tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

社員に隔離される社長

2005年02月21日 00時14分33秒 | Weblog
朝方、テレビを見ていたら、「いつみても波瀾万丈」でライブドアの堀江社長が紹介されていた。ライブドアでは社長室がないそうだ。つまり一般社員と同じフロア・同じ場所に机を置いているのである。そういえば、こないだ私が訪問した会社も一般社員と机を並べて、社長の机があった。ベンチャー企業では、改めて社長室を作るというようなことがない。作るスペースが無い訳でもない。まして、会社の体裁を考えて社長室を作ることが半ば常識となっているが、堀江氏曰く、「社長室って、本当に意味が無いのですよ」と。

同じ日、朝日新聞の朝刊の書評欄で、猪瀬直樹氏が『ミカドの肖像』を執筆した当時、国土開発へ取材に行ったときのことを書かれていたが、彼はその時社長専用の応接室に通されたそうだ。その場所は実に20坪ほどあったそうである。

非常に対照的な話である。

昨年、私がDTPオペレーターとして勤務していた会社にも社長室があった。梅田の非常に高層のビルでワンフロアを借りていた。もともと、その場所に詰めている人間の数は少ないのだが、パーティーションを作って、社長室を設定していた。ドアは常に固く閉ざされ、時々社長がトイレに立つ以外は、退社時しか見かけることが無かった。どんな部屋なのかと常々思っていたが、社長が外出している間に、機材を運び込むことになり、その部屋に入った。角地だったそこはガラスを背にして明るく眺めも良かったが、15から18坪と思われるその場所のほんのわずかな12畳ばかりを使用し、机と応接セットがあるだけの殺風景な部屋だった。明らかに、ただ部屋を設定しただけの印象だった。しかし、他の社員にしても、社長は「やんごとなきお方」という捉え方があり、その方の満足いく場所にいていただいて、必要最低限の報告しか行わない(あるいは関わりを持たない)というものだった。

組織が大きいと仕方が無いのかも知れないが、こうなると寂しいものである。しかし、見方を変えると、社長が一般社員と机を並べるというのは、逆に、社員の間で社長という個人が受入れられて初めて意味があるのだと思う。あるいは、たとえ社長室があったとしても、社長の行動次第で変わるのかもしれない。実際、楽天では社長室があるそうだが、三木谷社長はよく一般社員の机の間を歩いて、社員と会話をするそうだ。

採用の時の試験官としての存在でしか認知されていない社長か、ともに仕事を行う人というのを、その存在でもって示すことのできる人か。私が社長だったら、後者を選択して努力したい。

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