澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

朝まで生テレビ!  老残の電波芸者・田原総一朗

2020年09月26日 19時59分57秒 | マスメディア

 今朝がたの「朝まで生テレビ」(2020年9月26日  テレ朝系)をYouTube映像で見て、「司会者」である田原総一朗の老残、耄碌(もうろく)ぶりには心底驚いた。田原はすでに86歳、いくら「過去の栄光」があると言っても、入れ歯でふがふがの会話、「俺が俺が…」の醜い自己顕示欲、公正を逸脱した醜悪な司会は、もはや見ていられないレベル。こんな人物を「司会者」に置き続けているテレビ朝日の見識を疑う。

 田原は自分の娘をテレ朝に就職させていることからわかるように、このテレビ局とは特別な関係にある。だが、だからと言って、老残番組を見せられる視聴者はいい迷惑だ。

 下記の映像の最後の部分には、三浦瑠璃と田原総一朗とのやりとりがある。三浦瑠璃が極めて冷静に説明しているのに、司会者である田原がトンデモ発言でぶち壊そうとする。その繰り返しを見ていると、いま田原総一朗が「天皇」と呼ばれる立場にあって、誰も鈴をつけに行く(勧奨退職させる)人はいないようだ。耄碌し、狂気の片りんさえ感じさせるこの老人を誰も辞めさせられない。これこそ、日本的な光景ではないかと思えてならない。

 

朝まで生テレビ! 2020年9月26日 FULL 


大阪都構想とは何か? ~山本太郎氏、藤井聡教授に聞く~|表現者クライテリオン特別対談

2020年09月25日 17時10分02秒 | 政治

 「大阪都構想」の是非をめぐって、このブログでは次のように書いたことがある。

 「橋下徹の主張を聴いていると、東京特別区を意図的に高く評価している気がする。大阪市を憎むあまり、東京特別区が理想の自治体であるかのように持ち上げる。が、東京都に住む人はみんな知っている、特別区なんて市町村より格下の「不完全自治体」で、東京都による財政調整がなければ、にっちもさっちもいかないということを。

 東京都八王子市は、政令指定都市の要件に該当する大都市だが、ただひとつの理由で政令指定都市になれない。それは、戦時体制を遂行するため「東京市」が廃止され、特別区に分割されてしまったからだ。八王子市だけが、首都である東京の中で唯一の政令指定都市になることは許されないというわけだ。

 一方、八王子市とほぼ同じ規模の相模原市(神奈川県)は、近年政令指定都市に昇格した。これで神奈川県には、横浜、川崎、相模原の三政令指定都市が存在することになるが、橋下徹が主張するような、県と市に関わる不協和音は全く聞かれない。

 こうなると「大阪都構想」は、橋下徹というエキセントリックな異端者が引き起こした騒乱のように思えてくる。東南海大地震対策を筆頭に、大阪では取り組まなければならない課題が山積しているというのに、「大阪都」をめぐるこのバカ騒ぎ。
 どちらに決着するにしても、もうこのへんで、現実を見すえないと…と思うのは私だけか…。」(2015.5.17記)

 一事不再議の原則
を捻じ曲げて、再び住民投票に持ち込まれた「大阪都構想」。コロナ禍も五輪騒ぎもあるのに、またまた同じテーマで投票を強いられる大阪市民はお気の毒だ。
 藤井聡・京大教授(土木工学)は「大阪都構想」の鋭い批判者として知られるが、最新の映像では、山本太郎・れいわ新選組代表とこの問題を語っている。要は、「大阪都構想」の提案自体が、政治的デマゴーグの典型的なやり口だということ。つまり、橋下徹の正体を衝いている。

 大阪府民が「大阪都」という言葉にコロリと騙されるのか、あるいは踏み止まるのか。5年前と同様、高みの見物か。

大阪都構想とは何か? ~山本太郎氏、藤井聡教授に聞く~|表現者クライテリオン特別対談


夜来香に再会

2020年09月16日 13時23分04秒 | 散歩

 コロナ禍で足が遠のいていた植物園に行く。
 週日の午後なので人影はまばらと思ったが、コロナ騒ぎがまだ影響しているのだろうか。広々とした園内でマスクをしている人々を見ると、律儀すぎる、あるいは同調圧力に弱いのかなあと思ってしまう。ちなみに、私はこんなところではマスクを外す。

