tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

痛いグリップ(前編)

2008年10月18日 22時22分42秒 | エアーガン/実銃
1995年、エアーガンの業界は再編が始まっていた。

とは書くが、どこかの会社がどこかへ吸収合併されたとかいう話ではない。だいたい、エアーガンの業界でそのようなことなどない。前年、1994年にガスフルオートで一世代を築いたJACが倒産し、暮れにはMGCが企業活動停止などという、ユーザーの側からすれば倒産としか受け止められない状況が起こった。私は、MGCのガスガンを中心に購入して来た人間だから、そのメーカが作らないとなると、この趣味自体を辞めるか、他のメーカに移っていくかだった。で、後者の方を採るのだが、その年、タナカのSIG P226とタニオコバのHK USPが出された。この二丁のうち、どちらを取るかで考えたが、私はタナカのSIG P226を取った。その理由は、SIGが好きだったというのは勿論だが、指でハンマーを倒せる「安全性」があるかどうかだった。そして、タニオコバのHK USPはこれが出来なかった・・・というのを知ったのは雑誌の特集からである。

P226の発売から時間が経ち、やはり同年、タナカはP8を発売した。言わずと知れたUSPのドイツ軍採用型である。そもそも、この時、ドイツ軍がUSPを採用した事実を知ったのは、タナカの広告からであった。このP8を指差して「こっちが良いね」と考えたのは、前記のような理由からだ。

さて、どのような経緯で製品を触ったのかは定かではないし、ましてタニオコバが先なのか、タナカが先だったのかさえも覚えていないのだが、このUSP、あるいはP8を手に取ったときの感想は「これは最悪だ」の一言だった。

器のいかつさがよく指摘されるUSPだが、実銃がそうなのだから仕方がない。それをエアーガンのメーカーが忠実に再現しても責められる問題ではない。エアーガンのメーカーが問われるのは「エアーガンとしての性能」だろう。

私が最悪だと思ったのは、グリップ前面のチェッカーであった。握ると痛いのだ。こんなもの長時間の射撃に使えない。だが、もともとグリップ以外でも何かが気に入らなかったのだろう。映画のなかでUSPが使われていても、「ああ、使われているな」くらいの感想だった。人の深層心理など当の本人でも気がつかないものだ。一時期、ある言葉が流行ったではないか。「心の闇」などと。

ところで、USPはもともと、アメリカ軍の特殊部隊が作戦用に発注した攻撃用拳銃がベースになっている。あのソーコムピストルである。これのエアーガンの発売は1998年だったが、入手は非常に遅れた。1999年の暮れのショットショーである。何故だかよくわからないが、あそこで手に入れた製品は手放すことが多い。なぜか残っているものはKSCの製品ばかり。とはいっても、私がショットショーに通っていた時期のWAやタナカの製品は、よく売れるだけあって、値引きの率が低かった。そのためかもしれない。

ともかく、KSCのソーコムピストルを手に入れたが、グリップ感は相変わらずの「痛さ」であった。しかし、グリップは大きいからしがみつく感じになる。それゆえ強く握って痛い思いをする。悪循環だ。一時期、ラバーのスリップオングリップを付けかえようかと考えたが、サイズが見合わずあきらめた。それで、グローブをはめて撃つのが良いだろうという結論に達した。

しかし・・・・グローブは手に入れず、私はソーコムピストルから離れて行った。ただ、何かしら手放す気になれなかった。今ではパッケージに4色を使った写真を掲載するメーカは少なくなった。当時、KSCはパッケージに写真を使っていたが、今では味気のない入れとくだけの「箱」になった。それがあるのかも知れない。

昨年、久々に引っ張りだして、屋外で撃ってみた。何も付けないノーマルならば、結構な集弾性だが、サプレッサーを付けると大きく左にそれた。バレルが曲がるのか、サプレッサーのどこかに当たるのか、よくわからない。そしてハードキックではないから、どこか撃ち足りない。

一年くらいで「ロングレンジ」から「ハードキック」に交換だな・・・と1999年当時、そんな風に考えていたはずだ。それで、別売りのパーツも買ったが、そのままで9年経った。

いつの事か覚えていないが、タナカはUSPコンパクトを出した。いかつさが緩和されて程よく良いデザイン。ただし、台湾フレームが気に入らない。そしてまた、グリップも「痛い」。

(続く)

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