VOICE of TSUCKY

ラブラドールのいる風景
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犬フェチ小説

2012-03-30 | つんちゃ文庫
「犬になりたい」なんて一度も思ったことがない。
お気楽そうに見えて、結構不自由な身の上だと同情するからだ。
同情という時点で、すでに「上から目線」で、
したがって、犬として生きていくなんて思いもよらない。

でも、世の中には、犬としての生き方に、
変な言い方だけれど「同調」きる人もいるのだ。
この本を書いた作家は、犬目線になりきっている。
人が動物に「変身」して、人の言葉で語るという設定は、
「吾輩は猫である」ですでに猫がやっているけれど、
でも、あれはあくまで人間の社会を揶揄するのを効果的にするために
猫の口を借りただけで、、
この小説みたいに犬の行動や肉体的変化の説明を
犬の内側から解説してくれることはない。

この本を読んだ後は、思わずつんちゃの行動に対して
その理由を探りたくなってしまう。
人間臭いというのではなく、
本当は人間だったのかもしれない。
今はしらっとぼけて犬に成りすましているだけなのかも?
じっと瞳の奥を覗いて、疑いをかけてみた。
でも、うまく「化け犬」になっているらしく、
人間の「尻尾」をつかむことはできないでいる。

人間関係のシチュエーションや登場人物の変な癖についての細部の描写には
ちょっと辟易させられてしまうので、
主人公がまだ人間だったころのごく最初の部分で
これはダメだ。合わない。気持ち悪い。
と思って一旦、これ以上読み進むのはやめにしようと思った箇所もあったのだが、
我慢して読み進めると、
生理的に受付けない部分というのは人間に関するもののみで、
犬となった主人公と、彼女(彼)の心を何の無理もなく受け入れ支援する不思議なキャラクターの、
自身も半分人間で半分狼という魅力的な「狼人間」が
この小説を途中で放棄することを踏みとどまらせた。

犬フェチとも思えるくらい、犬に関することのオンパレードというのも魅力。
最終章「結尾」で、執念のよみがえりをみせるフサに喝采を送り、
ああ、つんちゃもこのくらいの根性でワタシに執着してほしいな~と思った。

「犬身」は「献身」の意味も含めているのか?


つん:「化け犬」の話?


つん:フサは白黒の犬だから、残念ながらうちとは違うんで、
   うちの可愛がってる白黒ウシ君に同席していただきました。


(陰の声:犬になった人間っているの?人だった記憶を消去されていない犬と、それと知って暮らすのはちょっときつぃけど、)
つん:ぎくり。


(陰の声:クールだけど心優しい狼人間がボディガードとしてそばにいてくれるのは、羨ましいかも。)
つん:勝手やな。


つん:犬フェチ小説? 松浦理英子ってへんな奴。。。
コメント
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