 温室では、夜来香(イエライシャン Yelaixiang)に出会った。名前を聞いただけで優雅な感じがする花だが、実物はこんな感じ。



 蓮の花も相変わらずきれいだった。


菅義偉首相のアキレス腱 アイヌ問題とIR利権

2020年09月15日 09時57分44秒 | 政治

 保守系であるはずの「虎の門ニュース」が、今朝(9月15日)「菅義偉新総理誕生! 政治履歴徹底チェック」という特集を放送した。ゲストは小野寺まさる・前北海道議会議員。
 小野寺氏は「菅(すが)政権のアキレス腱は北海道にある」とし、それは「アイヌ問題とIRIntegrated Resort 統合型リゾート)利権」だと指摘した。

 中国べったりの鈴木直道道知事との関係、チュチェ思想研究会のメンバーでもあるアイヌ民族団体とのかかわりなど、スタート直前に菅政権に突きつけられた問題としては、極めて重い。
 

 下の映像は、早晩消去されるので、興味ある方は今のうちに、ぜひ。

【DHC】2020/9/15(火) 百田尚樹×北村晴男×小野寺まさる×居島一平【虎ノ門ニュース】


白井聡の「ユーミン批判」と世襲文化人

2020年09月10日 12時34分12秒 | マスメディア

 白井聡・京都精華大学専任講師が、SNSでの「ユーミン批判」で一挙に有名になった。安倍首相の辞任声明に関して、松任谷由実(ユーミン)が「泣いちゃった。切なくて」とつぶやいたことに対して、白井は、「荒井由実のまま夭折すべきだったね。本当に、醜態をさらすより、早く死んだほうがいいと思いますよ。ご本人の名誉のために。」とフェイスブックに書きこんだ。これが炎上し、白井聡の名を天下に知らしめた。

 このブログでは、一昨年の九月「白井聡”国体論””永続敗戦論”を読んでみた」を書いた。そこには、こんなことを書いている。

 「”プライムニュース”(BSフジ)に出演した白井聡を見て、”お坊ちゃまサヨク”だなあと感じた。お若いのに、旧岩波文化人みたいな物言いが多かったからだ。早大総長のご子息だとかで、早大政経→一橋大大学院社会学研究科博士課程修了(社会思想史)という典型的なコース。学歴ロンダリングなどとは言わないが、反東大、反権力という一橋大の「学風」(ただし社会学部・社会学研究科のみ)をしっかりと身に着けた人だ。現在の職も、典型的な「進歩的文化人」のポストだろう。」(2018.9.16記)

 実は私は、白井の「国体論」を左翼退潮の現況で書かれた本としては、大いに評価している。すなわち、進歩的文化人が「論壇」を制していた時代では、白井の言説は目新しいものではなかったが、現在ではその「化石性」故にかえって新鮮さを感じさせる。
 帝国大学を出て、東京の私立大学教授のポストにつき、もはやエリートでもなんでもなくなった「学生大衆」に左翼思想を吹き込む。これがかつての進歩的知識人の典型だったが、白井の経歴は、まさにこのミニチュア版だ。

 「国体論」において白井は、昭和天皇の戦争責任について明言してはいない。戦争責任を匂わすだけ、という進歩的文化人のイヤラシさを、ここでも引き継いでいる。「昭和天皇こそが戦後日本を米国の属国に変換させた張本人なのだ」と言い切っていれば、男を上げることができたはずだが…。

 白井センセイは、ユーミン批判などセコイことは止めて、ようやく得た大学専任講師の座も辞して、本来の研究に立ち返るべきだろう。そのとき、世襲文化人、遅れてきた進歩的文化人の汚名もきっと晴らされることだろう。

「ユーミン批判」の白井聡氏、朝日新聞の言論サイトでは安倍首相に罵詈雑言

 

 知性も教養も兼ね備えた学者が、なぜこんな投稿を──呆れた向きは少なくなかっただろう。政治学と思想史が専門の白井聡・京都清華大学専任講師(42)が、自身のFacebookで松任谷由実(66)について「早く死んだほうがいい」と書き込んだのだ。  ***

