やまろぐ☆つあれぽ

海外登山&トレッキングツア専門の
添乗員の自由日記と
家事育児の日常♪

宇宙

2019-06-15 16:30:36 | 南米・中米

一昨日ベランダから月を見たとき
ふと手が止まった。
去年のキルギスで
氷河の上にいた夜を思い出した。

@イニルチェク氷河
そのときの寒さとか、氷の音を思い出した。
そういう世界があったことを思い出した。

なんか日常でのわたしと、遠いところにいるわたしが
つながるみたいなの。東京の家のベランダで。月を通して。

世界のあちこちに行ってどこが好き?
と良く質問される。
どこなんだろー、どこも好きです
と、答えるほど、どこも好き。笑

でも、実は氷河の上が一番好きなのかもしれない。
キルギスのテンシャン山脈のふもと、広大なイニルチェク氷河の上を10日間テントで
歩き、泊まる、旅をしたの。去年。

氷河の上を歩くのは
山の中の登山道とは違うし、
雪山の雪の上を歩くのとも違う。
土や石ころも混ざった氷の
複雑で脆くて、安定していないところを
ひたすら冒険するの。道は
ない。

月がひっそり7000mの山影に隠れると
暗闇がさらに深まるの。


@4100m イニルチェク氷河ベースキャンプ


<
写真はすべて@イニルチェク氷河 この山はハン・テングリ7010m
すこしテント場から離れた灯りのないところから
見上げる空の
すごいこと。
流れ星がポロポロ落ちていくの。
なんか宇宙だったんだよね。

そして
水が流れているポコポコいう音や
カラン、と、時々氷が溶けて崩れる音がするの。
それが、満点の星空の下
流れ星の音のように聞こえるの。




左から二つ目のピークが天山山脈最高峰のポベータ7439m

宇宙の中にいるんだなあって思った。
カラン、カラン。と。

*

わたしが思い出す最も宇宙な夜は
このイニルチェク氷河でと、
ペルーのマチュピチュでのとき。
マチュピチュのときは、高山病のお客さんを夜に
スタッフたちと下山させるために歩いて暗い山の中を
下りたとき。
70代のその女性も、おんぶされながら
こんな星空は生まれて初めて見た、といっていた
なんだか銀河がピンク色にかすむほどすごいものだった。
星を見ていなかったら、あとは目がおかしくなるほど
暗闇だった。

*

いや、まだあるな、星空の思い出。笑
中学のときの肝試しのキャンプだわ。笑
たいまつが消えて、生まれて初めて本当の暗闇から
星を見たわ。

*

イニルチェク氷河の星空には
氷の音がついていた。


そういえぱ。

20代の後半の頃、後藤くんという男の子がいてね。
いけめんの。笑。3つくらい年下だったかな。
それがポツリポツリしゃべる子でね。
あるとき一緒にウィスキーバーに行って、
テーブルで向き合って座ってそれぞれ、ウィスキーのロックを
頼んだの。後藤くんは、
グラスを傾けて回しながら
氷の音を聞きつ
そのグラス越しにわたしを見つめてた。笑
そしてほろ酔いな感じで、
氷がきれーー
とか言ってた。氷がカラン、カランて。