澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

大人は子供たちを被ばくさせたがっている・・・

2011年04月28日 18時33分04秒 | 社会

 武田邦彦氏(中部大学教授)が、一週間ほど前のご自身のブログに「大人は子供たちを被ばくさせたがっている・・・」という一文を寄せている。

 このところ顕著なのは、「風評被害」キャンペーンが意図的に流されていること。福島県の農民が原発の「風評被害」で苦しんでいるので、「安全な」農産物を食べようというキャンペーンだ。
 3月11日以来のマスメディアの報道をずっと見ていると、この「安全」キャンペーンは全く信用できない。東京電力は、3月15・16日、チュエルノブイリに次ぐ放射線、放射性物質を大気中に放出したが、このことについて国民に十分説明をしなかった。

 間違いなく放射性物質で汚染されている野菜を食べても「大丈夫」だという根拠は何なのか? 汚染野菜は食べないに越したことはないと何故言わないのか?

 武田邦彦氏の一文は、その疑問に明快に応えてくれる。


  大人は子供たちを被ばくさせたがっている・・・


●「雄々しく放射線に立ち向かう」というのが立派なことだろうか?
 なにか戦前を思わせる.放射線が人体に害があるというのは国民的コンセンサスなのに、なぜ急変して「我が身を放射線に曝すのが格好いい」となり、「ついでに子供も被ばくさせてしまえ」という自爆主義は許されるのだろうか?

 ●60の爺さんが「大丈夫」とパフォーマンスをして、その野菜を子供が食べるというのはどういう意味があるのだろうか?
現在のように全体的に汚染されているときには、思い切って汚染地域の農作物は捨てるのが正しい。無理して放射性物質を含む野菜を食べなくても良いのに、なぜ出荷するのだろうか? 
 

●なぜ、給食に地産地消を強調するのだろうか?  

子供は給食を拒否できない.拒否できないものに放射性物質を使うのは許されない.食を供給する人は「上司」の命令を聞いてはいけない.単純に子供の健康だけを考えることができる。栄養士は「専門職」である。上司はいない。栄養士の人、立ち上がってください!  


●福島が汚染されたのは福島の人の責任だろうか?

福島の人は「福島が汚染された」と言われるのをいやがる。でも、福島を汚したのは福島人ではないのに、なぜいやがるのだろうか?
福島市を汚したのは国と東電なのに. 
 

●東電のミスを福島の子供に転嫁するのは正しいのだろうか?
福島県は福島の子供を避難させない。これは「東電のミスを福島の子供の被ばくで贖う」ということだ。福島の親がそれで良いというなら仕方が無いが、放射線は子供や若い女性に厳しい。私は可哀想に思う.

 ●被ばくしている児童生徒を疎開させるのは面倒なのだろうか?  

文科省は子供に20ミリという高い放射線をあびさせている。疎開させれば無事なのに、なぜ子供達を被ばくさせたいのだろうか?まるで戦時中の竹槍精神を思い起こす.先生方、立ち上がってください!  


●東電のミスで汚染された食材を消費者に転嫁するのが魂のある農業だろうか?
 
 

農家こそ、「消費者が安心して食べることができる食」を提供してきたのではないか。今後も農薬が付いていても「基準以下」なら出荷するのか? 無農薬とか言っていたあれは何だったのか? 
農家の方、立ち上がってください! 
 


●なぜ、福島の大人は子供を被ばくさせたいのか?
 
 

なぜ、福島の大人は子供を疎開させないで被ばくさせたいのだろうか? なぜ、安全委員会でも10ミリまでと言っているのを20ミリも被ばくさせるのだろうか? 保護者とはそんなに子供に権利があるのだろうか?

 
●放射線に高いところの人はなぜ、避難しないのだろうか?  

放射線の障害は20年かかる遅発性が多い.一生に一度しかないのだから数ヶ月でも避難すれば良いのに。  


 
なぜ、突然、放射線が安全になったのだろうか?

