澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

台湾 高雄、恒春半島の旅 (4)墾丁・鵝鑾鼻

2015年12月19日 21時05分20秒 | 台湾

 いよいよ恒春から墾丁、鵝鑾鼻(がらんび)へ。

 

 恒春のバス停で待っていると、鵝鑾鼻(がらんび)の岬まで行くバスは、一時間に一本だという。タクシーの運転手に交渉したら、二人で600元という返事。迷っているところに鵝鑾鼻行きのバスが到着。しかも、そのことをタクシー運転手仲間が教えてくれて、バスに「早く乗れ」と言う、何と親切で気のいい人たちなんだろうと思った。
 
1 墾丁(こんてい)
 バスは墾丁の街を通り過ぎていく。午後2時半を過ぎていたから、墾丁で途中下車して、ビーチを楽しむ余裕はなかった。車窓から、墾丁の街のシンボルのような岩山が見えた。台湾TVドラマ「墾丁は今日も晴れ」の画面にも登場した、既知感のある光景。








台湾TV映画「墾丁は今日も晴れ」

帰路、私がバスの車窓から墾丁の街を撮った動画が次の通り。




2 鵝鑾鼻(がらんび)
 恒春から墾丁の街を経て40分ほどで鵝鑾鼻(がらんび)に到着。台湾本島最南端の岬。


鵝鑾鼻(がらんび)灯台は、東に太平洋、前面にバシー海峡、西に台湾海峡を臨む

 
バスの終点から、灯台に向かって小道を登っていくと、屋台の店にいた老女が「没有路(メイヨールー)」と大きな声で話しかけた。友人に「この道じゃあないらしい」と話していたら、そのお婆さんは「戻って、すぐそこの道を左に曲って、駐車場から入る」といきなり流暢な日本語で教えてくれた。私たちが日本語でしゃべったから、そうしてくれたのだろう。このように、日本語の達者な、台湾のいわゆる「日本語世代」は、もはや八十歳半ばになってしまった。この十年間を思い起こしても、台湾旅行で「日本語世代」の台湾人に出会う機会は、だんだんと少なくなっていた。まさか、この最南端の街でそのご老人に出会えるとは思えなかった。写真を撮ろうかと迷ったが、失礼かとも思い遠慮したが、今思うと残念だ…。

 鵝鑾鼻(がらんび)灯台は、次のような歴史を持つ。

「…航海上の難所であることから、日本イギリスアメリカの要望により1882年が建設した世界でも珍しい武装灯台である。清国は撤退時に、この灯台を破壊したが1898年に日本政府により再建された。しかし、太平洋戦争でアメリカ軍の空襲により再度破壊され、現在の灯台は戦後に再建されたものである。「古蹟の灯台」や「東亜の光」と呼称される台湾で最大出力の灯台で、保存史跡に指定されている。」
                   (ウィキペディアより)


「古写真が語る台湾 日本統治時代の50年」(片倉佳史著 祥伝社 2015年)より

 鵝鑾鼻の岬は、太平洋、バシー海峡、台湾海峡という三つの海に面する交通の要衝。戦時中は、米軍機の格好の標的となり、鵝鑾鼻灯台は再度破壊された。同時に、バシー海峡を航行する日本艦船は、民間船、病院船を問わず、その多くが米国潜水艦の餌食となった。
慟哭の海峡」(門田 隆将著 2014年) によれば、バシー海峡は「輸送船の墓場」と呼ばれ、十万人以上の将兵が亡くなったとされる。「…この美しいビーチには哀しい歴史がある。太平洋戦争末期、バシー海峡で撃沈され、溺死した日本軍兵士たちの無残な遺体が、この湾のあちこちに打ち寄せられたのである。」(同書 p.10-11)

 折しも、戦後70年の節目の今年に、バシー海峡で亡くなった戦没者の慰霊式典が、墾丁で開かれたという。


 さまざまな歴史を背負った鵝鑾鼻(がらんび)だが、灯台のある広大な公園は、とてもよく整備され美しい。好天に恵まれ、気温が28度ほど、東側の太平洋、正面のバシー海峡、そして内湾の向こうの台湾海峡方面まではっきりと見渡せて、またとない幸運だった。

 南湾を臨む
友人と記念撮影
鵝鑾鼻灯台 
鵝鑾鼻灯台 バシー海峡を臨む
南湾の小尖山
バシー海峡
 南湾から台湾海峡方面

 帰りのバス停前には、涼を求めてか、犬が道路に横たわっていた。よく轢かれないものだと感心した。
 

 復路は、左営ではなく、高雄駅行きの高速バスに乗った。夕方の交通渋滞に巻き込まれて、3時間以上かかった。途中、トイレ休憩などはないから、二時間という思い込みで乗るとしんどいかもしれない。
 バスは無事、高雄駅の北口に。南口のホテルに戻るのもおっくうなので、MRTに乗って繁華街で夕食を摂ることに。
 友人とタイ料理店に入る。タイ式チャーハン、春巻き、豚肉の辛炒め、トムヤンクンスープ、そして台湾ビールで乾杯。台湾のタイ料理は、日本のよりずっと美味しい。タイ料理の素材は台湾料理と共通するからだろう。

 心に残る楽しい旅だった。



 蛇足だが、新春公開される映画「路線バスの旅 in 台湾」は、台北から路線バスに乗り、三泊四日で「台湾最南端」を目指すという。
 この「台湾最南端」が文字通り鵝鑾鼻(がらんび)岬と灯台を目指すのであれば、灯台に着いた三人が何というのか、ちょっと気になる。
 と言うわけで、映画の映像も貼り付けておく。

 

 

 

 





 

   

   



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