エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ときおりのタオイスト

2009-01-19 | 文芸
            【窓ぎわのベゴニア】

  夜、床について、今日の一日をふり返る。残された日々が、それなりに意義を持つよう期待しての日課となった。思い巡らす大事なことはメモをとるが、ほとんどが無為に過ぎ去る日々の反省で、時折焦りをも感じている。
 この焦りは、こうありたいとの願望、欲求だ。そんなとき、良寛や道元、そして老子の「求めすぎるな」と言う声を聞き、安寧を取り戻して眠りについている。

日中も、概ね孫と遊び、草木や小鳥を友に、庭で「閑」を楽しんでいる。我が家の庭の門柱は、人界への入り口である。いつでも行きたければ行けるが、日々、家族、愛犬以外にはあまり口をきく人はない。こころも住環境も世の中から隔離された、陸の孤島と言える。あえて、四季折々を小さな自然の中で過ごしたいと思う。その気持ちはここ数年変わらない。

 加島祥造のベストセラー、詩集「求めない」の原点は、老子の「足ルヲ知ル」だと認識する。そして、これが現代人に欠けるものと思っている。
 彼は著書「伊那谷の老子」で《ときおりタオイストであれ》と言う。その言葉を地で行く生活をして、こころの穏やかさを取り戻している。


【参】拙ブログ
・「閑」を求めて/ 2008-03-28 ・求めない すると- / 2008-03-09
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