 今までの放射線の法規制、専門家の意見はいったい何だったのか? 「ちょっとでも危険な放射線」と言っていた専門家は、なにが変わって「いくらでも良い放射線」に豹変したのだろうか?
(平成23年4月20日 午後8時 執筆) 
武田邦彦


台湾歌壇が「東日本大震災」を詠む

2011年04月25日 12時58分28秒 | 台湾

 東日本大震災に対して、台湾からは150億円に迫る義援金が寄せられている。日本国内で集まった義援金がおよそ1,500億円であるから、いかに台湾からの義援金が巨額であるかが分かる。何故、台湾はかくも”親日的”なのだろうか。

 その答えは、台湾の日本語世代にある。もはや80歳代になった台湾の日本語世代は、日本が敗戦を迎え、台湾が中国国民党流亡政権に統治された後でも、ずっと親日的な感情を持ち続けてきた。台湾人の若者に話を聴いても、「お祖父さんが日本語の本をたくさん持っていた」「お祖母さんが日本語で童謡を歌ってくれた」などという個人的体験があり、日本に対して親近感を持っているのだ。イデオロギーの注入によるものではなく、個々人の体験であるからこそ、多くの台湾人は日本と日本人に親近感を持っているのだ。

 台湾の日本語世代が、自らの胸中を自由に語れるようになったのは、この20年間に過ぎない。それ以前は、中国国民党独裁政権により言論・集会の自由は禁じられていて、日本語を喋ることなど御法度だった。

 今回の大震災について、この台湾歌壇の人々が数々の短歌を詠んだ。心から心配してくれていることがよく分かる。だが、愚かな日本政府は、中国に気をつかうあまり、台湾政府に公式のお礼さえ言わないままだ。

【台湾から】祈りと激励を短歌で・・・

献詠─東北関東大震災の被災者の皆様へ

 謹んで東日本大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申しあげます。そし
て被災された方々がご不自由な生活から一日も早く抜け出られますように、日本の一日も
早き復興と繁栄を台湾歌壇一同、心よりお祈り申しております。

国難の地震(なゐ)と津波に襲はるる祖国護れと若人励ます    蔡焜燦

大地揺れ大津波襲ふ難さけし東北の人に幸あれかしと       黄伯超

避難所の夜は寒からう不安だらう大震災を凌ぐ人らよ       高淑慎

国被ふ災厄かくも大なれど我信じゐる大和の民を         高井敬子

福島の身を顧みず原発に去りし技師には妻もあるらん       花城可裕

被災地の生と死の報道見続くる身の暖衣飽食詫びたき思ひに    劉玉嬌

原発にいざ立ち向かう武士たちよどうかご無事に生きてくだされ  陳姿菁

日本人よくじけないで悲しみの倍の喜び返ってくるまで      (同上)

筆談で「日本どうか」と聴く爺の手を取りぎゅっと唇噛み締む   舘量子

被災地に何かをすべきと思へども非力な我は寄付と節電      坂口隆裕

美しき心のふるさとくずれ落つサイコロのよう只黙祷を      鄭 昌

神あらば心の祖国の災難をとくとく鎮め幸ぞ賜はれ        林禎慧

大なゐに津波にも負けぬ日の本の雄雄しき友どち立ち直れかし   (同上)

再三の国難に遭ひし我が友よ春はそこまで近づきしものを     (同上)

冬されば春遠からじと人の言ふ日本の友よいざ団結のあれ     (同上)

神風の生れ代りか原発を護る勇士らに神の加護あれ        陳瑞卿

大地震津波襲へる友邦に両手を合はせ無事を祈らん        江槐邨

未曾有なる大災難に秩序正し日本民族は世界の典範        (同上)

一瞬にて村諸共に影消ゆる遥かより謹みて黙祷捧げむ       黄培根

テレビ見て心痛みただ涙ぐむ一日も早く復国あれかし       高寶雪

東北の大地震津波の情報をテレビで見つつ我涙する        謝白雲

幾度も電話にて無事確かむる昔なつかしき日の本の友へ      林百合

九度地震津波襲ひし日の本の友ら明るく生くるを祈る       陳珠璋

黙々と天災地変に耐へ抜きて復興に励む人ぞ美はし        李英茂

わが涙悲涙と感涙こもごもに被災にめげず生き抜く人ら      (同上)

石巻の大地震と津波独り居の卒寿の師母は如何にぞと聞く     林蘇綿

志して励めよ復興美しの日の本の国不屈の魂           陳清波

大地震原発事故の国難に従容として立ち向かふ日本        荘進源

巨大なる地震に命取られたる御霊の冥福只ただ祈る        荘淑貞

国挙げて未曾有の国難対処する大和魂存亡の秋          姚望林

大地震相次ぐ津波「艱難汝を玉にす」頑張れ!日本        林燧生

悲惨なる災害なれど日本の友よ畏れず出せ底力          林碧宮

涙のみ震災に挑む日本の友よしつかり頑張れ復興近し       (同上)

