これほどまでに理不尽な処分があっていいのか――宮城野部屋の「お取り潰し」

2024年04月03日 10時00分26秒 | 社会・文化・政治・経済

もはや相撲協会による「白鵬いじめ」だ…宮城野部屋に下った「異様な閉鎖処分」への強烈な違和感
週刊現代 によるストーリー 

これほどまでに理不尽な処分があっていいのか――宮城野部屋の「お取り潰し」に多くの相撲ファンが衝撃を受けている。過去の暴行事件と比べても異例の厳罰について、各界の好角家の声を聞いた。

前例を見ないほど重い処分

「元横綱の宮城野親方は通算1187回の最多勝利を記録し、ギネス世界記録にも認定された英雄です。そのうえ日本の女性と結婚して日本国籍まで取得し、親方にもなられた。そんな方をこうもいじめる日本相撲協会は、自ら恥をさらしているとしか思えません」

宮城野親方が旭鷲山の付き人だったころから交流があるタレントのデヴィ夫人は、憤慨しながらこう続ける。

「協会がやるべきはコンプライアンスを強化し再発防止に努めることであって、親方個人を責めて部屋を没収することではありません。明らかに行き過ぎた処分です」

宮城野部屋の問題をめぐって角界が揺れている。相撲協会は2月23日、宮城野部屋に所属する北青鵬が弟弟子に暴力を振るっていたという調査結果を発表し、北青鵬の引退届を受理、宮城野親方(元横綱・白鵬)には平年寄への2階級降格と減俸という処分を下した。

それに加えて、4月から宮城野部屋の師弟は伊勢ヶ濱部屋へ預けられる見通しで、3月の春場所では玉垣親方(元小結・智乃花)が師匠代行を務めた。平成を代表する横綱が率いる宮城野部屋は、事実上の閉鎖に追い込まれている。

これまでも角界では暴行事件が絶えなかった。昨年5月には陸奥部屋でも弟弟子への暴力行為が発覚し、陸奥親方は報酬減額処分を受けている。


もちろん暴行自体は決して許されるものではない。ただ前例と比較しても宮城野部屋への処分は重く、タレントのヨネスケ氏も「強烈な違和感を覚えた」と語る。

「弟子の監督責任を怠っただけでここまで重い処分を下すのは、どう考えてもおかしいですよ。私と同じく、納得できない相撲ファンは多いんじゃないでしょうか。昔から相撲の稽古に荒っぽい一面があるのは事実だし、それが一種の伝統とも言える。暴力がいけないのは重々わかっているけれど、何でも『パワハラ』と認定して厳しく罰するだけでは、問題が解決するとは思えません」

今回の一番の被害者は、白鵬に憧れて入門したにもかかわらず、もう彼の指導を受けられないかもしれない宮城野部屋の力士たちだ。実際に今の部屋内部には、悲愴な空気が漂っているという。関係者が打ち明ける。

 

「北青鵬の件が報じられてから宮城野部屋には外出禁止令が出ていて、力士たちは怪我をしても病院での治療すら満足に受けられなかった。

そんな状況で迎えた春場所でも彼らは奮闘していました。13日目にはそれまで休場していた最年長の幕下、宝香鵬も出場。取組の前日に部屋の力士たちを集めて自らの思いを語り、後輩たちはみな涙を流しながら聞いたそうです」

首をかしげる相撲ファンも少なくない今回の一件だが、協会執行部が異例なほど重い処分を断行したのは、この機会に宮城野親方の力を削ごうと画策したからと囁かれる。

相撲協会はなぜ、宮城野部屋に異例なほど重い処分を下したのか? 後編記事『相撲協会「白鵬いじめ」のウラにある「男の嫉妬」…なぜ宮城野親方はここまで恨まれているのか?』では、その理由について解説していく。

「週刊現代」2024年4月6・13日合併号より

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