私は生保のセールスマネージャーをしていた。
昭和40年代から50年代にかけて おおよそ10年以上 セールスマンをどのように働かせるのかが 私の職務であった。
当時は 誰でも いつでもセールスマンになる事が出来る時代であった
裏を返せば セールスマンの質なんて問わない人海作戦が幅をきかせた。
私はその人海作戦が肌に合わなかったので 営業会議では何時も槍玉に挙げられていた。
当時は生保業界では毎年40万人が入社して 毎年40万人が業界から消えていた。
私は人を集めるのは下手だけど 人を育てるのには長けていた。
基本的な考えは 転勤して新任地に着任したら 最初に手掛けるのは 新任地のトップセールスマンをいじめる事にしていた。
営業の世界で一番成績の向上を阻害するのは トップセールスマンを確定していることである。
本来は 誰でもが実力を発揮すれば良いのだが それを許さない雰囲気と優積者を大事にするセールスマンマネージャーが
元凶なのである。
私は着任すると君臨するトップセールスマンを無視して 「誰でもがトップセールスマンになれますよ！」と宣言する。
たちまち 猛攻撃が始まる
そしたら 「お気に召さないのなら 何処かに移籍させてあげますよ」
2、3ヶ月経つと 必ずトップは替わる 見事に代わり しかも毎月入れ替わる。
ヒーローの誕生だが 月毎ヒーローは成績のアップに直結する
人材育成ほど面白いゲームは無い