被災地の皆さまよ気を落さずに諸人こぞりて慰問を捧ぐ      蔡佩香

日の本の被災の民に神々の御加護あれかしとひたすら祈る     呉順江

持ち家もカーもことごと流れゆくテレビニュースに瞼がにじむ   李錦上

地震津波跡形も無く痛ましき慰めの言只祈るのみ         (同上)

荒れ狂ふ津波に退避報道す大和女の勲雄雄しき          (同上)

日の本の民よ頑張れ麗しき故郷(さと)復興の日ぞ遠からじ      黄振聲

何もかも失はれても勇ましく立ち上がる人に賛歌惜しまず     (同上)

雪の夜は如何に過すや校舎にて竦む避難者よ我も眠れず      (同上)

世界中が見てゐる応援してゐると伝へてあげたき避難所の人に    黄教子

恐怖不安寒さに耐へて秩序ある日本と言はれ悲しくもうれし     (同上)

この先の長き苦難の道の辺に咲く四季の花やさしくあれかし     (同上)

曾ての日「吾が国」と呼びし土地なれば此の災害の身に沁みいたし  鄭?耀

理(ことわり)を忘れし神かや諍はず平和のみ願ふをかくも痛むる  (同上)


台湾歌壇三月二十七日(歌会の日に)

                              台湾歌壇代表 蔡焜燦
                              台湾歌壇  有志一同

(「台湾の声」より転載しました。)


漢文は「国際言語」

2011年04月20日 13時05分10秒 | 歴史

 昨年度から科目聴講を始めた大学に新学期の授業を聴きに行く。

 この写真は授業の配付資料。これは、ホー・チミンの「獄中日記」だが、すべてが漢文で書かれている。ベトナム語がローマ字表記になったのは、第二次世界大戦終了後だから、それ以前の文書はすべて漢文なのだ。

 朝鮮語もモンゴル語もベトナム語も、現代語を学ぶ限りでは、純粋な外国語として学ばなければならないが、少し前の歴史を原典で知りたいと思ったら、すべて漢文に行き着いてしまう。現代ベトナム語がペラペラでも、もしベトナム史を学ぼうと思ったら、漢文を学ばなければならない。講師の説明によると、ベトナムの大学では史学科と文学科では漢文が必修だそうだ。これは、日本史、日本文学でも同じことが言えるだろう。

 このように書くと、何か中国が偉い国だと言っているように思われそうだが、そうではない。1912年以前には「中国」などという国はなかったし、知識層が文書に用いた漢文と、庶民の日常会話は全く別物だった。
 やはり歴史は面白い。
 
  
   


これはホントの出来事なのか~「放射線うつる」といじめ 船橋市に避難した子ども

2011年04月15日 01時19分09秒 | マスメディア

 「放射線うつる」といじめ 船橋市に避難した子どという記事が、共同通信から配信された。だがこの記事、よく読むと、「千葉県船橋市に避難した子どもが「放射線がうつる」などと言われ、いじめられたとする匿名の電話が3月、同市教育委員会にあった」と書かれていて、その事実関係は曖昧なままだ。
 
 これを読んで私は、朝鮮総連系の「朝鮮学校」の生徒が、制服であるチマチョゴリを「心ない」日本人に切られたというニュースを連想した。北朝鮮が拉致や核実験などを起こすたびに、朝鮮学校の生徒がいじめられるというニュースが流されるのだが、そのニュースソースは朝鮮総連によるもの。具体的な被害者や、加害者が日本人であるかどうかも、実際には明らかにされていない。

 今回の「事件」でも、船橋市教育委員会は、匿名の電話に過剰反応して、その内容を記者発表した。その結果、全国にこういうニュースが流れたのではないか。もし、船橋市教育委員会がこの匿名電話を黙殺して、先にマスコミにでも流されたら、責任問題になることを恐れたとしか思えない。
 
 「放射線がうつる」と誰がどういう状況で言ったのかも分からず、仮に言ったとしても、それが「差別」や「人権」に関わるような事だったのかどうかも定かではない。こんなことを騒ぐ前に、マスメディアはもっと為すべき事があるだろうに。

 

