今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・三境山から白浜山往復

2011年02月09日 | 山登りの記録 2011

平成2326日(日)

三境山1,088m、熊糞山1,140m、白浜山1,124.9

 

2月になっても相変わらずの寒波は続いているが、それでもこの2日程は春めいた暖かさで少しほっとする。今年は豪雪らしいから、多雪山地は気温が上がると雪崩に注意だろう。日曜は、朝家を出て行けるご近所の山に行こうと思っていた。土曜は良く晴れて、当然このところ天気のことなど気にする必要がない晴天続きだったから、日曜も晴れるのだろうと予報なんか気にも留めていなかった。ところが、日曜の朝起きたら、どんよりと曇り、さえないお天気。朝ごはんを食べて、前日から用意していたこともあり、予定どおり家を出た。

 

林道三境線が通れるかどうか?分からない。ここは雪が多いときは自然に通行不能になる。冬季通行止めは原則しないところだが、行って見なければ分からない。先日、関係者である○○さんに聞いたら、トンネルの桐生側は大丈夫でしょうとのことだった。今回は、三境山から白浜山をピストンしようと思っていた。

 

白浜山は山渓で昔出したハイグレードハイキングというガイドブックには「たぬき山」と紹介されていた。今は白浜山というのが定着して、「たぬき山」という面白い呼称は使われなくなったが、三境山から根本山に繋がる稜線の途中から草木湖方面に派生した尾根の三角点があるピークだった。その手前にある、やや標高の高いピークは熊糞(ゆうふん)山とか呼ばれているということだ。マイナーな山域ながら、最近は結構登っている人も多いらしい。というか、初めて三境山に登った30年前(当時は三境林道も無かった)は、この辺りの山に顕著なふみ跡さえなかった。三境山でさえ、麓の石鴨の神社から草に埋もれたか細い小道が通じている程度だったから、登山のエリアとして全く注目されていなかったのだった。やはり、中高年登山ブームの影響で、この辺りの地味な山も最新のエアリアには赤い実線で幾つものルート記載がある。

 

梅田の石鴨辺りに来ても、雪はほとんど見られない。道路わきに車を停めたハンターを数人見かけた。三境線の分岐にも、通行止めの看板は脇に寄せられて、問題なく通れるようだった。三境トンネルまで、雪があって凍結しているところは幾らも無かった。しかし、トンネルを抜けるとその先は完全な雪道。トンネルを出て直ぐ右の三境山登山口に車を止め、86分に早速登りだす。

 

登山口から沢状の雪だまりの道を上に向かう。足跡が一つ、多分昨日辺り登ったものと思われる。少し登って、杉の急斜面になると、雪は無くなった。トンネル上の稜線鞍部に登り上げると、稜線ぞいはほぼ雪も無い。全体に薄く霧が巻いて、眺めはほとんどない。車の中で聞いてきたラジオの天気予報によると、今日は夕方から雨、もしくは雪の予報になっている。どうもお天気は望めないようだ。小雪が舞ってくる。気温は低くは無いが、こんな天気で陽射しもないから寒く感じる。登っているので身体はあったまるが、顔は冷たい。

 

南側に木々が切れて展望があるが、向かいの野峰あたりも霧にぼーっと霞んでよく見えない。残間山方面もあまりよく見えなかった。また急な上りになり、行く手に錘形の三境山が見えてくる。ボールを埋め込んだような岩が現れ、いつも気持ちが良い樹林だなと思いながら登る所も、今日のこの天気では陰鬱な雰囲気だった。乾いた小雪は少し密度を増して降ってきた。白浜山まで行くのが良いのかどうなのか、ちょっと躊躇いながら登り、石祠を右に見て9時丁度に三境山山頂に着いた。

 

三境山頂も数度来ているが、今日が一番暗い雰囲気。何となく侘しい気分で三角点脇に腰掛けて、さてザックを下ろすと、その上にはもう薄っすらと雪が積もっている。どうしようかな…としばし考える。

 

