買い物に行って菓子パン等を見ると、どうしても食べたくなってしまう。だから極力見ないようにしている。ところがその日はどうゆうわけか菓子パンに目がいき、棚の上にそれを見つけた時には思わず笑ってしまった。
そこで見つけたのは「マンハッタン」という名前の菓子パンだった。笑ったのは向田邦子の短編集『思い出トランプ』の中の「マンハッタン」の主人公を思い出しまったからだ。
主人公の失業男よろしく、「マンハッタン」の文字を見たとたんにスイッチが入った。「マンハッタン、マンハッタン」と頭の中で連呼しながら、買い物カゴの中に入れてしまった。。
早速家に帰って食べてみた。パンのようでド―ナッツのようで、美味しい。私はこの独特の虜になり、気が付くと一袋に6個入ったパンを一人で全部食べてしまっていた。情けない。還暦はとうに過ぎたのに。子供の頃には大人は菓子など食べないものだと思っていたのに、何だこの有様は……。
後はお決まりのコースだ。「あれが無い」「これが切れそうだ」と理由をこじつけてはスーパーに買い物に行き、ついでに「マンハッタン」を買う。「マンハッタン、マンハッタン」あれからずっとスイッチがオンの状態だ。
けれどその日は菓子パンを横目で睨みながら納豆売り場に走って行った。好きでもない納豆だが、薬だと思って毎日食べている。鯖缶だってトマトだってオクラだって、体にいいと言われるものはけっこう食べて努力しているつもりだ。もうじき住民健診だ。このままでは日ごろの努力が無駄になる。
結果はやはり良いにこしたことはない。しばらくはスイッチをオフのままにしておこう。
そこで見つけたのは「マンハッタン」という名前の菓子パンだった。笑ったのは向田邦子の短編集『思い出トランプ』の中の「マンハッタン」の主人公を思い出しまったからだ。
主人公の失業男よろしく、「マンハッタン」の文字を見たとたんにスイッチが入った。「マンハッタン、マンハッタン」と頭の中で連呼しながら、買い物カゴの中に入れてしまった。。
早速家に帰って食べてみた。パンのようでド―ナッツのようで、美味しい。私はこの独特の虜になり、気が付くと一袋に6個入ったパンを一人で全部食べてしまっていた。情けない。還暦はとうに過ぎたのに。子供の頃には大人は菓子など食べないものだと思っていたのに、何だこの有様は……。
後はお決まりのコースだ。「あれが無い」「これが切れそうだ」と理由をこじつけてはスーパーに買い物に行き、ついでに「マンハッタン」を買う。「マンハッタン、マンハッタン」あれからずっとスイッチがオンの状態だ。
けれどその日は菓子パンを横目で睨みながら納豆売り場に走って行った。好きでもない納豆だが、薬だと思って毎日食べている。鯖缶だってトマトだってオクラだって、体にいいと言われるものはけっこう食べて努力しているつもりだ。もうじき住民健診だ。このままでは日ごろの努力が無駄になる。
結果はやはり良いにこしたことはない。しばらくはスイッチをオフのままにしておこう。