草むしりしながら

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風土記 がんまんくらべあらすじ

2019-12-14 06:39:15 | 古事記
がまんくらべあらすじ 「播磨風土記」より

 昔、大穴牟遅命(おおなむぢのみこと)と少名毘古那命(すくなびこなのみことみこと)という二人の神がいました。二人の神は日本の国をつくり固めながら、播磨の国の神崎の郡まできたときです。何かいつもと変わった事をしてみたくなりました。
そこでどちらともなく「はに(粘土)を背負って遠くまでいくのと、大便を我慢して遠くまで行くのと、どちらが我慢しやすいだろうか」といい出しました。

 大穴牟遅命は便所に行きたいのを我慢することだと言い、少名毘古那命ははにを担ぐ方だと言いました。二人の神は言い合いを続けた末、どっちが苦しいかやってみようではないかということになりました。

 二人の神はがまん比べを始めました。一日二日と歩くうちに苦しくなり、大穴牟遅命は出がけに大便をしてこなかったのを後悔しました。頭の中は大便のことばかりです。それでも数日頑張って、ある丘の上にまでやって来た時です。顔しかめ「もうだめだ」と言ってその場にしゃがんで大便をしてしまいました。

 これを見た少名毘古那命もはにを放りだ、しゃがんでいる大穴牟遅命を見て大笑いしました。

 さてそのおかは少名毘古那命がはにを放り出したので、はに岡と名がつきました。また大穴牟遅命が大便をした時、笹が大便を弾き飛ばして、大穴牟遅命の着物に着いたので、そのあたりを派自賀(はじか)の村と名前を付けました。

 放りだしたはにと大便はその後石となって、今も残っているそうです。

◎如何でしたか。古事記と風土記。最後の「がまん比べ」笑ってしまいますね。
石になった大穴牟遅命の大便、どこのあるのでしょうか。きっとお寺の山門の辺りかな?臭う(仁王)からすぐにみつかりますよ。

誰か草むしりに座布団やっておくれ。

◎いつも当草むしりブログにご訪問いただき、ありがとうございます。当ブログは明日よりしばらくの間お休みいたします。
                             
では皆さま獲物がどっさり。                  草むしり

古事記あらすじ25

2019-12-13 06:09:30 | 古事記
内田英雄文 古事記あらすじ25

第八章海幸山幸

㈥降参した兄ぎみ

 帰ってきた火遠理命に、「三年の間何処に行っていたのだ」と火照命は大声で怒鳴りつけました。ほんの数日だと思っていたに、三年も経っていたなんて。火遠理命は釣り針を海の国に行って捜して来たと言い、綿津見の神に教えられた通りに釣り針を返しました。  

 火照命はひったくるように針を受け取りましたが、それからは魚はいっこうに釣れず、だんだん貧乏になっていきました。
 
 仕方が無いので稲でも作ろうと、低い所に田をつくりました。すると大水が出て田を流してしまいました。ならば高い所に田をつくると、日照りが続いて稲ができません。一方弟の方は兄とは反対の所に田をつくったので、いつもたくさん稲ができました。
 
 兄ぎみは弟が羨ましくなり、たくさんの家来を連れて攻めてきました。そこで火遠理命は塩盈珠をとりだすと、潮が満ちてきて兄上をおぼれさせました。兄が許しを乞うたので、塩乾珠を取り出し潮を引かせました。  

火照命は弟の御殿の番人になりました。

 ㈦鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)の誕生
 
 それから数か月経ったある日豊玉毘売突然訪ねてきました。天の神の子は海の国で生むことはできないので、こちらに参りました。と申します。火遠理命はたいそう喜んで海岸の洞穴の中に産屋を建てました。

 ところが屋根をまだ屋根を葺き終わらないうちに子供が生まれそうになり、姫は急いで産屋に入りました。子どもを産むところを見てはいけないと言い残して入っていきました。 

 しかし「見てはいけない」と言われれば、見たくなります。我慢できなくなった命は、戸の隙間から中のごらんになりました。
 
 すると中には一匹のわにざめが、のたうち回っているではありませんか。あの美しい姫がさめだったなんて。命は驚きその逃げ出しました。しばらくして元の姿に戻った姫は「本当の姿を見られたので、もうここにはいることができない」と、子どもを残して海に帰って行きました。

 豊玉毘売がお生みになったみ子は、鵜の羽根の屋根が葺き終わらないうちにお生まれになったので鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)と申しあげることになりました。
         
 (おわり)

古事記あらすじ24

2019-12-12 07:20:03 | 古事記
内田英雄文 古事記あらすじ24

第八章海幸山幸

㈤帰国

 ある日のこと侍女たちの舞を見ておいでになった火遠理命は深いため息をつきました。横にいたおきさきの豊玉毘女はここの暮らしに飽きたのではないかと心配しました。

 火遠理命はここでの暮らしに満足はしているが、ふと兄上のことを思い出したと仰せになり、今までのことを残らず話しました。

 こんな広い海の中で魚に取られた釣り針を捜せだなど、なんて無理に事をおっしゃるのでしょう。しかし私の父は海の神です。何か良い考ええがあるかもしれません。豊玉毘売はさっそく相談に行きました。

 綿辜津見神は海の魚たちを集めて、だれか命さまの釣り針を取ったものがいないかと聞きました。釣り針はあかだいの喉に刺さっていました。

 綿津見神は「この針を兄上にお返しなるとときには、おぼち・すすぢ・まぢち・うるじ。と言って後ろ向きになってお返しなさいませ。兄さまはあなた様に意地悪をした懲らしめをお受けになります」と命に教えられました。
 
