ROOM 402

日々多くを思うものですがその思いはすぐにきえて忘れてしまうものです。忘れられない想いや日々の出来事を書き綴ります。

ART@AGNES

2007年01月14日 | WEBLOG
神楽坂にある隠れ家ホテル、ホテルアグネスで開催されているアートイヴェント「ART@AGNES」に行ってきました。国内有数の現代美術を扱うギャラリーが31件集まり、ホテルをジャックしてホテル内の各部屋で各ギャラリーの扱う作家を販売しようという試みです。私が到着した午後1時くらいは比較的ゆったり見れましたが、帰り際の3時くらいには入場待ちの行列がホテルのロビーを突き抜けて表の駐車場まで50m以上にもわたって並んでいました。さすがに彼らはゆったりと見るというわけにはいかなかったんじゃないでしょうか。そんなに大きなホテルじゃないので現場はケッコウ大混乱だったんじゃないでしょうか。でも初日であれだけのお客さんが行列をなしていたということは、意外なことに日本でも少しずつですが現代美術への関心が高まってきているのでしょうかね。しかし、来場者の顔ぶれを見るかぎりでは、年齢層も比較的若く、昨年あたり美大卒業しましたみたいな人や作家の親族などが目立ってしまっていてまだまだニューヨークやパリ、ロンドンのアート界に比べて田舎っぺの猿真似レベルでしかないなぁともちょっと感じてしまいました。
日本のような先進国でこれほどまでに美術への関心が低い国も珍しいです。拝金国家であるがゆえにその国民もお粗末な拝金主義者、別段特定の宗教があるわけでもないので、酒、テレビ、パチンコ、セックスなどのお手軽で束の間の快楽以外興味ないんでしょう。というかそれしか知らないんでしょうね。しかし、ここまで生活も文化も向上したのですから、そろそろアートの出番なんじゃないかと思うのですが、いろんな意味で。
パチンコも競馬もやらない私にとっては、現代美術ってネットや音楽と同じくらい面白くて自由で思想やアイデアの源泉にもなって楽しいんだけどなぁ。特に写真を趣味とする私にとっては写真家の存在が気になります。新宿辺りの写真ギャラリーは昔ながらのカメラ好きなオジサンには適しているのでしょうが、私にとってはなんの意味もないので、こうしたイヴェントは本当に有難いんです。現在、最前線で活躍しているアートフォトグラファーの作品を生で見れるのもこういう機会しかありませんから。生ゲルハルト・リヒターやウルフギャング・ティルマンスを観れるのも買えるのも貴重です。世界中のアーティストの価格的価値を知ることも大切なことなのです。それにしてもリヒターのペイント高かったなぁ。ソニックユースのジャケにもなっていた有名な作品だったけど350万はちょっと高いかも・・・。でも5年後には平気で500万超えても買えないかもしれないですけど。おーっと、忘れちゃイケナイのが現代美術につきもののハプニングや即効パフォーマンスもホテル内で繰り広げられていて気持ち悪くも面白かったです。今でもあんなハプニングとかやってるんすね。
アーティストやアートフォトを目指している人には多くのヒントや指針が示されたであろう今回のART@AGNES。WAKOワークスオブアート、小山登美雄ギャラリーが良かったな。でも残念なのは、時代を切り開く才能や本当に欲しいなぁという作品はありませんでした。来年に期待しましょう。今年もたまにはギャラリー巡りなどや美術館巡りなどして素敵な作品と出会いたいですね。