 8月28日に安倍晋三首相(65)が辞任を表明。翌29日、サンケイスポーツ(電子版)は「芸能界にもアベノショック…松任谷由実、会見見て『泣いちゃった。切なくて』」の記事を配信した。後に問題となる箇所を引用させていただく。 《安倍夫妻と親交が深いシンガー・ソングライター、松任谷由実(66)はニッポン放送「松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」で、「テレビでちょうど(会見を)見ていて泣いちゃった。切なくて」と思いを吐露。安倍氏とは「私の中ではプライベートでは同じ価値観を共有できる、同い年だし、ロマンの在り方が同じ」と明かし、「辞任されたから言えるけど、ご夫妻は仲良しです。もっと自由にご飯に行ったりできるかな」などとねぎらった》(註:全角数字を半角にするなど、デイリー新潮の表記法に合わせた、以下同)  これを読んだ白井氏は、自身のFacebookで記事を引用し、以下のように論評した。 《荒井由実のまま夭折すべきだったね。本当に、醜態をさらすより、早く死んだほうがいいと思いますよ。ご本人の名誉のために。》  念のために言っておくと、荒井由実は松任谷由美の旧姓と旧芸名だ。そして白井氏だが、気鋭の若手論客で、論壇での評価も高い。

橋下徹氏が批判

 父は2002年から10年まで早稲田大学の総長を務めた白井克彦氏(80)。白井氏も早大の政経学部から一橋大学の大学院に進み、10年に「レーニンの政治思想」で社会学博士となった。  13年には『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版、現在は講談社+α文庫)で石橋湛山賞などを受賞、大きな注目を集めた。  とてもではないが、ユーミンに向かって「早く死んだほうがいい」などと暴言を吐くタイプだとは思えない。  だが実際に投稿され、発言内容はたちまち問題視された。特に9月1日、元大阪府知事の橋下徹氏(51)が、ツイッターで批判を行った。  知名度で言えば、白井氏と橋下氏では比較にならない。橋下氏のツイートは東スポWebなどが報道し、更に話題となった。橋下氏は複数の批判ツイートを投稿しているが、その中でも広く拡散したものを紹介しよう。 《こんは(註:原文ママ)発言を俺たちがやれば社会的に抹殺だよ。白井氏は安倍政権をボロカスに言っているが、安部さんもさすがに白井氏のようなことは言わない。内田樹氏も相田和弘氏も山口二郎氏も同じタイプやな。朝日新聞も毎日新聞もこのタイプから早く脱却しないと》

橋下氏は朝日も批判

 暴言騒動と全く関係のない“知識人”を列挙してしまうのも橋下流だろうか。ツイッターでは《批判するなら、彼の発言だけにしろ》と疑問視する投稿もあったが、橋下氏が投稿を改めることはなかった。  橋下氏の批判は、勤務先の京都精華大学と朝日新聞にも向けられた。先に紹介したツイートより前に投稿されたのか、橋下氏は白井講師を「教授」と勘違いしている。 《京都精華大学は、さすがにこんな教授を雇い続けるのはまずいだろ。この白井氏も、内田樹氏、相田和弘氏、山口二郎氏らと同じ匂いのするタイプ。そして朝日新聞や毎日新聞が重用するタイプ》  白井氏は世論の批判が高まってきたのを察知したのか、Facebookを更新し、以下のように釈明した。 《松任谷由実氏についての私の発言が、物議をかもしているということですが、削除いたしました。私は、ユーミン、特に荒井由実時代の音楽はかなり好きです(あるいは、でした)。それだけに、要するにがっかりしたのですよ。偉大なアーティストは同時に偉大な知性であって欲しかった。そういうわけで、つい乱暴なことを口走ってしまいました。反省いたします》

白井氏の弁明も批判

 だが、橋下氏は、これにも異議を唱えた。 《松任谷由実さんに「早く死んだほうがいい」 政治学者・白井聡氏、物議の発言削除し「つい乱暴なことを口走ってしまいました」(J-CASTニュース) 白井氏は、松任谷さんに知性がないとの言い振り。ほんとこのタイプは自分に知性がないとは全く思っていないんだな》(註:矢印の記号を省略した) 《たった一つのラジオの発言で、しかも自分が敵視する者に味方するような発言で、その人に知性がないという言いぶりをする白井氏。社会全体がサル化していると言う内田樹氏。両名、自分だけは賢いと信じ切る同タイプ。自分に知性がなく、サルだとは気づかない》  そして橋下氏に《雇い続けるのはまずいだろ》と指摘された京都精華大学は9月1日、公式サイトに「本学教員のフェイスブック上の発言について」との文書を掲載した。  大学は文書で《厳重な注意を行いました》と説明、謝罪を行った。だが、対象となった教員の名前は伏せた。  厳重注意とはいえ、大学が白井氏をかばった印象も強い。橋下氏の解雇を求める意見に、間接的ではあるが、反論したのかもしれない。

