tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

古書市

2005年07月02日 23時14分15秒 | Weblog
毎年、7月の最初の金土日は大阪の天満橋で、大規模な古書市が行われる。今回で、4回目だと思う。本屋に就職していたときは行けなかった。仕事の関係だからだ。その他は顔を出している。この古書市も毎回、主催者からダイレクトメールをもらう。

社会学関係の本は余り見かけなかった。意外に多かったのが、仏文学関係の研究書や評論集など、よく目に付いたのが、ゾラや19世紀自然主義文学の研究で有名な清水正和氏の本を見かける。残念ながら、清水氏は2、3年前に鬼籍に入られた。

ゾラ、すなわちエミール・ゾラで卒論を書こうとした事がある。ゾラはルーゴン・マッカール(ムーレ)叢書というシリーズで、二つないしは三つの家系図を制作し、その中に書かれた人物のそれぞれを主人公にして、小説を書いた。かなり有名な作家であり、日本でもよく全集を出そうと言う計画が出るのだが、その度に成立しないのである。人に言わせれば、暗く、大衆受けしないとか。仕方なく、普仏戦争を描いた『壊滅』という作品を原書で買ってきたが、かなり厄介な単語の運用を行う作家だった。

あちこち見るが、相対的にこうした古書市に出される本は、高く、なかなか関心を引かない。少し高かったが、杉本淑彦『文明の帝国  -ジュール・ヴェルヌとフランス帝国主義文化-』山川出版社 1995を購入した、時々古本屋で見かけてはいたのだが、その都度見送ってきた。潜在的な人気のある本らしく、1度古本屋で見たら、次は見ないという本でもある。

まだ、あとがきくらいしか目を通していないが、関心の発端は、杉本氏が子どもに読ませる本の内容を先に知っておく必要性から、ジュール・ヴェルヌを手に取ったときから始まったらしい。多彩な人物で、静岡大講師から大阪大学の教授まで進み、最近、京都大学の教授になったそうだ。一度授業を受けてみたかった人物の一人でもある。

最新の画像もっと見る