 それから「塩盈珠(しおみつたま)」と「塩乾珠(しおひるたま)」を差し上げて、兄上さまが高いとろに田をお作りになったら、あなたはさまは低いところに。お兄上さまが高い所にならは、低い所に田をお作り遊ばせ。そしてお兄上さまがあなた様を恨んでせめて来たら、潮盈珠でおぼれさせ、降参したら塩乾珠で助けてあげなさい。と教えました。
 
 火遠理命は「ひとひらわにざめ」の背中に乗って、笠沙の宮近くの海岸まで帰り着きました。命は無事についた証に、腰につけていた小刀をひとひらわにの首にかけてお返しになりました。
 
 それからはこのひとひらわにを尊んで、佐比持神(さひもちのかみ)というようになりました。

古事記あらすじ23

2019-12-11 07:47:38 | 古事記
内田英雄文 古事記あらすじ23

第八章海幸山幸

㈢海の神の宮

  山幸彦こと日遠理命は夕暮れの海岸で途方にくれてました。もとは自分が無理に釣り道具を借りたためにこんな失敗をしたのですが、もとの針を捜して来いとはあまりにもひどい。日遠理命は思わず涙を流しました。

 竹の杖をついた老人が「天の神のお子さまが、なぜ泣いておいでになられますか」と声をかけられました。それは海の流れをつかさどる塩椎神(しおつちのかみ)でした。日遠理命は少し力を加えて、今までのことを残らず話され、何か良い方法はないかと相談されました。

 塩椎神は「よい方法がござりまするので、これにお乗りあそばせ」と言って、手に持った竹の杖を海になげました。すると見る見るうちに一艘の小舟になりました。

 これから沖に出ると、夜明け頃に海の神で綿津見神(わたつのかみ)の御殿におつきになります。船から降りて、門の前にある大きなかつらの木に登ってお待ちなさい。海の神の姫が来て、うまく取り計らってくれるはずです。

 日遠理命は小舟に乗って、まばゆいばかり美しい御殿に到着しました。船から降りて大きなかつらの木に登り、素早く身を隠しました。

㈣豊玉毘売(とよたまびめ)

 しばらくして侍女が壺を持って水くみに出てまいりました。水を汲もうとして、泉に写っている木の上の命を見つけました。命は侍女の持っていた壺の中に首にかけていた玉飾りをいれました。

 驚いて玉を取ろうとする侍女に「この玉はこの宮の姫しかとることはできない」と仰せになりました。侍女は急いで豊玉毘売のところに行くと「若い男神様が天から降りていらっしゃいました。大王さまよりも尊いごようすでがざいます」と言い、玉飾りの入った壺を差し出しました。 

 姫は壺の中から玉飾りを取り出し、表に出てかつらの木の上をみました。すると侍女の言った通り若い男の神の姿が見えました。すぐに父の綿津見神に報告いたしました。綿津見神は姫の差し出した玉飾りを眺めて「邇邇藝命のみ子に違いない。丁寧にお取り持ちせなば」と申され、御殿に案内しました。

 日遠理命は立派なもてなしを受け、豊田毘売をきさきにして、毎日楽しく暮らしました。





古事記あらあすじ22

2019-12-09 20:32:00 | 古事記
内田英雄文 古事記あらすじ22

第八章海幸山幸 

㈠山幸彦の願い 

 笠沙(かささ)の都は明るく豊かな年月が過ぎて行きました。邇邇藝命のお二人のお子様のうち、兄ぎみの火照命(ほでりのみこと)は「海幸彦」となって魚をとり、弟ぎみの火遠理命(ひおりのみこと)は「海幸彦」となって山の獣や鳥をとっておいでになりました。

 ある日二人は道具を手入れしていました。弓矢の手入れをしていた山幸彦が、互いの道具を取り換えてみてはどうかと言い出しました。そして自分は海に、兄上は山に行ってみてはどうかと言いました。
 
 海幸彦は大切な道具を人に貸すなんて嫌だと、断りました。山幸彦は断られるとますます道具を借りたくなりました。翌日は山にはいかないで、海のことばかり考えていました。
 
 その日夕方海幸彦が帰って来るのを持ち構えて、明日だけでいいからと熱心に頼みました。

 しかし海幸彦はてんで相手にしてくれません。そうなるとよけい借りたくなるのが人情です。夜が明けるのを待ち構えてまたお願いに行きました。そしてやっと貸してもらいました。
 
㈡失くした釣り針

 山幸彦は夢中になって釣りを垂れましたが、小魚一匹釣れません。どうして釣れないのだろうと、思っていると手ごたえがありました。山幸彦はぐいぐいと竿をあげましたが、途中で糸が切れてしまい、大切な釣り針を失くしてしまいました。
 
 一方お兄さまの海幸彦は弟の弓矢を持って山に行きましたが、獲物は取れずすぐに家に帰って弟の山幸彦を待っていました。夕方になって一匹の魚も連れずに戻った弟に、早く自分の釣り道具を返せと催促します。
 
 ところが山幸彦が大切なかぎ針を失くしたと聞き、真っ赤になって怒りだしました。自分の剣で千本の針を作ってお返ししますと、必死で謝る山幸彦に「海の中に潜ってその針をとった魚を捜し出せ。もしあの釣り針を持ってこなければ、再び家に帰って来るな」と言いました。海幸彦は山幸彦の謝る言葉も聞かないで、山幸彦を追い出してしまいました。