朝日との蜜月

 橋下氏が《雇い続けるのはまずいだろ》と指摘したがツイートだが、《朝日新聞や毎日新聞が重用するタイプ》という一文がある。  もちろん橋下氏は、白井氏に対するある種の“左翼的なイメージ”を批判的に指摘しているわけだが、この事実関係を調べてみよう。  新聞のデータベース「ジーサーチデータベースサービス」を使い、新聞社ごとに「白井聡」の名前で検索してみた。結果を少ない順にご紹介しよう(9月4日現在)。 ◆0件:NHK ◆1件:共同通信 ◆2件:時事通信 ◆16件:産経新聞 ◆19件:読売新聞 ◆83件:毎日新聞・東京新聞 ◆181件:朝日新聞  何と朝日新聞が1位で、毎日新聞が東京新聞と同着で2位だった。こういう時の橋下氏の“嗅覚”には脱帽するしかない。  朝日新聞の検索結果を精査すると、「白井聡子」も1件に数えられている。同姓同名の他人を取り上げた記事もかなりの数になる。

朝日が期待

 だが、やはり朝日新聞は白井氏を記事で頻繁に取り上げている。まず白井氏の著作についての書評や、月刊誌に発表した論文の紹介が少なくない。  更に大阪で、白井氏と著名な学者・文化人との対談公演を連続して開催している。開催前には予告が掲載され、終わってからは内容を伝える記事が掲載されているのだが、これがかなりの量なのだ。  そして一般の記事にも、白井氏は登場する。記事の末尾に安倍政権を批判するコメントが掲載されるのだ。  やはり朝日新聞が白井氏のデビュー当時から一貫して、学識を高く評価し、その上で「朝日新聞の安倍首相に対する見解を代弁してくれる若手論客」として期待していたことがよく分かる。  念のため、そうした記事の見出しを3本、ご紹介しよう。本文は割愛させていただくが、内容は簡単に想像できるはずだ。 ◆「(言論空間を考える)拡散する排外主義 東島誠さん、白井聡さん」(14年12月20日) ◆「(戦後70年)「他国を傷つける国」へ、岐路の日本 社会思想史家・白井聡さんに聞く」(15年1月5日:大阪夕刊) ◆「首相の米議会演説、評価は? 安保や歴史認識、日米の識者に聞く」(15年5月1日)

ヘイトと批判

 安倍首相の退陣表明を受け、朝日新聞の言論サイト「論座」は8月30日から「安倍政権を総括する」という白井氏の連載をスタートさせた。  初回は「安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点である 私たちの再出発は、公正と正義の理念の復活なくしてあり得ない」と、タイトルには相当に強い非難のトーンが込められている。  これに産経新聞が噛みついた。9月3日の朝刊に、阿比留瑠比・論説委員兼政治部編集委員の連載コラム「極言御免」で「朝日の安倍首相批判は自己紹介」が掲載され、白井氏の連載第1回を批判したのだ。  そのトーンは激烈と言っていい。何しろ書き出しが《朝日新聞では、こんなヘイトまみれの文章を載せることが許されるのか》であり、《常軌を逸した内容だった》と指摘したのだ。 《白井氏は、辞任を表明した安倍晋三首相の政権が憲政史上最長となったことを「恥辱と悲しみ」と書く。安倍政権を多くの日本人が支持してきたことについて「耐え難い苦痛」と記し、安倍政権の支持者に「嫌悪感」を持つと表明する》 《隣人たちが安倍政権を支持しているという事実は「己の知性と倫理の基準からして絶対に許容できない」と主張し、その事実に「不快感」を示す》 《安倍政権に対する罵倒、呪詛(じゅそ)、偏見の吐露と論証なき決めつけ、陰謀論のオンパレードである》

冷静さを欠いた文章

 もちろん阿比留記者が引用した部分は、原文通りだ。ただ、切り貼りでイメージが変わることもある。  果たして、そんなに酷い内容なのか、実際に見ていきたい。だが、白井氏の連載を検証する前に、公正を期すため先に2点を指摘しておく。  白井氏は連載の第1回で、安倍政権は《嘘の上に嘘を重ねることがこの政権の本業》となったと指摘し、《その象徴と目すべき事件》は《伊藤詩織氏に対する山口敬之のレイプとそのもみ消しである》とした。  この事件は週刊新潮のスクープで明らかになったものであり、デイリー新潮も複数回、記事を掲載している。このことは明記しておくべきだろう。  2点目は、確かに白井氏は安倍政権を批判して知名度を高めてきたが、デビュー当初から“護憲”をお題目のように唱える旧来型の左翼も一貫して批判してきたという事実だ。  以上を踏まえて連載を見ていくが、総括すると、全体的に冷静さを欠いた文章であると指摘せざるを得ない。安倍政権の批判というより、単なる悪口雑言に堕しているのだ。

首相が《女性の身体》を私物化? 

