澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

今年は 辛亥革命100年 中華民国100年

2011年01月04日 07時36分54秒 | 台湾

 今年は「辛亥革命100年」の年。
 今朝の「産経新聞」は、「辛亥革命100年 統一工作警戒の台湾 ”中華民国”100年を強調」と題した記事(下掲)を載せている。



 このブログでは何度も触れていることだが、中国共産党と中国国民党という、この二つの異母兄弟が、ともに「ひとつの中国」を標榜して、この100年を競い合ってきた。両党は、「中華の再興」を掲げる点では全く同じ。満州民族による征服王朝だった清朝を打倒して、漢族の「共和国」を打ちたてた。

 中国共産党は「辛亥革命」を「清朝打倒による満州族支配からの漢族の解放と、数千年に及んだ君主政治に終止符を打ったことに歴史的な評価を与えている」が、1949年以降の「中華民国」の存在を認めていない。一方、台湾へ「流亡」した中国国民党政権は、今なお台湾に「中華民国」が存在すると主張する。

 この両者の主張は、清朝滅亡により、清朝の最大版図を「中華民国」「中華人民共和国」の領土だとすり替えられた、ウイグル、チベット、満州、台湾等の少数民族にとっては、災厄以外の何者でもなかっただろう。彼らにとっては、中国国民党、中国共産党という衣を着た漢民族が、彼らを抑圧し支配する体制に他ならなかったのだから…。

 「産経新聞」はことあるたびに、「ひとつの中国」に疑問を呈するが、今やこの姿勢は稀少かつ貴重になった。「中国がひとつであらねばならない」とは一体誰が決めたのか、その「妄執」そのものが中国大陸に住む人々に災厄を与え続けてきたのではないか、と思い至る「中国人」がかくも少ないのは、やはり「中華思想」のなせる技なのだろうか。

辛亥革命100年 統一工作警戒の台湾 「中華民国」100年を強調  2011.1.3 22:49  【産経新聞】

 【上海=河崎真澄】今年、清朝を倒した「辛亥革命」の勃発から100年を迎え、その歴史に連なる中国と台湾の政治的思惑の違いが改めて浮き彫りになっている。経済面では急接近する中台だが、辛亥革命で成立した「中華民国」を堅持する“本家”の台湾は、その後の国共内戦勝利で成立した共産・中国に統一工作などの政治面で利用されたくないとして、100周年記念行事の中台共同開催を拒んでいる。

 1911年10月10日に勃発した辛亥革命の成功により、孫文を臨時大総統とする共和制国家「中華民国」が成立した。しかし、孫文らが19年に結成した中国国民党は49年、中国共産党との内戦に敗れて台湾に政権を移し、「中華民国」を名乗り続けている。

 このため台湾側は辛亥革命の意義を共和制の確立に求めている。馬英九総統は辛亥革命の蜂起から99年となった昨年10月10日の「双十節」で、「両岸(中台)は現時点で法的に(国家として)認め合うことは不可能だ」と指摘。そして辛亥革命そのものよりも、「中華民国100年」を祝賀する方針を改めて強調した。

 一方、49年に「中華人民共和国」を成立させた共産党の中国は「中華民国」の存在は認めず、清朝打倒による満州族支配からの漢族の解放と、数千年に及んだ君主政治に終止符を打ったことに歴史的な評価を与えている。

 中国の
国務院(政府)台湾事務弁公室スポークスマンの楊毅氏は昨年12月29日の記者会見で、「両岸は辛亥革命100周年の記念行事を共同で実施すべきで、両岸の団結と中華民族の復興にも有利だ」と述べた。

 中台の経済協力枠組み協定(ECFA)は1月1日付で発効している。中国は「先経後政(経済問題を先ず解決、その後に政治問題を解決する)」を基本戦略とする台湾統一工作において、ECFA発効をステップとし、辛亥革命100周年を政治的接近のチャンスと位置づけている。

 蜂起場所の武昌を抱える湖北省武漢市も、総額200億元(約2500億円)もの予算をつけて記念館を設置。武漢や北京以外に、中華民国が首都を置いた江蘇省南京や、孫文の出身地(現・広東省中山)に近い広東省広州も式典開催に意欲を見せている。今年10月10日の辛亥革命100周年に向け、“同床異夢”の中台の間でさまざまな思惑が渦巻くことになりそうだ。

 

【用語解説】辛亥革命

 1911年10月10日、武昌で起きた武装蜂起に呼応する形で全土に挙兵が広がり清朝を打倒、古代から続いた君主政治に終止符を打った中国の革命。10月10日(双十節)は「中華民国」の実質的な「建国記念日」となっている。孫文(1866~1925年)は12年1月1日に臨時大総統に就任しアジア初の共和制国家を宣言した。中台いずれも孫文を「国父」と位置づけている。



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