Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

まだ続く部活

2006-11-04 01:41:34 | つぶやき
 ここに坊主頭の息子がいる。寒いのか恥ずかしいのか定かではないが、一分あるかないかの坊さんの頭になって、隠すように帽子を被っている。友だち同志でバリカンで刈ったというから、よく見るとむらもある。悪事を働いたお仕置きではない。長野県中学駅伝競争大会の練習に参加した男子生徒全員で丸刈りにしたというのだ。毎年恒例らしくて、この丸刈りが嫌で参加しない子どもいるという。きっと丸刈りがなければもう少しレベルは上がるのかも知れないが、案じることはない。レベルは上がってもレギュラーに割り込むほどのレベルの持ち主はいない。

 「二度目の部活」で触れたように、息子はその駅伝大会の練習に部外者から参加した。同じクラスから8人も参加するから所詮「遊び」の感覚なのかもしれない。それでも丸刈りがあるからまだ参加者は少なかったようだ。全校で20人弱。そのどん尻を争っている息子たちだから、大会に出られるわけではない。中学も3年生ともなれば、この時期は実力テストが頻繁にある。その大事な時期に毎日走りこんで帰ってくる。毎日机の上で寝ている。気持ちはわかる。わたしなど走りこんでこなくても、勉強を始めれば眠くなった。同じことを息子もやっているから、わたしにはあまり強くは言えないが、母とは毎日のようにやりあっている。勉強をしたくないから大会の練習をしているようなもので、活き活きとしている。無残にもすでに希望校に対して赤信号の状態なのに、それも参加者の中でドベ争いをしているような状況では、とても「辞めさせたい」とは思うのだが・・・。

 大会前日、参加者全員で丸刈りにしたという。ところが脱走するやつもいて、正規の補欠メンバーですら脱走した者がいるという。そんなことを話題にして盛り上がっている息子たちを見ていて、「こいつらマジに遊んでいる」としか思えない。県内のトップレベルが3人いる息子の中学は、二連覇を目指すが、今まで二連覇したチームはないという。そんなに優しいものではないことは解っているから、ドベ争いをしている親たちは今日で終わりと息子たちを送り出した。それも応援団だからやはり遊びの世界だ。

 さて、昨日その大会があった。2位に1分以上の大差をつけて二連覇を達成してしまった。喜んでよいものか泣くべきか、複雑な気分である。考えてみれば県内のトップレベルが3人もいるのだから、普通に走れば優勝は見えていたのかもしれない。この駅伝で優勝したいと、郡内から転校してきた選手もいるほどだから、「やりすぎ」という感も否めないが、そんな雰囲気だからみんながんばりが違う。初めて息子が練習に参加した日、生徒会の仕事で遅くなったらみんな練習を始めずに待っていたという。中体連まで籍を置いた部とはまったく違うそんな連帯感が、息子にははまったようだ。レギュラーにくらべればまったくレベルが違うのに、そうした連帯感があるのだ。全国大会は山口県だという。息子には、補欠の補欠の補欠なんだから連れてってもらえないよ、というが「そんなことはない」とまだ練習を続けるという。すでに進路の決まっている人たち(もちろん陸上で)と一緒に練習したところで、息子は進路が遠のいて行くばかり。やはり泣くべきかも知れないが・・・。
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