《こうして腐敗は底なしになった。森友学園事件、加計学園事件、桜を見る会の問題などはその典型であるが、安倍政権は己の腐りきった本質をさらけ出した。不正をはたらき、それを隠すために嘘をつき、その嘘を誤魔化すためにさらなる嘘をつくという悪循環》 《高い倫理観を持つ者が罰せられ、阿諛追従して嘘に加担する者が立身出世を果たす。もはやこの国は法治国家ではない》 《そして、公正と正義に目もくれない安倍政権がその代わりとする原理は「私物化」である。私物化されたのはあれこれの国有財産や公金のみではない。若い女性の身体や真面目な官吏の命までもが私物化された。だから結局、目論まれたのは国土や国民全体の私物化なのだ》  ちなみに《若い女性の身体》は伊藤詩織さんを、《真面目な官吏の命》は森友問題で自殺した財務省近畿財務局の職員を指す。連載第1回の引用を続けよう。 《大学入試改革の問題を見てみればよい。十分に機能してきた制度(センター試験)をわざわざ潰して民間業者を導入する主たる動機は、安倍の忠実な従僕たちの利権漁りである。安倍自身の知性に対する憎悪がそれを後押しした。もちろん、次世代の学力などは完全にどうでもよい。ある世代が丸ごと私物化されようとしたのであり、それは言い換えれば、この国の未来を犠牲にして利権に引き換えようとしたということにほかならない》

一方的な糾弾

 森友、加計、桜を見る会の問題が看過できない事実を含んでいるのは間違いない。とは言え、《己の腐りきった本質をさらけ出した》は激烈な言葉であっても、事実に立脚した指摘とは言い難い。文章が空回りしている。  先に引用もしたが、森友学園の問題では財務省近畿財務局の職員が自殺に追い込まれた。これに心を痛めない人はいないだろう。  安倍政権が官僚のコントロールに成功し、それが様々な軋轢を生んだのも事実だ。しかし、その原点の1つに2000年代の有権者による官僚バッシングが原点となっているのは間違いない。政権に対して過剰に忖度する役人が続出したことは、有権者も他人事ではないのだ。  だが、白井氏は政権と官僚が対立してきた歴史を丁寧に紐解き、安倍政権の功罪を明らかにしようとはしなかった。政治学者らしい見識を披露することもなければ、理論的に批判を行ったわけでもなかった。  白井氏が書いたのは、政権によって《真面目な官吏の命までもが私物化》されたという一方的な糾弾だ。主張したいことが分からないわけではないが、事実とは言えない。  ある種の比喩だとしても、あまりに論理が飛躍してしまっている。政治に関して豊かな学識を持っている専門家であるはずなのに、事実無根の言いがかりをつけているに過ぎない。

原稿のチェックは? 

 大学入試改革に至っては、《安倍自身の知性に対する憎悪がそれを後押しした》とまで書いた。  本当に安倍首相が知性を憎悪しているのかは分からない。明確な根拠があるとは思えず、これも言いがかりのレベルだ。  デイリー新潮は9月1日、「朝日新聞はそんなに安倍首相が憎いのか 退陣表明翌日の“偏向社説”に違和感」の記事を掲載した。  そこで、朝日新聞の社説が第2次安倍政権の総括を批判的に記述するのは自由だとしても、指摘があまりに偏向していると指摘した。  一般的に言って、白井氏の原稿が一言一句、そのまま論座に掲載されるとは考えづらい。担当編集者が原稿を読んで、問題のあるところを指摘し、書き直しを提案する。校閲も文章の内容を精査する。  もし出版社や、他の新聞社の編集者や校閲担当者が白井氏の原稿をチェックしたら、果たして論座に掲載された通りの内容になっただろうか? 

安倍首相に謝罪は? 

