こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

生き方~利他の心で生きる

2007年08月13日 | 稲盛和夫の『生き方』に学ぶ
生き方―人間として一番大切なこと
稲盛 和夫
サンマーク出版

このアイテムの詳細を見る

blog Ranking へ  ガイダンス(目次)へ

 続いて,第4章「利他の心で生きる」
 
 利他の心とは,「おのれのことは脇に置いて,まず他人を思いやる,温かな心」のことであり,もっとシンプルに表現するなら,「背のため人のために尽くす」ということ。

 また,「人間の心がより深い,清らな幸福感に満たされるのは,けっしてエゴを満たしたときではなく,利他をみたしたとき」であり,「賢明な人は,そのように他人のために尽くすことが,他人の利だけにとどまらず,めぐりめぐって自分に利することにも気づいている。(P174)」

 話は変わるが,『スローセックス実践入門』で,日本がセックスレスな国である原因として,日本人男性の女性に対する思いやり,温かな心の欠如が指摘されていた。
 「射精できれば,オッパイ触れば(自分が勝ってに)気持ちいい。」という,己の欲望を一方的に満たす,自分勝手で男性本位な考え方が,女性をセックスから遠ざけているということであったが,これって,すなわち,利他の心に欠けるセックス感が災いをもたらすということ。
 「人間の心がより深い,清らな幸福感に満たされるのは,けっしてエゴを満たしたときではなく,利他をみたしたとき」であることを,日本の男性諸氏は,今一度,かみしめなければなるまい。

 話を「利他の心で生きる」に返すが,稲盛さんは,国の在り方にも,この利他の心を求める。
 「相手に対して「思いやり」を見せ,譲歩すべきは譲歩する寛容さ,利他の心を身につけることが,”経済大国”となった日本の責務(P192)」であり,こうした「徳を国是のベースに据え」,「そろばん勘定に長けた国でもなく,軍事力の誇示に忙しい国でもなく,徳という人間の崇高な精神を国家理念の土台にして世界に接していく。」

 欧米に源流を持つ,武力によって人を支配する文化を「覇道」といい,東洋に連綿と流れる徳に基づいて人を導くことを「王道」という。
 孫文は,1924年,神戸の講演で「軍備拡張,領土拡大に傾斜する当時の日本に「覇道」でなく「王道」を選ぶべきだと説いた。(P194)」が,残念ながら,日本は覇道を歩み,第二次大戦に突入。さらには,敗戦後も経済分野で覇権主義を貫いている。

 だから,稲盛氏は,「しかし,こらからは国も人も,思いやりや利他という心の「徳」に根ざした王道的な生き方を基軸にしていかなければ,日本はまた大きな過ちを犯しかねない。(P194)」と危惧する。
 
blog Ranking へ  ガイダンス(目次)へ



最新の画像もっと見る