草むしりしながら

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くじ運

2019-01-07 14:49:07 | 日記
くじ運

 結婚して最初の年末に、夫が大量のポケットテッシュと小さな鏡餅を持って帰った事があった。勤め先の購買で福引をしたという。新婚家庭に必要な家電を購入したため金額も大きく、三十数回引いた結果だという。

 何とくじ運の悪い人だろうと思ったが、当の本人が一番嫌になったようだ。以来この手のくじは私にくれるようになった。ところが私のくじ運も似たり寄ったりで、「どんぐりの背比べ」もいいところだ。

 ある時大きなサイコロを放って、出た目の数だけ景品がもらえるくじ引きがあった。つまりサイコロの目が六ならば六個の、一ならば一個のお菓子がもらえるという訳だ。しかも数が増えるにしたがって、お菓子の大きさがだんだんと大きくなっていく。

 外れのくじはないし、運がよかれば六個お菓子をもらえる。可能性は六分の一だ。いくら何でも一なんて数は出ないだろうと思ったのだが……

 信じられないことに一が出てしまった。お大きな菓子の袋を山ほど抱えて嬉しそうに帰る親子連れを横目で見ながら、惨めな気持ちになってしまった。気の毒そうなお店の人と、必死で笑いをこらえる夫の顔を思い出す。

 景品の飴玉を口に放り込み、もう二度とくじなど引くかと思った。ところが口の中の飴玉がやけにおいしくて、こんなくじならもう一度引いてみたいものだと思った。