脳梗塞を対象とした再生医療

2019年01月24日 10時06分19秒 | 医科・歯科・介護

脳梗塞患者を対象とした自家骨髄幹細胞移植治療(医師主導治験)開始のお知らせ-国内で初めての脳梗塞への直接投与法での再生医療等製品の治験開始-

国立大学法人北海道大学
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
ポイント

・北海道大学病院において脳梗塞急性期患者に対する幹細胞を用いた新たな治療法の医師主導治験2)を開始しました。
・脳梗塞急性期患者を対象とした直接投与による幹細胞移植の治験は日本で初めてです。
・1例目の患者さんへの移植手術が安全に終了しました
・今後、治験の結果を受けて、再生医療等製品1)としての承認を目指します。
概要

北海道大学病院は脳梗塞急性期に対する自家骨髄幹細胞直接移植の医師主導治験を平成29年4月から開始しました。本学大学院脳神経外科学分野(寳金清博教授、川堀真人特任助教)、本学臨床研究開発センター(七戸准教授)、富山大学脳神経外科学分野(黒田敏教授)を中心とした共同研究による成果で
北海道大学脳神経外科教室では2001年より骨髄幹細胞を用いた脳梗塞を含む中枢神経疾患に対する基礎的研究を続け、脳梗塞患者へ骨髄幹細胞を用いた直接投与法による治療は効果が予想されると考えました。
これら基礎的研究の結果を元に、2012年より厚生労働省「革新的再生医療製品実用化促進事業」の支援を受けてさらに研究を加速させ、その後2015年からは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「再生医療実用化研究事業」の支援を受けています。

これらの成果をもとに平成29年1月18日に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に治験届「脳梗塞急性期患者を対象とした自家骨髄幹細胞脳内投与による再生医療の医師主導治験」を提出しました。

2017年8月に第1例目の患者さんへご自身の幹細胞を投与する移植手術を行い、安全に手術が終了したことを確認しています。

 背景

 脳卒中、特にその大部分を占める脳梗塞は、脳の血管が詰まることによって、手足を動かす運動機能や言葉などの言語機能を司る脳の一部に酸素と栄養が届かなくなり、それらの機能が傷害される病気です。

日本全国で1年間に約30万人が新たに発症し、その多くが死亡もしくは後遺症を残す重篤な疾患です。2025年には520万人の後遺症による要介護者が推定され、それに伴う社会的負担も増大することが考えられることからも、より有効な治療法が求められています。


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