ROOM 402

日々多くを思うものですがその思いはすぐにきえて忘れてしまうものです。忘れられない想いや日々の出来事を書き綴ります。

仏教考1

2006年08月19日 | WEBLOG
お盆の時期は過ぎてしまいましたが、このところ仏教についてよく考えます。仏教と一口に言っても天台宗、真言宗、日蓮宗、浄土宗など(それ以外にもたくさんあるようですが)いくつもの宗派に分かれています。この分かれ方がどうもハンパじゃないようで、この日本だけでもかなりの宗派があるのに、仏教のたどってきた道筋(インド→チベット→中国→モンゴル→朝鮮)各地域でもかなりの宗派に分かれているのだそうです。更に各宗派間の対立・抗争の歴史からも新宗派が続々と生まれました。一体全体仏教ってなんなのでしょう?仏教って一つなんじゃないのでしょうか?ブッダの教え只一つが仏教なんじゃないのでしょうか?そもそもブッダの教えのみを仏教とするなら、なんでこんなに宗派があるのでしょうか?と次々に疑問が浮かんできたわけです。
何を今更と思われるかもしれませんが、家業がお寺さんとか熱心な信者の方以外は普通あまり仏教のことなんて考えませんよね。でも、基本的にはなんとなく日本中を仏教が占めているわけであり、そんな仏教関連の彼らは宗教法人を名乗り税金も免除されているわけであり、なんとなく個人的に見過ごせなくなり調べてみようと思い立ったわけです。こと日本の仏教に関して言えばブッダの入滅(死んで)後、千年以上もしてから輸入されてるわけで、その間に先ほどの道筋(チベットとか朝鮮とか)の地域独特の宗教や風習などによりさまざまに形を変え、考えも変形してきたようです。しかし、そうなるとオリジナルの仏教とは程遠いものに変わり果てており、一応仏教と名乗ってはいるもののもはや似て異なるものといっていいのではないでしょうか。丁度、カレーライスと同じです。カレーもインド発祥ですがインドのカレーと日本のカレーは全然違いますものね。私は両方好きですけれども。
そもそも2500年前のインドから1000年も経ってから日本に流れ着いた時点でかなり怪しい状態になっていたのでしょう。流れ着いた当初の奈良時代における法相宗(法隆寺)や華厳宗(東大寺)は学問仏教であり、そのほとんどが政治利用だったようです。一方、時代が平安に変わると「それは違うだろっ!」ということで最澄が比叡山に天台宗を興し、空海が高野山に真言密教を作ります。日本におけるオリジナル仏教である山岳仏教の始まりです。山岳は世俗的な世界と切り離されている不思議な世界です。その静寂の地で瞑想し、心身を鍛錬する。まぁ、修行ですよね。日本人の修行好きもここからきているのかもしれませんね。更にこれらの密教は加持祈祷などの神秘的な威力によっても多くの支持を得たようです。これが私としてはかなり怪しいと思っているのですが、この加持祈祷により国家を擁護し人々の救済と幸福を約束すると説きながら当時の人々の精神世界に相当影響を及ぼしたと考えられます。論理よりも心理的なもので人々の心をつかんでいったわけですね。まぁ、今でいう細木数子的なものでしょう。今でも多くの人が細木にコロリとやられるのですから平安当時はチョロイもんだったと想像します。
その後、平安後期から鎌倉時代にかけて更なるニューウェーブ浄土教の信仰が広がります。このブームは相当凄かったようです。「死後、人間の運命はどうなるの?」という意識の深まりです。こんなの今でもわかんねぇのに当時の人は相当悩んだんだろうなーという感じがします。同時にかなりダマシの種にもなり得る命題だったとも思います。密教の目標が即身成仏、すなわち人間いかに生きて仏になるか、だったとすれば浄土教が目指したのは、人間いかに死ぬか、死んだ後どうやって浄土(あの世)での再生を手に入れるかということなんです。これはかなり怪しいでしょ。でも、これまた当時大流行したようなんです。しかし、ここで重要なのが、ブッダその人の教えの中にはまったく”浄土”という観念がないということなんです。ブッダとその直弟子たちは人間の死後の運命にはまったく関心を示してなかったんですね、これはとても重要なことです。しかもブッダが死の床に臨んで最期に言った言葉が「死後のことにはこだわるな」というのですから浄土教とは何なのでしょうね。別に法然、親鸞、一遍さんたちを否定するつもりはないのですけど、今にして思うとゼッタイおかしいですよね。
しかしながら、その当時のことをよくよく考えてみますと、当時は別に今のような娯楽があるわけでもないし、平均寿命も短いので死もかなり身近にあっただろうし、科学的なものがないので怨霊や言い伝えがかなりの人々の心を支配していたと思われます。そんな状況だと先のかなり原初的な命題や当時の苦しい状況から救われたいという思いがその当時流行していた宗教に多くの人の心を向かわせたのも、わからないでもない気がしてきますね。でも、ブッダはあの世のことなど一言も言ってないんですけど。この他にも栄西や道元によって中国からもたらされた禅宗、ほぼ同時代の日蓮による日蓮宗もあるんだけど、長くなっちゃったのでもう少し自分の頭の中でも整理して次回に鎌倉時代以降から現在までの流れを書きたいと思います。

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