今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

太郎山

2006年02月06日 | 山登りの記録 2004
平成16年7月24日(土)

 久しぶりに子ども二人と山登りだ。長男は5月の天狗山・男山以来の山登りで実に2ヶ月半ぶりと言うことになる。太郎山には今月の10日に次男と二人で出かけたのだが、次男が急に体調不良で、絶好の登山日よりのドピーカンに登山口まで行きながら引き返すという前代未聞の反則技で沈没した。次男は帰宅したトタンに元気になって、ひんしゅくものだった。どうも、お兄ちゃんがいないと話し相手もなく車酔いしてしまうのかもしれない?

 朝4時に起きて日光に向かう。道路は空いていて、前回と同じ登山口まで順調に走り、登山口を7時少し過ぎに出る。先に着いていたワゴン車が一台停まっていた。仕度をして笹の深い登山道に入る。笹が深かったのは始めだけで(しかし直ぐに朝露で少し濡れたが)直ぐに笹は無くなりダケカンバ主体の雑木林を登るようになる。
 二人ともけんかをするものの、やっぱり一人の時より次男も楽しそうだ。少し登ると「新薙」の縁に出て、その後はこれに沿って登っていく、なかなか急傾斜だ。後から来た中年の夫婦がふうふう言いながら、何となく悲壮感を漂わせて抜いていった。何となくストイックなご夫婦です。何でそんなに急ぐんですか?

 道はシラビソの上りになり、キノコ類が目に付くのか、盛んに子供たちは現れるキノコを面白がっている。今日の天気は午後遅くに、にわか雨だの雷だのと予報で言っていたが、朝からもやっていて遠目が利かない。直ぐ向かいの男体山でさえ薄くシルエットになっている。隣の大真名子・小真名子山もはっきり見えない。幸い天気は晴れている、見上げる太郎山の上には雲は見あたらなかった。どうしても男体山は中禅寺湖を前にしているので雲がかかりやすい、その並びにある大真名子・小真名子山と女峰山のいわゆる日光表連山は雲が列をなして頂上部にまとわりついていたが、ここ太郎山はその列から少し下がっているせいか晴れている。

 今日はらくちんコースと思った割には結構な急勾配で、あえぎあえぎ登っていくことになった。周囲のシラビソの丈が低くなって、子供たちもあとどれくらいだと頻りに聞く、そんなこと正確に判るか…適当に答えて置いた。山頂の手前に火口原があって、まずはそこまで登るんだと言ったものだから、火口原まで後何分くらいだと聞くわけだ。でも、二人ともそれ程疲れてはいないようだが、次男は少し遅れ気味に付いてくる。

 新薙をトラヴァースするところは高度感満点。ここは「日光三険」の一つだよと言ったら、「大したことねえなー…」だって。でも、ここで転んだら下まで転げ落ちてしまいそうな急角度だった。展望が開けてきたが、残念ながら霞んでいるので男体山がやっとの状態。そのまま再びやや高さのあるシラビソの林をくぐると笹の下生えの下りになって、ぽっかりと樹木に囲まれた円形競技場のような火口原に着いた。丸いゴルフ場とも言えるかな?芝生が張ってあるみたいな雰囲気だから…・

 火口原は地図にお花畑の記載があるが、かなり乾燥化が進んでいて丈の低い笹が周囲から中心部に向かって広がり始めている。花は極めて少ない、ましてやこの時期にはもうめぼしい花も見あたらない。かつては本当にお花畑だったのだろうか?乾燥化は最近の事とも思えないが…。
 山頂は、南面がガレ場のある樹林の小山になっているが、そこに続く東の黒い溶岩峰の方がここでは人目を引く。

 火口原の山頂よりの端まで行って小休止、お菓子を食べた。晴れていて陽射しがあるから、原の真ん中辺りでは暑いし、座ろうとした低い笹はまだ朝露に濡れていたからお尻が濡れてしまう。笹の中に頭を出している岩の上に腰掛けて休んだ。後発の登山者が登ってきたが、土曜日でもこの山は余り登山者が多くはない、奥日光の山の中では比較的静かだ。

 最後の登りは湿っぽい樹林の中をくぐるように少し登って、ダンゴ鼻の神様が祀られている祠がある、真ん中から割れた大きな岩を右に回り込んで、今まで登ってきたコースよりかなり東寄りにルートをとっている。直登すると薙のガレ場になるので、そのガレ場をよけて巻いているというわけ。

 ほんの少しの登りで、小広い山頂に到着した。小さな祠の隣に真新しい同じような祠が並んでいた。三等三角点と太郎山山頂の山名板しかないシンプルな山頂だが、眺めはすこぶるよい。でも、今日の天気ではごく近くの山しか見えない。白根辺りは雲に覆われているし、奥鬼怒や尾瀬、会津方面はほとんど霞んでいて見えない。何しろ男体山でさえくっきりとは見えないのだから。女峰山も雲に隠れ気味で、もやっている。午後はやはり雷にでもなるのだろうか?到着した時はまだ10時にならなかったから、休み時間を入れても3時間かからなかった。

 西に少し下がった絶壁状の岩角で長い休憩にした。おむすびを食べたり、お菓子を食べた。展望はあまり良くなかったが、開けた山頂は気持ちが良かった。向かいに低く小太郎山のピークがあり、時々その上に登山者が見えた。かつて太郎山のメインコースだったハガタテの登山道は崩壊して今は登れない。険しくて廃道寸前だった新薙ぎコースが、今ではメインルートになりつつある。山王峠から山王帽子山を越えてくるルートも登山者は多いようだが、行きも帰りも山王帽子を越えなくてはならないので敬遠されてきているようだ。
 ハガタテからのコースでは小太郎山が前衛峰で、その頂上にいる登山者はハガタテコースを辿ってきた人たちであろうか?後で必ずしもそうではなくて、新薙ぎを辿ってきた人たちの何割かが、帰りにこのピークにも寄っていくらしいことが判った。とすれば、今はアプローチが一番短い新薙からの道がこの山の表口ということなのだろうか?男体山も、今は表からのコースより志津からの楽なコースの方が人が多いようだし…中高年登山者が多いことや、車で奥まで入れることなどから登山コースも盛衰があるのだろう。

 入れ替わり立ち替わり頂上に人が登ってくるが、降りていく人もいて、頂上は意外に静かだった。溶岩の蔭に咲き残りの高山植物が少しあったが、数は少な目だ。子供たちも案外あっけなく登れてしまったことや、景色がイマイチなので、「余り印象に残らないかもね」と言っていた。2時間以上も山頂にいたが、静かな雰囲気は変らなかった。
 だんだん黒っぽい雲が男体山の方から流れてきて、天気はゆっくりと悪くなる気配だ。子供たちもそろそろ降りようと言い出したので降りることにした。次男は花の絵(ミヤマオトギリ)を描いていた。

 下りは早く、1時間半程で車まで戻ってきた。登山口には他にも朝見なかった車が何台か停まっていたが、程なくそれぞれの主達は戻ってきたようだ。下ってくる途中でも何人かの登山者を見た。或いは他の山を梯子してきたのかもしれない。

 まだ時間も早かったので、金精峠回りで群馬県側に降り、前回錫ヶ岳の時に定休日で入れなかった「しゃくなげの湯」に寄って帰った。山の中で他に観光地もない所なのに、ものすごい盛況だった。肝心の温泉自体は類似の施設に数多く訪れているので、あまり良い方とは言えない印象だ。料金は普通か?施設は余り広くないし平均以下といったところ…。田舎まんじゅうと野菜が安かったので買って帰った、それでも5時少し過ぎには家に帰り着いた。


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