「放射線うつる」といじめ 船橋市に避難した子ども

4月14日(木) 22時19分

 福島県から千葉県船橋市に避難した子どもが「放射線がうつる」などと言われ、いじめられたとする匿名の電話が3月、同市教育委員会にあったことが14日、市教委への取材で分かった。市教委は、避難者の気持ちを考えて言動に注意するよう児童、生徒への適切な指導を求める通達を、市内の小中学校など計83校に出した。市教委によると、匿名の電話は、福島第1原発事故のあった福島県から避難し船橋市内の公園で遊んでいた小学生のきょうだいが3月中旬、別の子どもたちにいじめられたとの内容だった。通達は、指導に当たっては「思いやりを持って接し、温かく迎える」「避難している人の気持ちを考えて言動に注意する」など避難している子どもたちへの配慮を要請。「(放射線に対する)大人の不安が子どもたちに影響を与え、冷静な対応が取れなくなる恐れがある」と保護者と連携した対応の重要性も指摘した。


4月14日午前1時半、放射線が2倍に増えた

2011年04月14日 01時55分02秒 | 社会
 4月14日午前1時半現在の放射線データを見た。計測地は、東京都日野市南平。「ナチュラル研究所」というサイトで10分毎にデータを表示している。



 上のグラフを見ると分かるが、午前1時半頃、数値が通常値(20あたりのライン)を倍くらい上回って、40近いラインにまで達している。
 そこで、気象庁の風向データを見たら、夜になり福島県方向から、茨城・千葉県を経て、この日野市南平に風が吹いていると分かった。

 神奈川県庁の放射線データ(川崎・横須賀地区)には特に異常はないのだが、この日野市の異常値は気にある。漸減してきた数値がこれだけ跳ね上がったのは、初めてだからだ。
 何か起きたのだろうか?

「まさかの友は真の友」とうそぶく菅直人

2011年04月12日 14時13分02秒 | 政治

 菅直人の「絆」(下記参照)という一文に呆れかえったのは、私だけではないだろう。
 
東日本大震災に対して、世界各国から寄せられた支援に日本の首相として感謝の意を表するのは当然のことだろう。
 だが、「これまで130以上の国・地域、40近い国際機関…そして世界中の方々からお見舞いをいただき」と書かれているが、そこでいう「地域」とは、台湾(中華民國)を指すのだ。大震災後、真っ先に救援隊の派遣を申し入れた台湾政府に対して、菅首相はこれを丸二日間も放置し、中国政府のご意向を伺った。

 台湾の人々からは日本円で120億円もの義援金が集まった。世界各国の中で他を圧した義援金額だ、。
 台湾人の一人当たり義援金の拠出額を中国人と比較すると、何と中国人の500倍に当たる。菅首相は、この事実を知りながら、「絆」と題する挨拶文を台湾の新聞には掲載させず、中国共産党の機関誌「人民日報」に掲載させた。

 菅の一文の最後には「まさかの友は真の友」と書かれている。まさかのときに、本当に助けてくれるのが真の友人だというのなら、菅は真っ先に台湾人・台湾政府にお礼を述べるべきではなかったか

 菅には「巧言令色鮮矣仁」(巧言令色、少なし仁)という言葉がピッタリだ。

 


Kizuna - the bonds of friendship

 

平成23年4月11日(月)

 

 

 巨大な地震と津波に見舞われ、13千人以上の死者を出した東日本大震災から一ヶ月が経ちましたが、未だに14千人以上が行方不明であり、約15万の方々が、今も避難生活を強いられています。我が国の国民だけでなく、外国人の方も含め、今回被災されたすべての方と、そのご家族の皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。

 福島第一原子力発電所の状況については、現在、事態の収束のために全ての資源を動員し、一日も早い安定化に向けて努力しているところです。

 大震災からの一ヶ月間は、日本にとって極めて厳しい期間でした。しかし、同時に、日本は世界と共にあることを、改めて実感し、感謝する期間となりました。

 これまで130以上の国・地域、40近い国際機関、数多くの非政府組織、そして世界中の方々からお見舞いをいただき、さらには義捐金などを通じて支援と連帯を示していただきました。様々な国・地域から救助隊員の方々が駆けつけ、いち早く被災地で救援活動を行い、食料・医薬品・毛布等の物資を届けてくださったことは、被災者を心から勇気づける支援でもありました。また、被災地の復興を願い、遠い国の子供たちが一生懸命折ってくれた千羽鶴も届けていただきました。

 このような世界中からの支援に対し日本国民を代表して心から感謝を申し上げます。

 日本は必ず再生し、復活し、さらに素晴らしい国になります。国際社会が示してくださった温かい激励と連帯に応えるためにも、その新生への道を歩むことこそが、我が国の責務であり、最高の返礼であると考えています。そして、日本国民の底力と国際社会の温かいご協力により、それは必ずできると、私は確信しています。

