軍部による国家神道支柱にした思想統制

2019年10月30日 12時06分59秒 | 社会・文化・政治・経済

国家神道は、近代天皇制下の日本において作られた一種の国教制度、あるいは祭祀の形態の歴史学的概念である。

皇室の祖先神とされる天照大神を祀る伊勢神宮を全国の神社の頂点に立つ総本山とし、国家が他の神道と区別して管理した「神社神道(じんじゃしんとう)」(神社を中心とする神道)を指す語である。


1945年(昭和20年)のGHQによる神道指令において「国家神道」の廃止が命じられており、「国家神道」という言葉はこの時に初めて使用されて広まったものである。

 靖国神社が描かれている五拾銭紙幣
 
明治政府は、天皇をトップとした社会構築にあたり、国民の精神的支柱として神道を採用した。 
五箇条の御誓文も天皇が神に誓うという形式を採用した。

靖國神社は国家からの免税、祭祀料の支給、毎年の「寄付金」の交付、皇室よりの下賜金など、特別な優遇を与えられた。

東京帝国大学で宗教学を講じた加藤玄智は『我が国体の本義』(1912年)で「現人神とも申し上げてをるのでありまして、神より一段低い神の子ではなくして、神それ自身である」と述べている。

憲法学者で東京帝国大学教授の上杉慎吉の「皇道概説」(1913年「国家学会雑誌」27巻1号)は「概念上神とすべきは唯一天皇」と述べ、これが昭和初期には陸軍の正統憲法学説となっていった。

昭和維新運動以後の軍国主義の台頭によって、天皇の威を借りた軍部による政治介入が頻発した

満州事変はこの石原の最終戦争論にもとづいて始められた。

GHQによる神道への危険視は、神国・現人神・聖戦などの思想が対象となっており、昭和天皇が1946年に発した「新日本建設に関する詔書」(通称「人間宣言」)もこのような背景で出されたものと考えられている。


 
 

 

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