 非論理的なところや、事実無根の記述、あまりに罵倒が酷いところは修正が提案されておかしくない。もちろん白井氏が担当編集者の意見を却下したとしても、それも珍しいことではないのだが……。  白井氏も論座編集部も、やはり「そんなに安倍首相が憎いのか」と言われても仕方のない状態だった、そう疑われても仕方ないだろう。  相手を論難する時は、いつもより冷静で論理的になる必要がある。基本中の基本だろうが、常に基本が大事だということを、白井氏の投稿や連載は教えてくれている。  9月4日現在、白井氏のツイッターの先頭に、以下の2つのツイートが表示されている。 《先日の私のフェイスブック上での発言につきまして、多くのご批判をいただきました。人の生命を軽んじる発言、暴力的な発言であるとのご指摘を受け、自身の発言の不適切さに思い至りました。深く反省をしております》 《松任谷由実氏に、心からお詫びを申し上げます。また、不快な思いをされた多くの皆さまにもお詫びいたします》 週刊新潮WEB取材班 2020年9月7日 掲載

 


「感染者数」が「陽性者数」に ワイドショーの姑息な変更

2020年09月03日 16時51分19秒 | 新型コロナウイルス

 ワイドショーは見ない私だが、きょうたまたま「ゴゴスマ」(CBCテレビ制作 TBS系列)を見て驚いた。台風動向と自民党総裁選で騒いだ後、しらっとコロナ感染者報道。その中で「今日のコロナ陽性者数は〇〇〇人」と言っているではないか。直近までは「コロナ感染者数」と言っていたはず。いつから、何を根拠として、このような変更を行ったのか。ぜひ、説明してもらいたいものだ。

 「感染者数」は正しい表現ではなく、いたずらに国民の不安を煽るものだ、と言われてきた。TV局は、視聴率稼ぎのために、コロナ禍をその実態以上に煽った。だが、「PCR検査を全員実施せよ」とキャンペーンを張ったものの、検査による陽性者数よりも、熱中症で搬送される患者数の方がはるかに多いという現実に、視聴者の多くは疑問を抱き始めた。そんな背景を敏感に感じての「感染者数→陽性者数」変更ではなかったか。

 ある女性評論家はネット番組の中で「世の中のことを知るために一番いいのは、TVを見ないこと」と言っていた。TVを見れば見るほど、社会や国際関係のことは分からなくなる、何故なら、そう意図して報道しているからだ、と。そのような視点から見ると、感染者数を陽性者数に変えたのは、視聴者により正確な情報を伝えるためではなく、コロナ禍を煽った責任を問われないための軌道修正だったとしか思えない。

 ワイドショーを見れば見るほどバカになる、ということか。
  

 

 


菅義偉は「団塊世代」の英雄か、仇花か?

2020年09月03日 07時27分29秒 | 政治

 昨日、菅義偉・官房長官が自民党総裁選挙に正式に立候補表明をした。報道によれば、対立候補の岸田文雄、石破茂候補を圧倒的にリードして、総裁選に勝利する勢いだ。これで菅首相誕生の運びとなれば、マスメディアはどう対応するのか注目だ。現時点では、「苦労人」「人情家」といった側面を強調しているが、いずれ「森友・加計問題」のような”スキャンダル”を発掘してくるつもりだろうか。

 ところで、この菅義偉氏、「団塊の世代」(1947~49年生まれ)であることはあまり注目されていない。「団塊の世代」は、1947~49年の三年間で650万人を数える。昨年の出生者数が80万人台なのだから、いかに巨大なマスであるかがよくわかる。しかしながら、この団塊の世代からは、一人の首相も誕生しなかった。悪名高き鳩山由紀夫は、団塊の世代の1947年2月11日生まれであるが、学年としては早生まれなので、この際無視することにする。

 さて、「団塊の世代」の政治家が首相になることなどあり得ないと思われたのだが、突然の安倍首相辞任によって、650万人の団塊世代から新首相誕生の可能性が強まった。この世代の特徴は粗製濫造。それは、数が多いという意味だけでなく、当時の社会環境が大きく影響している。つまり、「ベビーブーム」で学校の整備も追いつかず、一クラスが56人で、図書館や学習施設などの教育環境が極めて劣悪だった。現在ではスマホで瞬時に調べることができる事項でも、一日がかりで調べまわるという時代だった。そんな時代に「集団就職」で上京し、夜学に通って現在の地位を得たという菅新首相の「サクセスストーリー」は、今の若い人には理解不能だろう。なので今日どれほどの支持を得られるのか、はなはだ疑問だ。

 つまるところ、遅れてやってきた菅新首相は、「コロナ禍」「東京五輪中止」という重大課題にどう対応するのか。「人数だけ多い」「自己主張ばかりで協調性に欠ける」「反権力的」「まともな教育を受けていない」等々、団塊の世代に対する汚名を、菅義偉が「団塊」最後のひとりの「英雄」として挽回できるのか、ある意味楽しみだ。