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SLE
※SLEとはステキなレディーがなるエレガントな病気である。

さらば、アコーディオン!!!!

2005-11-21 00:05:56 | ☆日記・随筆☆
アコーディオンを売った。
実は私はアコーディオンという珍しい楽器を持っていた。
小学校の時鼓笛隊でアコーディオンの試験に受かり、家で練習するために買ってもらったものだ。

因みに私の中で鼓笛隊のアコーディオンというのは花形だった。
小太鼓や大太鼓など打楽器の多い鼓笛隊でアコーディオンというのは何かかっこいい。
男子には小太鼓が人気だったが、私の中にそんな選択肢はない。
ピアノの鍵盤もついていてアコーディオンの方が優雅だ。
男子と仲良いいわゆるモテ子は小太鼓の試験を受けていた気がするが、そんな男子との交流より私は優雅さをとった。
見事試験に受かり、私は鼓笛隊のアコーディオン奏者。
嬉しさのあまり買ってもらった思い出の品。
小学校のよりずっと性能がよく、家での練習用に買ってもらったのに、家ではうまく弾けても本番には弾けないということが多々あった。
まあいい、それも思い出だ。

追加すると、いかにも鼓笛隊のアコーディオンが激しい倍率を乗り越えて得た称号のように書いてはいるが、試験はあったものの、生徒の人数も少なく倍率が高いわけではない。
しかも後から聞いた話だが、アコーディオンは小学生には大きい楽器なので、体の大きい子を選んだということだ。(私は小六くらいから今のままなので、当時としてはかなり大きい小学生だった)
そんな事実はおいといて、個人的にアコーディオンは鼓笛隊の花形で、運動音痴の私が唯一運動会で脚光を浴びることのできた瞬間だったのだ。

さてさて、そんな思い出のアコーディオンだったわけだが、今となってはやたら場所だけとって邪魔なものとなってしまった。
でもすごくきれいなものだったので、粗大ゴミとして出すには少し惜しい感じだ。
だから母が楽器を買い取ってくれるところを探してもっていくことにした。
母は昔ハープを習っていて、ハープを売った経験があるということだった。
(それにしてもハープとは……。母に似合わない。)
一件目は買取ができないとのこと。
アコーディオンには和音のボタンがたくさんついているのだが、そのボタンが一つだけ壊れているからだそうだ。
すごくきれいなのに、壊れているのか……。じゃあ売れないかもしれない。

そう思って二件目へ。
母は非常に方向音痴のため、普段持ち歩かない携帯を持って、ちゃんとその店の番号を控えて出陣。
そして、やはり道に迷い、電話をかけようと思ったら、携帯での電話のかけ方がわからない。
結局近くのイズミヤまで入って公衆電話で電話し、その楽器店にたどりついたらしい。
呆れて物が言えない。
何のために携帯を持っていったのか。
帰りに「今から帰る」というあまり重要でないメールだけ私によこした。
(私はよく母を「ぶたさん」と呼ぶので、母のメールには必ずの絵文字がついてくる)

因みにアコーディオンはそこでは千円で売れたらしい。
楽器というのは高いので、元の値段を考えるとかなりの損だが、ボタンが一つ壊れていたのに千円もだして引き取ってくれたのだから、いいとしよう。
千円なんて細木数子の本が二冊買える。

そして母はアコーディオンが売れたことに喜び、イズミヤで出来合いのエビフライを大量に買ってきた。
それでせっかくの千円がなくなってしまったのでは……と思いながら、「えらい若い兄ちゃんが鑑定してくれたよ。ホストみたいなイケメン兄ちゃん」と嬉しそうにエビフライ十本をむさぼり食う母を私は黙って見ていた。
エビフライ十本が体内に入った母はさらに私に「ぶたさん」と呼ばれる運命をたどることになるであろう。