「つりっこさぁいぐべ」
と、午前二時、親父が寝ている酔漢の部屋のドアを叩きます。
5月の初め、日曜の未明です。
母親の「学校に遅れるヨ!」という目覚ましの声よりも効き目のある声です。
この言葉を聞いたとたん、眠気がすっ飛んで、がぜん「やる気」(釣りの)が出るのでした。
慌ててベッドを飛び起きて身支度します。
自身の道具はスタンバイOK!親父の愛車に積み込みます。
「今日はどこさいぐのすか?」
「鮎 . . . 本文を読む
「何で我が家にこんなものあるのか!」続編でございます。
先月、「かんからかんこ」を片付けている最中にまたまた発見の代物です。
「かねごん」バージョンがプレミアだとか。
そうだよなぁ!あの「シュールな最後の場面」は子供心に強烈な印象を与えました。
尤も「一億」という桁をはじめて覚えましたのが「まゆだま」だったのでしたので。
普通僕らの世代は「三億円事件」でしょ。酔漢はそうではなかったのです。
「メト . . . 本文を読む
仙台市、青葉城跡にあります「護国神社」です。帰仙の度に立ち寄りますが、最近は女性の数が多くなっているようです。「戦国ブーム」と言われるところなのかもしれませんが、どうやら「伊達正宗」と「片倉小十郎」のコンビは絶大なる人気を誇り、どうやらその影響なのでしょう。カメラ片手の女性を目にします。
その青葉神社境内の脇に小さな展示館がありまして、そこに戦艦大和の模型等が展示されております。
以前、そこに祖父 . . . 本文を読む
大和顛末の最終話といたします。
建造から沈没まで語りました。まだまだ、詳細を詰めるところも多々ございますが、知識のなさ、勉強不足を痛感いたしております。
御拝読。感謝いたしております。
ありがとうございます。 . . . 本文を読む
「もうどうにもなりません!」
傾いた艦橋では2F(第二艦隊)参謀達があちこちにしがみついて立っております。能村副長も必死の思いで、ラッタルを駆け上がって第一艦橋までたどり着いたのでした。
伊藤整一司令長官はじっと目を据えて、能村副長を見ているのでした。
艦の速力は六ノット。傾斜は三○度を有に超えております。
石田恒夫少佐は伊藤司令長官を支えるように立っております。
「艦の傾斜復旧なりません。傾斜は . . . 本文を読む
立て続けに数多くの爆弾、魚雷が命中したときをさかいに、大和の左への傾斜は目に見えて、大きくなっていった。
「艦橋。だいぶ傾いているが、大丈夫か」
発令所の分隊士の声が、私の目の前の伝声管をとおしてとび上がってきた。
私は、このとき、なんと答えたらよいのか、まよってしまった。
「大丈夫、大丈夫と答えよ」
私のすぐ後方に腰かけて、望遠鏡をにらんでいた村田大尉(村田元輝大尉。大和方位盤射手)が叫んでいる . . . 本文を読む