 そして、世界の皆様からいただいた温かいご支援に対し、国際貢献という形で、必ず恩返しをしたいと思い定めています。

 そのためにも、私は、復興に向けて全力を尽くして参ります。

                             内閣総理大臣 菅直人

 

まさかの友は真の友

 


超A級の国民にC級の政府

2011年04月10日 06時48分29秒 | 社会

 昨日の「産経新聞」に興味深い記事が載った。東日本大震災に対して、日本円で100億円を超える義援金が集まった台湾では、大震災への日本の対応について「超A級の国民にC級の政府」という評価が一般化しているという。(下掲記事参照)

 

2011.4.9 産経新聞


 東日本大震災直後、台湾は未曽有の災難にも礼節と秩序を維持して堪え忍ぶ日本の被災者への深い同情と、驚きにも似た称賛の声に満ちていた。それだけに発生直後からの台湾各界の日本支援は極めて熱い。しかし日本政府や東京電力の対応が後手に回り、放射性物質(放射能)汚染が広がるにつれ、対日観光のキャンセルが相次ぐなど、汚染被害への警戒も強まっている。

 外交部の調べによると、義援金(1日現在)は約37億4千万台湾元(約110億円)と米国をもしのぐ勢いで、うち9割以上が民間からという。産経新聞台北支局にも募金や援助物資寄贈の申し入れのほか哀悼、見舞いの電話が相次いだ。

 日本の対台湾窓口機関、交流協会が昨春発表した調査でも、台湾人の52%が日本を好感度1位に選んでいたが、親日台湾の面目躍如といえよう。

 その一方、震災1週間後ぐらいからは日本政府の救助や原発事故対応のもたつきへの批判も高まり始め、「超A級の国民にC級の政府」(台湾紙、聯合報)との評価も一般化した。「立派な国民がいても政府や自治体の災害処理の方針がはっきり決められない現状では、国民がかわいそう」(李登輝元総統)というわけだ。

 近隣だけに、原発事故処理の失態や放射能被害への懸念も次第に高まっている。行政院(政府)は3月25日、福島、茨城、栃木、群馬、千葉5県からの食品輸入を全面停止。酒類輸入最大手の橡木桶(台北市)は29日、日本からのすべての輸入を停止した。震災直後は日本食品の買いだめが起きたが、放射能汚染の拡大につれ買い控えが強まっている。

 北部の漁港では魚の卸値が600グラム当たり20~50台湾元(60~150円)下がり、売り上げも3割減った。

 こうしたなか、台湾気象局は4月2日、「福島原発事故による放射能が6日夜にも飛来する」との予報を初発表。行政院原子力委員会は「汚染レベルは1時間0・06マイクロシーベルトと警戒値の0・2マイクロシーベルトを下回る」見込みとし、「健康に影響はないが、もし警戒値を超えれば警報を出すので、外出を控えるか傘を差してほしい」などと呼びかけた。

 しかし気象局は5日夜になって、「放射能は日本の東方に向かい、今週中に台湾に到来することはない」と予報を修正するなど混乱している。

 台湾の旅行業界団体の見積もりによると、台湾から日本への桜見物客も、地震と原発事故で「キャンセルが15万人(ツアー5万人、個人10万人)に上った」。

 一方、台湾には日本旅行を予定していた中国人観光客がシフトし、高雄市では中国人客が激増。日本行きを見合わせた台湾人観光客はマレーシアやタイなど東南アジアに流れている。

 また、大震災は原発問題を来春の台湾総統選挙の重要争点としつつある。

 民進党の総統選候補に立候補した蔡英文・同党主席は3月24日、来年末完成をめざして建設中の第4原子力発電所(新北市)の商業運転に反対を表明、2025年までに第1~3までのすべての既存原発も廃棄する政策を掲げて賛否両論を巻き起こしている。

(台北 山本勲)


日台交流センターに聞いた「義援金100億突破―」台湾はなぜ親日家が多い?

2011年04月07日 10時06分21秒 | 台湾

 台湾からの義援金が100億円を超えた。だが、日本のマスメディアは、このことについてほとんど報道しない。
 次の記事は、人口2千3百万人の台湾でかくも巨額の義援金が集まるのか、正確に伝えている。 

日台交流センターに聞いた「義援金100億突破―」台湾はなぜ親日家が多い?

