパジャマを買いました。
今も昔も服なんて物は、下の子は上の子のおさがりを着ていればいいのでしょうが、今日はあえて二人に平等に買いました。このところ何度か自分の幼い頃の思い出話を書いてみて、異様なほど姉妹の間で嫉妬していたのを認識したからです。主にそれは食べ物に関してですが、姉にはもう一つ着る物に関してもあるようです。
いくつの時だったかは覚えていませんが、ある夏私は浴衣を新調してもらったことがあります。楽しみしていた盆踊りの当日に、仕立て下ろしの浴衣を着せてもらって嬉しかったと同時に、なぜ私だけなのか?という疑問も感じていました。
赤い折り鶴の模様の白いサッカー生地だったのを今でも覚えています。でもサッカ-のでこぼこした布地や折り鶴の模様がどうも幼稚でちょっと残念でもありました。もちろん文句などは言いませんでした。
ところがいざ着てみると、袖が振袖みたいに長くて踊るとふわふわ揺れて、すぐにその浴衣が好きになりました。その浴衣は祖母が縫ったと聞きましたが、なぜ私にだけが縫ってもらえたのかは分かりませんでした。
その理由が分かったのはつい最近のことでした。なんと祖父がわざわざ生地を買ってきて、私に縫ってやれと母に渡したところを、姉は見ていたそうです。
「なにあの爺さん。あんたばかり可愛がって」それ以来姉は祖父が大嫌いになったと憎々しげに言いました。
「衣食足りて礼節を知る」とか「食い物の恨みを恐ろしい」とかいうことわざがありますね。でも「着る物の恨み」もなかなか根が深いものですね。
ですから今回は二人の孫には、平等に甚平を買いました。喜ぶかな……?