Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

木曽の山々

2006-11-21 19:21:57 | ひとから学ぶ


 昨日は仕事で木曽を訪れた。事務所の仕事が忙しくて回らないのに、今年はよくよその部署の仕事をやるために出かける。今度は木曽である。今年春に開通した権兵衛トンネルをはじめて通った。わが家から木曽福島まで60キロ余である。通勤時間帯を少しだがずれていたこともあって、権兵衛トンネルの道は他の車の姿が見えないほどに空いていた。木曽街道の大型車の通行量が多いことは知られているが、意外にも木曽と伊那を連絡する車はまだ少ないんだということを知った。木曽の部署にこのトンネルを利用して通勤している同僚がいて、様子をうかがうと、通勤時間帯と観光シーズンは車が多いという。福島方面への姥神トンネルを越えると、道路は中途半端に県道に連絡する。その道を経て福島までの道のりが意外にも遠かった。伊那谷側の広域農道交差点から、国道19号まではせいぜい30分である。「ここは高速道路ではありません」という看板があるように、トンネルの前後は知らず知らずスピードが出る。それをあてこんでか、その両側でスピード違反の取締りがよく行なわれるという。夜も行なうというから、気をつけなくてはいけない。

 木曽高速といわれる国道も、通勤時間帯ともなれば、右折車がいると対向車線の車が途切れず、渋滞を引き起こす。帰宅の道は、まさしくそんな状況に陥り、福島から国道を北上し、権兵衛トンネルへの分岐点までずいぶん時間を要した。

 さて、上松町の木曽山脈側の集落へ入り込んだが、やはり木曽谷は険しい。山が急峻だというよりは、まさに山しかない。そうした山々の姿をみるにつけ、「荒れている」という印象は、ほかのどこの地域よりも強く感じる。人口が少ないのに山が広いのだから当たり前なことなのだろうが、この先のことは予想すらできない。山を見てなにより気がつくのは、倒木が多いことだ。道端から見える山々にも倒木があちこちに見える。そして、入りこんだ集落も、ほかの地区とはイメージが異なる。家々の姿を見る限り、国道からそれると厳しさが漂う。けして家が新しければよいというものでもないが、家々の周りもよそ者が入り込まないことが分かっているからか、雑然としていて、手が入れられていないことがわかる。

 写真の集落のすぐ下に、おりが仕掛けられていた。熊の仕掛にしては簡単であったが、いずれにしても獣がいても不思議ではないような環境である。地図で見ると、ちょうど普段見慣れている木曽駒ケ岳の西側である。常は東から見ているのだが、ここではその山が東側に見えるのだろうが、あいにく雨降りで山の姿は確認できなかった。

 何度も繰り返すが、口では何でも言えるが、この状況は1人や2人の努力ではどうにもならない。アレチウリの広がりをみてもそう思ったが、木曽の山々の姿を見て、同じような印象を持ったわけで、地域はどうしようとしているか、とよそ者が心配するばかりだ。
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