日刊サイゾー - 04月06日 18:30)

日刊サイゾー

写真
 東日本大震災の発生から早1カ月、日本国内はもとより、世界各国から救援物資や義援金が続々と届いている。そんななかでも、「台湾から義援金100億」というニュースには誰もが驚かされたことだろう。時事通信によると震災発生当日、日本の外務省にあたる台湾外交部が約2億8,500万円の義援金を日本に送ると表明。その後、テレビ局などがチャリティーイベントを開催して寄付を呼び掛けるなどし、4月1日までの時点で、官民合わせ100億円を突破しているという。さらに被災した子どもとその家族を対象に、渡航費・滞在費を全額負担し、2週間から1カ月ホームステイできるよう、約100世帯を一時避難所として確保するなど、義援金以外の支援の輪も広がっている。

 九州ほどの面積しかない台湾の人口は約2,300万人で、サラリーマンの平均月収は13万円前後。その台湾からの義援金100億はまさに桁外れの額で、台湾人の親日ぶりがうかがえる。

 なぜ、ここまで台湾人は親日なのか。両国は隣接し、古くから相互往来は密接だったが、それに加え、1999年9月に発生した台湾中部大地震、さらに09年の8月に台湾南部を襲った台風災害の際、日本は早期に台湾への支援を表明し、救援隊の派遣や多額の義援金を送るなどしたが、その献身的な対応に台湾側は深い恩を感じているという。さらに歴史をさかのぼれば、日本の植民地時代、後藤新平らの尽力によって台湾のインフラが急速に整備されたり、教育制度などが整えられた背景があり、それが現在の台湾経済発展の基盤になっていると考える人が多く、そのため日本に友好的な感情を抱いているという。

 しかし、それだけではない。台湾ではわれわれが思っている以上に日本のカルチャーが浸透しているのだ。台北市内には、日本でおなじみのコンビニや飲食チェーン店が建ち並び、薬局などでも日本の商品が数多く売られている。日本の芸能人を起用した広告ポスターが街のあちらこちらで見受けられ、若者のファッションも日本とそう変わりはない。日本語が話せる人も多く、道を尋ねれば親切丁寧に対応してくれる。さらに日本に留学経験がある若者も少なくない。

 こうした台湾と日本の関係について、日台交流センターに詳しく話を聞いた。

「台湾から日本に来ている留学生は現在5,000人ほどで、日本語学校や専門学校に通ったり、大学や大学院で高等教育を学んでいる人もいます。日本の植民地時代、日本語を学んだ世代が今は80歳くらいの高齢者。若い人からすると自分のおじいちゃん、おばあちゃんが日本語を話せるので、日本語がとても身近なものなんですね。それに近年は、日本のポップカルチャーが急速に台湾に浸透しています。ドラマやバラエティー、グルメ番組などさまざまなジャンルのテレビ番組が中国語(北京語)の字幕付きで頻繁に放送され、アニメやゲーム、音楽などもすぐに入ってきます。そういったところから日本のカルチャーに接する機会が多く、高校や大学で第二外国語として日本語を履修する学生が増えています。現在、第二外国語としては日本語が一番人気があると聞いています」

 カルチャー面においてはとても身近なようだが、台湾にとって、かつて日本は宗主国でもあった。現在の台湾人にとって、日本人とはどういう存在なのだろうか。

「世代や政治的なスタンスによって違うとは思いますが、一般的によく言われるのは、戦後、日本の敗戦にともない台湾が中華民国(中国国民党政府)に返還されましたが、蒋介石時代には市民がひどく弾圧されたという歴史的背景があります。その時代と比較すると、日本の統治時代は植民地とは言え、インフラを含め、日本の政府は献身的な対応をしてくれた。そのため、反日感情ももちろんありますが、現在では友好的な感情を持っている人が多いようです」

 われわれ日本人が思っている以上に深い台湾との関係を認識することとなった今回の震災。テレビのチャリティー番組は単発的なものだったが、台湾外交部や台湾赤十字では専用口座を開設し、現在も義援金を募っている。また、日台交流センターの台北事務所と高雄事務所にも多くの義援金が届いているという。

 台湾の経済建設委員会は、主要貿易相手国である日本の被災の影響による台湾経済の損失は約540億円を超えるとの予測をしている。にもかかわらず、国が一丸となり援助の手を差し伸べてくれる台湾には頭が下がる思いでいっぱいだ。近い将来、なんとかこの国難を乗り越え、両国親交がさらに深くなることを期待したい。
(文=編集部)


