澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

台湾人の「愛国行進曲」

2016年06月04日 08時01分04秒 | 台湾

  台湾通のマイミク氏が「台湾の台南ではこのような歌を歌っても何ら問題ありません。韓国や中国で歌うとヘタしたら殺されるでしょうね」というコメントをつけて、台湾人が歌う「愛国行進曲」の映像を紹介してくれた。(下記参照)

 「愛国行進曲」は、もちろん日本の歌曲、軍歌と呼ばれるべきかもしれない。右翼の「街宣車」が大きな音で流す曲でもあるので、聴いたことがある人は多いはずだ。何故、そんな曲が先月末(2016.5.29)台南・赤嵌樓(せきかんろう)で歌われたのか?

 李登輝氏が政治舞台に登場する1980年代末までは、台湾では国民党(=中国国民党)の独裁政権下で、言論の自由が著しく制限されていた。その後、民主化が実現するにつれ、「日本語世代」の祖父母から引き継がれてきた親日的な感情が、一気に顕在化した。今では、台湾でもっとも有名な史跡・観光地である台南・赤嵌樓でも、このような集会が自由に行われる。

 「ネトウヨ」と呼ばれる人たちは、この映像を「親日台湾」の証拠だと言い募るのかも知れない。他方、日本の「団塊の世代」が、「戦争を知らない子どもたち」を歌うのと同じではないか、という意地悪な見方もあるだろう。
 この曲を歌う「日本東亞合唱團+郭一男滑音吉他團」について、上記のマイミク氏は次のように説明してくれた。

滑音とはglissandoと言い音樂の表現手法の一つです。吉他團とはギター団の意味です。日本東亜合唱団は台湾にも支部が あり日本人と台湾人が仲良く軍歌を中心に歌っている合唱団です。」

 この「愛国行進曲」の後半部分は、歌詞を替え歌にして次のように歌っている。

見よ東條の禿げ頭 よくよく見れば毛が三本 頭の上で運動会 滑って転んで一等賞 おおテカテカの禿げ頭…」

 
戦前からさまざまに歌われてきた「替え歌」なのだろう。東條英機をからかった歌詞であることは間違いない。いま、この替え歌の歌詞を聴いたことで、重苦しさから解放される日本人もいることだろう。替え歌を唄うのは「娯楽も含んでいますので」と マイミク氏。

 いずれにしろ、この映像は、日本のマスメディアが絶対に採りあげない、現代臺灣のひとつの素顔を描き出している。やはり、台湾は台湾、中国の一部などではない、むしろ、日本との絆こそ、今見直されるべきだ。そんなことを強く考えさせられた。
 

愛國行進曲 // 日本東亞合唱團+郭一男滑音吉他團 合唱2016.5.29.於赤嵌樓


愛国行進曲(日本版 日本語歌詞表示)



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