家人が見ているNHK大河ドラマ「光る君へ」。今夜はたまたまTVの近くにいたこともあって、時折画面を見る羽目に。そこで気づいたのが、「宋人」(当時の宋王朝の人、という意味らしい)が喋る「宋語」のインチキさ。NHKの反論は、これを書く前に予想できる。「現代の日本人にわかりやすいように脚色した」ということだろうが、歴史歪曲につながりかねない問題なので、書いておきたい。
ドラマでは、「宋語」として、現代の北京語(普通話、北京官話)が使われている。宋人から朝廷に贈られたオウムが「ニー・ハオ」と話すのには思わず失笑。紫式部が「ツァイ・チェンとはどういう意味なの?」と尋ねる画面もある。だが、これらの北京語は、宋王朝(960-1279)以降の元朝(1271-1368)時代に官僚による統治機構を確立するために整えられた制度のひとつなので、紫式部の時代とは無関係。伝統的東アジア世界の外交は、漢文を使って行われた。漢文は文語であるので、日常会話ではない。外交は、漢文で書かれた文書(もんじょ)が基礎となって行われたから、コミュニケーションは筆談だったはず。
今日の「光る君へ」には、中国への忖度、中国への卑屈な態度がうかがわれる。中国人インバウンドや、中国人移民のルーツは、こういう高貴な「中華文明」の担い手だったのだから、もっと尊敬せよ、とでもいいたいのか。
またまた、受信料を支払う気がしなくなった。立花孝志さんのご活躍に期待する。
第22回「越前の出会い」| 大河ドラマ「光る君へ」予告 | NHK