台湾からの震災義援金が100億円を超えたのに…

2011年04月05日 08時12分31秒 | 台湾

 東日本大震災の被災者に対して、海外から支援・義捐金が送られてきている。マスメディアで数多く報道されているのが、中国・韓国からの支援報道。中・韓救助隊の来日に際しては、民主党員でもある副大臣が出迎えたという。一方、台湾は、全ての国に先駆けて救助隊派遣を申し出たのに、菅首相はこれを2日間も放置して、中国からの連絡を待ったと伝えられる。もし、安倍晋三氏が首相だったら、このような愚行は犯さなかっただろう。
  
 台湾からの義援金は、他国を圧倒している。その額は、100億円(日本円)を超えた。日本国内での日本赤十字等への義援金が、1,100億円と伝えられている。台湾の人口は、2千三百万人で日本のほぼ五分の一なので、この金額がいかに巨額かが分かる。米国と比較しても、「米国が赤十字を通じて集めた寄付が3月30日現在で約99億円。人口が約14分の1の台湾が同規模の義援金を集めたことは「桁外れの支援ぶり」(日台関係者)で、台湾人の親日ぶりを端的に示している」(時事通信 4月4日 下記参照)とされる。 

 一方、中国からの義援金は、一億円にも満たない。(「毎日新聞」3月26日 下記参照)
中国の人口は約13億人。ざっと比較すると、中国人のひとりあたり義援金は、台湾人の五百分の一という計算になる。これは、中国と台湾の「対日感情」を如実に示した数字と言えるだろう。
 誰が「友邦」なのか、この経験から真剣に考えるべきだろう。

 

震災義援金100億円突破=支援桁外れ、親日ぶり示す-台湾

<script type="text/javascript">//  ]]></script> <noscript></noscript>

 【台北時事】台湾当局のまとめによると、東日本大震災の被災者への義援金が1日までに、官民合わせて計100億円を突破した。米国が赤十字を通じて集めた寄付が3月30日現在で約99億円。人口が約14分の1の台湾が同規模の義援金を集めたことは「桁外れの支援ぶり」(日台関係者)で、台湾人の親日ぶりを端的に示している。
 台湾では大震災発生直後から被災者支援の輪が広がり、外交部(外務省)が震災発生当日に1億台湾ドル(約2億8500万円)の義援金を送ると表明。同月17、18の両日にはテレビ局などがチャリティーイベントを開催して寄付を呼び掛け、これまでに約9億台湾ドル(約25億6600万円)を集めた。同部が把握していない寄付も相当程度あるとみられ、実際の金額はさらに多いとみられる。(2011/04/01-15:22)

<東日本大震災>中韓台から義援金続々と

毎日新聞 3月26日(土)12時11分配信

 東日本大震災での東京電力福島第1原発の事故による放射能汚染に各国が懸念を強める一方で、日本の復興を応援しようという動きも世界中で広がり続けている。

 【台北・大谷麻由美、上海・鈴木玲子、ソウル大澤文護】中国や台湾、韓国などでは義援金が記録的なスピードで集まっている。17、18日に被災者支援のチャリティー番組を放送した台湾のテレビ各局には生放送終了後も義援金申し込みが相次ぎ、25日までに計13億353万台湾ドル(約35億6700万円)となった。台湾内政部(内務省)によると、官民あわせた義援金総額は同日までに約23億台湾ドル(約64億円)になった。

 中国では、上海の企業「上海復星集団」が24日、中国紅十字会(赤十字会)を通じて500万元(約6160万円)を寄付した。福島第1原発で復旧作業を続ける作業員たちの姿に感動して決めたという。同社の汪群斌総裁は「自らの命さえもかけて作業を続けている。敬意と感謝を表したい」と話した。

 一方、韓国の大韓赤十字社が受け付けた義援金は24日までに181億8114万ウォン(約13億3000万円)。在韓日本大使館が受け付けた義援金も24日午後までに10億3875万ウォン(約7600万円)に達した。


片倉桂史 日本に高い関心を示す台湾

2011年04月01日 11時20分46秒 | 台湾

  台湾に関する数々の著作、レポートで知られる片倉桂史氏の「台湾便り」を転載させていただきます。

 東北関東大震災に関して、台湾からは多くの義援金、お見舞いのメッセージが寄せられているけれども、日本のマスメディアは、決してそのことを伝えようとしない。
  

 

