今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

大屋山

2006年02月10日 | 山登りの記録 2004
平成16年2月1日(日)

 先月の黒滝山に続いての南牧村の山登り。いよいよこの時期はこの辺しか登れなくなった。この辺の山でも、北斜面はかなりの積雪がありそうだ。
 名前だけはかなり前から知っていた大屋山、家族向きだそうで余裕です。子供たちは鹿岳に登りたかったようだけど、ニの岳の北面岩場はこの時期無理だから、また後でと言って置いた。2人はデジカメを前の日に貰ったばかりなので、とにかく何処の山と言うより、デジカメで写真を撮りたいから、登る山には余りこだわらなかった。
 
 通い慣れた道を南牧へ、天気は上々で、特に今日は暖かくなると言うことだ。六車を過ぎて黒滝山方面へ、萬屋が2軒ある大きな集落から「大屋山へ」という看板に従って林道に入る。前回の黒滝山の時の方が道路に雪が多かった。舗装の走りやすい道がぐねぐねと登り口の蓼沼集落まで続いていた。登り口には車はなかったが、登り始めると間もなく2台の車がそこに停まった。

 やはり日曜日、こんな山にも登山者が…。蓼沼の2軒のおとぎ話?の世界とやらは既に昔の話のようだ。確かにこの南牧村特有の信州型の農家がそこにはあった。でも、道路は舗装され、コンクリートの無粋な擁壁がこの建物を載せていた。そして送電鉄塔が背後にとどめを刺していた。もはやガイドブックに書いてあるような桃源郷はそこに存在しないのだった。少し前は浮世離れした場所だったようだ。

 一軒家の大きな農家の軒をかすめて登り出す。住んでいる方と眼が会ったので軽く会釈する。ここ西上州ではこんな感じに登り出すところばかりだ。すぐにイノシシ?垣にぐるりと囲まれた段々畑を大きく回り杉林の登りになる、そこの水流は凍って大きな氷の固まりになっていた。暗い杉林の中を傾斜がきつくなってあえぐ様になり、蓼沼分岐にさしかかる頃、後続の親子2人が息せき切って登ってきて追い抜いていった?トレーニング中ですか…。
 蓼沼は後回しにして、大分明るくなってきた雑木の斜面を上に向かう。どこからともなく2頭の黒くて大きな猟犬が首に発信器のアンテナを付けて登ってきた。遅れてまた1頭登ってきた。そう言えば、遠くの方で銃声がしていた。犬たちは見た目は大きくてどう猛そうだが、やけに人なつこく、子供たちは犬を触るのが嬉しそうだ。長男は新調のデジカメで2枚も、この雌犬を撮っていた。次男はこの犬に「ゴン子?」という名を付けた(まったくそんな名前がぴったりの犬)、真っ黒で黒ラブみたいな犬だけど、猟犬に違いないのだろうが品種は分からない。皆に遅れを取って「ゴン子」ははあはあ苦しそうだった。働いているんだね、何となくかわいそうな雰囲気…。

 北側の斜面にはかなり雪が積もっている、最後の急坂を登って、大屋山の頂上があった。低木に囲まれて余り眺めは良くない。そこに先ほどの親子が顔を真っ赤にして放心したように座り込んでいた。

 頂上は通り過ぎて、痩せ尾根をしばらく辿った先に岩頭が切れ落ちた西峰の頂上があった。そこに着くと、思わず歓声をあげた。正面に立岩が聳え、ずらりと荒船方面の展望が広がった素晴らしい場所だった。毛無岩も見えたし、この前登った黒滝山も東に見えた。
 ここで、大休止にした。おにぎりを食べておかしやラーメンも食べた。2人は手にしたばかりのデジカメで周囲の景色を撮りまくっていた。次男はスケッチもしていた。前回の黒滝山も、観音岩の上で鹿岳を真剣にスケッチしていたが、今回も立岩をしばらく描いていた。本人によると、結構なできばえだったようだ。彼は数々のコンクールで入賞しているから、自分でも相当な自負心があるようだ。
 1時間半以上もここにいた。帰りの大屋山の頂上にはもう誰もいなかった、他にも後続の人たちがいたようだが、誰もあの眺めの素晴らしい西峰まで来なかった。落ち葉が深く積もった、感じのよい雑木の林は明るい春めいた陽射しに包まれて、のどかで平和なお話の中の山道そのもの。
 蓼沼という沼は、雪に埋まって水らしいものは見えなかった。暖かい、というよりも歩いていると上着を脱ぎたくなる陽気だ。蓼沼集落の上のカヤトの原から南方の山並みが青く広がっていた。本当にのんびりとした楽しい山行だった。
 帰りはまた磯部温泉の「恵の湯」に寄ってから帰った。

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