酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

小学校の頃 ロクモンスって何 3

2007-04-15 17:25:34 | 塩竈小学校の頃の話
みつひろ君が3塁で止まっています。彼はどんなゲームでも、たいてい1番を打ちました。
 前回もお話しましたが、ロクモンスでは、誰か一人がベースを6週(=6モンス)すれば、攻撃を続行することが出来ます。一番バッターが足が早ければ、それだけ、攻撃に有利になります。要は一番バッターが攻撃の大きなポイントになるわけです。2~3番あたりまでは、そうした役割を担います。で、あとは、一番モンス数(ベース周回数)が多い走者をサポートする役割を担います。酔漢はあまり足が速い方ではないので、打順は後の方が多かったです。それと、話は前後いたしますが、ピッチャーの重要なのは、「打者を打ち取る」事ではなくて(先のも話ましたが、フォアボールも三振アウトもありませんので)「走者にボールをぶつける」事なのです。この試合の相手ピッチャーともひろ君は、実際の野球でも早い球を投げる強肩でした。
 さて、試合に戻りましう。一番バッターみつひろ君がホームベースに戻ると、3モンスになります。
 バッターは ボボちゃん(やすのり君)です。(彼がなぜ、そう呼ばれていたのか分かりません)
「今日、げんこありなのすかや?」
「みつひろ君使ったから、いいことにすんのっしゃ。いいかや?」
「いいよ、ありにすっちゃ」
「んで、おれ大きいのねらうど」
ボボちゃんは、げんこをギュっとにぎると、気合は充分でした。3塁にいるみつひろ君がベースで座っています。
「でかいのいいけど、全員アウトはやめてけらいんネ」
ともひろ君は走者のみつひろ君を一度牽制すると、大きなやまなりのスローボールを投げました。打ち気まんまんのボボちゃんは、思わず、前のめりになり、体制を崩しました。彼はグーの手でボールを取ろうとはしましたが、取れません。
「なんだや、ロクモンスで空振りは久しぶりに見たなや」みんな大笑いです。
ボボちゃんは、三球目を思いっきりバシッと叩きました。球は大きなフライになって、ブランコの前にある桜の枝をかすめて、砂場の方まで飛んでいきました。
本当に大きなヒットを打ちました。
「まわれまわれ」
ボールが、ともひろ君まで届くまで、みつひろ君は3モンス目に入っていました。
「なんで、もっと早くけえさねと、回られっと!」
次のバッターは、たつま君でした。(彼の話はまたあとで書きます)彼はいきなり
パタンコをしたのです。
これは、さすがともひろ君です、よんでました。すばやくボールを取ると、まず
みつひろ君にボールをぶつけようとしました。が、彼はパタンコの間にホームに帰り、4モンス目に入りました。でボボちゃんは2塁の鉄棒を離れたとこでした。
すかさず、ともひろ君のレーザービームが炸裂しました。
パッシッ!ボボちゃんにボールが当たりました。
「おれ、ロクモンスねぇと思って、今日半ズボンだおん。失敗しなや」
彼の太ももにはボールの跡が見事に残っておりました。

「なんか、いつもより、魚くさぐねぇかや」誰かが言いました。
「んで、明日天気悪いのかや?」「んでねぇか」

学校の下をはしる仙石線の音もいつもより近く聞こえているのでした。

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