【片倉佳史の台湾便り】日本に高い関心示す台湾
                        
http://katakura.net/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


3月11日に発生した東日本大震災。各地で大きな被害が出ていますが、被災された
方々、そしてご遺族に、お悔やみとお見舞いを心より申し上げます。一刻も早い
復旧と復興をお祈り致します。

今回の震災、および原子力発電所の不祥事についてはすでに多くのところで語ら
れていますが、全く言葉がありません。私も読者の皆さんや友人からたくさんの
お便りをいただきました。テレビや新聞などで被災地の状況を見ていると、本当
に胸が詰まります・・・。

台湾でも頻繁に報道がなされています。その内容は少々過熱気味でもありますが
、連日のように特番が組まれ、関心の高さをうかがい知れました。私自身、台湾
に戻った後、実に多くの方に声をかけられ、中には見知らぬ方にまで安否を気遣
われるということがありました。

すでに多くのところで報道されていますが、3月18日に放映された台湾のチャリテ
ィー番組では義捐金が生放映中に約21億円にのぼったそうです。そして、寄付は
その後も止まらず、25日の時点では総計約47億円に達したそうです。そして、30
日現在、交流協会によると、官民合わせ100億円に達しそうな勢いになっています


http://www.koryu.or.jp/ez3_contents.nsf/b4612d8c467725a049256df90033ff39/6be18444c925ce364925785c00299f24?OpenDocument

今回、必ずしも裕福な人だけでなく、一般庶民も数多く心を寄せてくれています
。私の周囲でも、屋台をひくオジサンやマッサージ店の按摩師、食堂の店員さん
などが募金活動に参加したと言っていました。

また、お金だけではありません。Twitterやブログ、facebookなどでいくつかのエ
ピソードを書いてみましたが、こちらに暮らしていると、本当に多くの方に励ま
しの言葉をいただきます。多くの方に支えられながら生きているという現実、そ
して、台湾の人々の温かさを噛みしめる毎日です。
こういったビデオメッセージは数多くネット上にアップされていますが、以下、
その一部をご紹介させていただきます。

http://www.youtube.com/watch?v=gcWmLE_ph00&feature
台北市建国中学(高校)の生徒さんたちの自作ビデオ
http://www.youtube.com/watch?v=XGHiIpRVWqk&feature=related
「私にできること」(犬or猫もひとつ混じっていますね)
http://www.youtube.com/watch?v=Oc1RuYJ5w-w&feature=related
台北教育大学付属小学から。日本語です(旧台北師範第二国民学校)
http://www.youtube.com/watch?v=sGLOZrE7XMU&feature=related
マンガで日本の平安をお祈りします
http://www.youtube.com/watch?v=UYoVjvJGZhw&feature=related
jacky・luさんが編集したビデオクリップ
http://www.youtube.com/watch?v=UAlJCBI6vQI&feature=related
小学一年生から。「日本加油(日本がんばれ)」と言っています
http://www.youtube.com/watch?v=Ejj4Xy4iQUU&feature=related
もう一つ、桃園県の小学生たちから
http://www.youtube.com/watch?v=1iTx8907cfg&feature=related
1999年の台湾中部大震災の恩返しという声もあります(GZI影像製作工作室)
http://www.youtube.com/watch?v=xykgLpOio0U&feature=related
ビデオメッセージ(日本語教師の方が製作されたビデオクリップ)
http://www.youtube.com/watch?v=EcF3_GhPUDQ&feature=related
「台湾からの歌」唄・李冠群さん
http://www.youtube.com/watch?v=Q0hr5RJLAyQ&feature=related
「元気進行曲」許浩倫さんの創作曲
http://www.youtube.com/watch?v=zjZAZqfbO9Q&feature=related
SMAPの唄に台湾の人々のメッセージ(ジョージさんとT先輩)

改めて、台湾の皆さんのお心に感謝の気持ちを伝えたく思います。日頃、日本政
府や自治体が台湾に対して無礼な振る舞いを繰り返す中でも、心のやりとりを大
切にしてくれる台湾の皆さん、その気持ちは、きっと多くの人に届き、新しい日
台関係が築かれていくものと信じます。今回も日本のマスコミが台湾からの声を
しっかりと伝えているとは思えず、非常にもどかしいのですが、より多くの被災
者の方々、そして被災地で活動している皆さんにその声が届くよう、祈りたいと
思います。

片倉佳史