澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

アマゾン・プライムで見る「台湾アイデンティティ-」「台湾萬歳」

2023年08月20日 20時05分16秒 | 台湾

 酒井充子(あつこ)監督による台湾三部作のうちの二編「台湾アイデンティティ―」(2013年)、「台湾萬歳」(2017年)が、アマゾン・プライムで無料で見られるようになった。第一作「台湾人生」(2009年)とともに、台湾の「日本語世代」(日本統治時代1985-1945年に生まれ、日本語教育を受けた世代)の歩んできた道をたどり、彼らの心情を探り出し、さらに台湾の現代史、日台関係までも考えさせる秀作となっている。

 2009年、第一作「台湾人生」に登場する蕭錦文(しょう・きんぶん)さんとは、台北の「二二八紀念館」でお会いする機会があったが、その直後、映画「台湾人生」で再会するとは夢にも思わなかった。「台湾人生」は、私の歴史認識を大いに変えてくれたドキュメンタリーだった。当時、NHK特集「Japanデビュー アジアの一等国」が、日本統治時代の台湾を歪めて描き出し、「中共(=中国共産党)の意向を受けた制作意図だ」として大問題になった。その時感じたのは、巨額の制作費を投じ、「台湾総督府の文書を読み解いた」はずの「Japanデビュー アジアの一等国」が、実は台湾の日本語世代を裏切った、とんでもない番組だということだった。それにひきかえ、同時期に作られた「台湾人生」は、酒井充子さんが新聞記者から映画監督に転身し、背水の陣で映画製作に取り組みながら、日本語世代の台湾人にインタビューして、彼らの心情を見事に描き出していた。

 酒井監督のこの台湾三部作は、台湾に関心を持つ方々には必見ともいえるもの。一方、NHK特集は、台湾の場合だけでなく、いつも大げさな効果音とおどろおどろしいナレーションで国民を「教化」しようとするばかり。NHKのプロデューサー、ディレクターこそ酒井監督を見習うべきだろうと今なお思う。

 

『台湾アイデンティティー』予告編

台湾3部作の最終章!映画『台湾萬歳』予告編



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。