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トレントの日記

新世代の到来 ─ そして旧世代の幕引き

2005-05-05 05:40:31 | *Aerospace
ヨーロッパ 4 ヶ国の共同企業体であるエアバスが、先月末、新しい航空機の初飛行を成功させた。

A380 である。

A380 は世界初の“フル・ダブルデッカー (完全二階建て)”のキャビンを有し、標準のコンフィギュレーションで 3 クラス 555 席の座席を配置可能という、未曾有の巨大航空機だ。555 名を搭乗させた状態で、8,000 ノーティカル・マイル (14,800 キロ・メートル) の航続距離を誇る。

さて、この華々しいデビューの裏で、ひっそりと製造ラインの幕引きをした航空機がある。

米ボーイング 757 である。

先月 28 日、ボーイングは中国の上海航空に対して 757 の最後の 1 機の引渡しを行った。757 は総計 1,050 機が製造されたことになる。うち 1,030 機はまだ現役で活躍中であり、今後も長い間世界各地で中距離線を支え続けることだろう。

ボーイング 757 といえば、日本の国内線の主要航空機として使用されている 767 と同時期に開発された、世界で初めての「グラス・コックピット」を採用したハイテク旅客機の走りだ。その後の 747-400 や、777 の設計思想はこの 757/767 から受け継がれ、航空機事故の一大要因である「ヒューマン・エラー」の削減に大きな実績を残している。

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航空機の安全性の向上のシンボル的存在となった 757 だが、その製造が完了し世代交代が進んでも、安全への取り組みは気を緩めず絶えず邁進せねばならない。A380 がより安全で快適な空の旅を提供してくれる事を心から祈りたい。

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