ROOM 402

日々多くを思うものですがその思いはすぐにきえて忘れてしまうものです。忘れられない想いや日々の出来事を書き綴ります。

タチの悪いヤツ

2006年08月07日 | WEBLOG
前回の戦争では、日本はアメリカ以外にも欧州の殆どの国と戦ったことになっている。その証拠に戦後、日本からの賠償金を取り立てる行列には英、仏、蘭、ソ連のほか永世中立国のスイスも並んでいた。スイスは一般的には少女ハイジの国みたいにいわれる。しかし実際にはナチの犠牲になったユダヤ人の財産を横領したり、敗戦国日本にたかったり、どちらかといえばタチの悪いコソ泥に近い素顔を持っている。
戦争もしないで儲けたスイスはともかく、日本と戦った英仏蘭はひたすら酷い目にあったと国際経済学者ジャン・ピエール・レーマンが正直に語っている。例えば戦前の英国はインドやビルマを、フランスはベトナムなどを植民地にし、阿片を売り、子供にまで税を課して、その上がりで豊かに暮らしてきた。ところがあの戦争で日本にアッサリ負け、気がついたら彼らは貧しい欧州の小国に戻っていった。
「日本は負けたが、それは米国が勝っただけで、これらの国々は負けて植民地を失い、兵士は捕虜にされた。その屈辱は晴らせなかった。それが戦後の対日観の根底にある」と。だから日本人が焼け跡で立ち尽くしている間はまだ良かったが、いつの間にか新幹線を走らせ、ソニーやニコンが売れ始めるともう腹立たしくなる。
オランダは腹いせに二度目の賠償を取り、フランスは常に日本を格したに見下すことでなんとかプライドを保っている。元捕虜のピエール・ブールは日本人を猿に擬し「猿の惑星」を作って侮辱した。あいにく日本人はこういう悪意に鈍感で、この映画は日本でも大ヒットし、彼をもっと悔しがらせた。広島、長崎で原爆実験もやり、十分に憂さを晴らしたはずのアメリカも気がつけば沖縄をタダで返還させられ、安全保障もタダ乗りされ、おまけに対日貿易赤字がやたら膨らんでいた。こたえない日本に、彼らが再び手を組んで苛めを計画した。
捕鯨禁止だ。アメリカはメルヴィルの時代から好きにクジラを獲りまくっていた。クジラの皮下脂肪から取れる鯨油が目的で「オレンジのようにクジラを裂き」あとは海に捨てていた。戦後でも鯨油は車や飛行機の最高の潤滑油として珍重されたが、対日赤字が問題になった頃から鯨油に変わる合成油が誕生した。米国の捕鯨は終わった。しかし日本は違った。クジラは日本人にとって文化であり資源であった。70年代末、国際捕鯨委員会に出た日本は驚嘆する。加盟15カ国だった会議が24カ国になっている。しかもクジラとは無関係のケニアやセネガルなど英仏蘭の元植民地とアメリカの裏庭に住むドミニカ、更にコソ泥スイスまでいた。おまけにそれらの国の代表にはシドニー・ホルトをはじめとする英米の知られた自然保護運動家が座っていた。
こうして日本苛めの捕鯨禁止が多勢を占め、会議場では日本代表に米英仏の運動家が唾を吐きかけたり、インクをぶっかけたり。場外からはポール・マッカートニーが「人間の友、クジラを食う日本人は人食い野郎だ!」と発言したのもこの頃だ。日本人のみが標的だったのは同じ捕鯨国のノルウェーやエスキモーはこの非難から除外されたことでわかる。ここ大事。かくて古来より日本人のエネルギー源だったクジラのベーコンも食卓から奪い取られた。すべては感情的な苛めからだった。
日本人は怒った!ここは珍しく役所も一緒に20年、この不当な扱いに抵抗した。こういうとき歩調を乱すものが必ず出てくる。このときは朝日新聞だ。「クジラを食わなくてもいいじゃないか。世界を敵にするよりクジラを諦めよう」と。別にクジラを食いたくて抗議しているわけじゃない。それを百も承知で、論理をみごとにすり替える。
靖国神社がどうの、A級戦犯がこうのと、中国人や朝鮮人が騒いでいる。日本人は、よその国が日本人の心のあり方にまで口を挟んでくることが失礼だといってきた。そしたらまたバカ朝日がヘンなメモをもとに「昭和天皇のお言葉」だから分祀しようかといいだす。ここでも論旨をすり替える。韓国人スリ団よりタチの悪いヤツラがこの国にはいる。


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2 コメント

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凄いね! (鎮目 浩二)
2006-08-09 11:44:25
世界史への造詣おそれいりました、こんなに詳しいとは、、、私は小説ばかり読んでいるのでこう言う知識は丸でありません。大変興味深く読ませてもらいました。次の号が愉しみです。
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Unknown (402)
2006-08-10 09:07:37
ブログ続けるの結構大変。日々のジョギングのようにはいきません。でも文章のいい練習になります。
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