それでも、98分に重い腰を上げ、雪も小止みになったので先に進むことにした。三境山から先も、稜線は赤ペンキがほぼ5m間隔くらいで木の幹にマーキングされている。いくらなんでも、これは多すぎるんじゃないでしょうか。一段下って、その先は右手梅田側はヒノキ林、左手東側はクリやナラの広葉樹林の稜線を、上るでもなく下るでもない感じで歩いていく。日陰や所々に吹き溜まりのように雪が積もっているところも有るが、基本的にはほぼ雪の無い稜線を歩いていく感じだ。幾つもの小ピークを上下して、10時に白浜分岐のピークに着く。ここには「五六○」と刻まれた標石があり、真っ赤に赤ペンキが塗られていた。これは目印のためなのだろうか?薄くて読めなくなりつつある木製標識が木に付けられ、『←三境山・根本山→』の上に小さく白浜山の矢印が書かれていた。

 

雪は止んだが、相変わらず霧は巻き視界が利かない。ここから北に向かって派生する稜線に入る。クリ・ナラの広葉樹はこの辺りの代表的な樹相で、藪は全く無い。白浜山に向かう稜線にも、点々と赤ペンキのマーキングやビニールテープがあり、ここも普通にハイキングルートになっているようだ。歩く人も多いものと思われた。それでも、しばらく進んで1,064m標高点ピークまでの間はやや不明瞭な箇所もある。下って伐採地に出ると、晴れていれば眺めも良さそうな所だが、今日はあいにくのお天気で、雪に斑になった近くの山の斜面が見えるくらいで、遠くは霧のベールに隠れて見えなかった。

 

東京農工大の演習林を囲む一角は、シカ避けのフェンスでぐるりと囲まれていた。伐採地から、また眺めの無い樹林の稜線を進み、1,064m標高点でほぼ直角にルートは折れる。東に向かうようになり、岩がちのピークを幾つか越える。この辺り、雪と岩場でやや慎重に通過する。登りが急になり、1020センチ程の積雪が続くと、114分に潅木に囲まれた1,140mの熊糞山(ゆうふんやま)のピークに着いた。熊糞山の山名板が一つ付けられていた。このピークは、この先の白浜山の東峰と主張する人も居るようだが、三角点がある白浜山よりも若干標高が高く、熊糞山という名前は既にかなり一般化しているようだった。

 

熊糞山から大きく下って、また上り返し、雪に覆われ疎林に囲まれた小平地である白浜山に1125分に着いた。霧が濃く幽玄な雰囲気で、周囲を囲む木々もぼやっと霞む、ここには三等三角点が雪の中から頭を覗かせるばかりで、かつてあったらしい山名板の類は全く見当たらなかった。昔は「たぬき山」の山名板が、三角点標石の傍らに生える二又のナラの木にくくりつけられていたようだ。

 

山頂の朽ちかけた倒木に腰掛け、パンを食べてしばし休憩。静かで誰も居ない。1146分に白浜山を後に引き返す。帰りも相変わらず霧に包まれながら、ほぼ眺めの無い稜線を戻り、伐採地でまた少し休憩。110分に「五六○」の標石がある分岐に着く。三境山まで緩い上下をして、2時丁度に三境山山頂に戻ってくる。雪の上の足跡からすると、昨日辺りぼくと同じルートで三境山から白浜山まで往復した単独行者があったようだ。

 

三境山頂で少し休んで、結局その後は雪も降らなかったが、一日霧に包まれた山を下り、249分に登山口に降りた。初めから終わりまで、誰にも会わない静かな山だった。

少し遠回りになるが、みどり市笠懸町の「かたくりの湯」に寄ってから帰った。


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2 コメント

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三境山の登り口って桐生側じゃないのですね (ノラ)
2011-02-09 21:38:12
あさぎまだらさん こんばんは。その昔,三境山や残間山へトンネルの桐生側から籔斜面を登って行った記憶があります。トンネルの向こう側に登山口なんてあったんですね。昔はあったのかな?尾根上にはかすかな踏み跡がありました。三境山なんて篤志家しか行かない場所だっと思います。時代は変わったんですね。
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三境山登山口 (あさぎまだら)
2011-02-09 23:06:00
ノラさん今晩は。
今朝は雪の朝でした。ぼくの家の周囲でも2センチほど積雪がありました。
三境山の登山口ですが、林道三境線が開通して間もなく、東村(当時)側から稜線に直登する道ができました。
梅田の石鴨からの旧登山道を分断する様に林道ができましたから、地理院の地形図にある破線の道は現在は藪に埋まっています。道型はあります。
三境山は静かな山でしたが、林道開通とトンネルから直上する道ができてからは、軽いハイキングコースになっているんですね。
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